2017.8.2 更新

交通事故の慰謝料は自分で求められる|自賠責保険基準での計算方法

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自賠責保険とは

自賠責保険は最低限の支払いをしてくれる保険

自賠責保険とは、自動車損害賠償保障法という法律によって加入が義務になっている保険のことです。交通事故の保険には、自賠責保険と任意保険の2種類があります。自賠責保険は、最低限の被害者救済のための保険という位置づけになります。
交通事故が起こった時、被害者は大きな損害を受けることが多いです。このようなとき、加害者に資力がなければ、必要な支払いが受けられず、被害者が苦しむことになります。そこで、すべての車両が自賠責保険に加入することによって、どのような交通事故のケースでも、最低限自賠責保険からの支払いだけは被害者に保証されるようにしています。

このように、自賠責保険は最低限の被害者救済のための保険なので、その支払金額は低いです。たとえば、交通事故では自賠責基準と任意保険基準、弁護士・裁判基準の3つの基準があると言われます。この中で、自賠責基準は自賠責頬権を計算する際の基準ですが、この中でもっとも低いのは自賠責基準です。自賠責保険で支払いを受けられる保険金額を超える損害については、加害者本人か、加害者本人が加入している任意保険会社から賠償金の支払いを受ける必要があります。
また、自賠責保険は強制加入の保険です。加入していない場合には、罰則が科されます。また、自賠責保険に加入していない場合には、すべて自腹で被害者に賠償金を支払わなければならなくなります。被害者の立場からすると、相手が自賠責保険に加入していない場合には、最低限の支払いすら受けられない可能性が出てくるので重大な事態になってしまいます。

自賠責保険の補償範囲は「人」だけ

自賠責保険で対象となるものは、人身損害のみです。物損は自賠責保険では補償されません。そこで、物損事故の場合には、相手の任意保険会社に請求する必要があります。
人身損害とは、傷害による損害と死亡による損害のことです。
そして、そのどちらにも補償限度額の設定があります。
傷害の場合の補償範囲は、病院などの治療関係費や通院交通費、入院雑費、看護料、文書料などの積極損害と、休業損害や慰謝料等の消極損害です。すべて合わせて支払限度額が120万円となっていて、非常に低いです。
後遺障害が残った場合には、後遺障害の等級に応じて後遺障害慰謝料や逸失利益が支払われます。

支払限度額は、後遺障害の等級によって異なります。最も高額なのが常時介護を要する場合の1級の場合で4000万円、最も低いのが14級の75万円です。
被害者が死亡した場合にも自賠責による支払いがあります。この場合の補償範囲は、葬儀費用や逸失利益、死亡慰謝料です。自賠責の死亡慰謝料は、本人のものと遺族固有のものがあります。本人のものは一律350万円となっていて、遺族がいる場合には、550万円~750万円の慰謝料が認められます。被扶養者がいる場合には、200万円が加算されます。死亡事案の自賠責保険の支払限度額は3000万円です。死亡前の傷害による損害分については、補償限度額が120万円となっています。

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自賠責保険からの慰謝料を計算しよう

慰謝料はまず自賠責保険基準で計算する

自賠責保険の保険金を計算する際には、自賠責基準という計算方法が使われます。自賠責基準とは、自賠責保険を計算する方法であり、これは一律で決まっています。そして、他の基準より低額になります。たとえば、入通院慰謝料の場合、自賠責基準の場合には、1日あたり4200円として、それに入通院期間をかけて計算します。入通院期間については、入通院にかかった期間と、実際に入通院した日数の2倍を比較して、低い方の数字を採用します。

たとえば、2ヶ月通院した場合で、実通院日数が15日の場合には、2ヶ月間の60日と、実通院日数の2倍の30日を比べると、30日の方が少ないです。そこでこちらが採用されてしまいます。すると、入通院慰謝料の金額は、4200円×30日=126000円となります。
このような自賠責基準による入通院慰謝料の金額に不満がある場合には、相手の任意保険会社により高い金額の入通院慰謝料を請求することができます。任意保険は、自賠責保険を超える部分の損害賠償をする義務がある保険だからです。任意保険会社に入通院慰謝料を請求すると、自賠責基準よりは高いけれども裁判基準よりは低い任意保険基準という基準で計算されてしまうため、慰謝料が比較的少なくなってしまうことが多いです。より高額な裁判基準で入通院慰謝料を支払ってもらうには、弁護士に示談交渉を依頼する必要があります。

実際の例を用いて慰謝料の総額を計算してみましょう

自賠責保険の計算例を1つ、ご紹介します。
たとえば、交通事故でむちうちになって2ヶ月間通院して、後遺障害14級が認定されたとします。車が毀れて修理に10万円かかり、10日休業しました。
この場合、対象になるのは人身損害の部分だけなので、車の修理費用は支払い対象になりません。以下で、支払われる賠償金を計算していきましょう。

まず、病院の治療費が支払われます。治療費や文書費用など、もろもろかかって40万円かかったとします。そして、入通院慰謝料を計算します。2ヶ月の通院期間ですが、実通院日数は40日とします。すると、2ヶ月分の60日の方が小さな数字となるので、こちらを採用します。入通院日数は4200円×60日=252000円です。休業損害については1日あたり5700円の基礎収入で計算するので5700円×10日=57000円となります。そこで、傷害の賠償金は合計で40万円+252000円+57000円=709000円です。
次に、後遺障害の計算をします。後遺障害については14級なので、後遺障害慰謝料は32万円です。逸失利益は300万円としましょう。ただし、自賠責の14級の限度額は75万円なので、それを超えては支払われません。後遺障害についての保険金は、75万円となります。
そこで、この事案では自賠責保険の保険金は、709000円+750000円=1459000円となります。

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自賠責保険からもらえる慰謝料には上限がある

自賠責保険からの慰謝料は120万円まで?

自賠責保険に上限はあります。保険金には、通常上限が設けられています。上限を超える損害が発生しても、その部分についての賠償金は支払われません。そして、自賠責保険の上限は、任意保険の限度額よりも非常に低いです。まず、傷害の場合の自賠責保険の上限は120万円です。治療費や入通院慰謝料などの合計が120万円を超えると、その超えた部分については保険金が支払われません。実際に長期間入通院すると、治療費だけでも120万円を超えてしまうことは普通にあるので、そのような場合には満足に治療費の支払いを宇蹴ることができませんし、入通院慰謝料なども支払われないことになります。
また、後遺障害が認められた場合の限度額も低いです。1級の要介護の場合でも4000万円ですし、介護なしの1級の場合には3000万円です。級が下がるとだんだんと限度額も下がってきて、一番低い等級である14級の場合には、限度額が75万円になってしまいます。逸失利益だけでも数百万円になることが普通なので、これではとうてい全額の賠償金支払いには足りません。

死亡事案の限度額も低いです。一律で3000万円となっています。死亡の場合の逸失利益は高額になることが多く、数千万円レベルになることも普通です。そこで、この場合にも逸失利益を足すと、限度額にひっかかって全額の支払いを受けられなくなるケースが多いです。

慰謝料の超過分は相手の保険会社がまとめて支払う

自賠責保険には上限があり、その金額はかなり低くなっています。そこで、上限を超える損害が発生した場合にどのように請求すべきかが問題です。自賠責を超える損害については、加害者本人か、加害者本人が加入している任意保険会社に請求する必要があります。多くのケースでは、加害者が任意保険会社に加入しているので、相手の任意保険会社に賠償金を支払ってもらうことになります。この賠償金請求の際、話合いで解決しようとすることが普通ですが、その話合いのことを「示談交渉」と言います。そこで、交通事故が起こると、相手の任意保険会社と示談交渉をするのです。

なお、交通事故に遭った場合、本来なら自賠責保険に請求をして、それを超える部分を任意保険に請求することになるはずです。しかし、実際には任意保険会社が、自賠責保険の分も含めて保険金支払いの雨戸愚痴となっています。任意保険会社は、被害者に対して自賠責保険の分も含めて支払をして、その後自賠責保険に対し、自賠責保険の負担分を請求しているからです。そこで、被害者は交通事故に遭ったとき、任意保険会社とだけ交渉すれば良く、わざわざ自賠責保険に請求する必要はありません(被害者請求する場合をのぞく)。

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自賠責保険からは最低限の慰謝料しかもらえない

慰謝料を決める基準は3段階ある

交通事故の賠償金計算基準には、自賠責基準と任意保険基準、弁護士・裁判基準の3種類があります。自賠責基準とは、先ほどからも説明しているように自賠責保険で保険金を計算する際に使用する基準のことです。任意保険基準とは、被害者が任意保険会社と示談交渉をする際に使われる基準のことです。弁護士基準とは、弁護士が保険会社などと示談交渉をするときや、裁判をするときに使われる基準のことです。

自賠責基準と任意保険基準、弁護士基準を比べると、全般的に自賠責保険基準が最も低い数字となっており、次が任意保険基準、最も高額なのが弁護士基準となります。
自賠責基準では、計算方法も限度額も低いです。たとえば、入通院慰謝料を見てみるとわかりやすいです。自賠責基準で入通院慰謝料を計算するとき、基本的に1日あたり4200円で計算されます。また、入通院期間については、入通院した期間と実通院日数の少ない方です。たとえば2ヶ月間通院した場合でも20日しか通院していないと、40日が採用されてしまいます。この場合の入通院慰謝料は、4200円×40日=168000円になります。これに対し、任意保険基準の場合には、通院2ヶ月で252000円程度になります。弁護士基準になると、軽傷の場合に36万円、通常の怪我の場合に52万円にもなります。

また、限度額にも違いがあります.自賠責保険の限度額は非常に低いです。たとえば、傷害の場合の自賠責の限度額は120万円です。これに対し、任意保険の場合には、加害者が契約している内容によって限度額が異なります。多くのケースで、対人賠償は2億円や無制限にしているので、賠償金全体が限度額に達するまでは、全額の損害賠償を受けることができます。弁護士基準の場合に限度額はありません。弁護士基準は、そもそも保険金計算の基準ではないので、保険金の限度額という観念を入れる余地がないからです。交通事故でなるべく高額な賠償金請求をしたい場合には、弁護士基準で計算することが重要です。

弁護士基準だと慰謝料は何倍にもなる

自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士基準では、もらえる慰謝料の金額が大きく変わります。交通事故の慰謝料には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3種類がありますが、これらのすべてにおいて、3つの基準の金額は異なります。
まず、入通院慰謝料については、先ほどにも説明した通りです。たとえば2ヶ月の通院をした場合、自賠責基準なら最高でも252000円にしかなりませんし、任意保険基準ならだいたい252000円程度、弁護士基準なら35万円から52万円程度にまで上がります。

後遺障害慰謝料の金額も異なります。たとえば、後遺傷害1級の場合、自賠責保険基準の場合には1100万円、任意保険基準なら1300万円くらいですが、弁護士基準なら2800万円程度にまで上がります。もっとも低い等級である14級でも、自賠責保険なら32万円、任意保険基準なら40万円くらい、弁護士基準なら110万円程度になります。

死亡慰謝料の金額も変わります。たとえば一家の大黒柱が死亡した場合、自賠責基準なら死亡慰謝料は350万円です。遺族がいる場合には、ケースによって550万円~950万円請求できます。任意保険基準なら1500万円~2000万円程度、弁護士基準なら2800万円~3600万円程度になります。このように、自賠責保険、任意保険基準、弁護士基準では計算される賠償金の金額が全く異なり、圧倒的に弁護士基準が高額になります。交通事故で高額な賠償金支払いを受けたいなら、弁護士基準で計算する必要があります。

交通事故の慰謝料に関しては交通事故の慰謝料は請求基準でどれくらい異なる?でも詳細に紹介しています。

ぜひ参考にしてみてください。

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慰謝料について弁護士に依頼するメリットとは?

慰謝料の増額に弁護士は強い味方になる

このように、交通事故で被害に遭った場合には、どの基準で賠償金を計算するかによって、支払い請求出来る金額が全く変わってきます。自賠責保険から支払いを受ける場合には、自賠責保険基準によって計算するしかないので、どうしても金額は低くなります。ただ、任意保険会社に支払い請求する場合には、自賠責基準で計算する必要はありません。高額な弁護士基準で賠償金を計算して支払い請求することができます。実際に、弁護士が示談交渉をしたり裁判したりする場合には、任意保険会社から弁護士基準で賠償金の支払いを受けています。ところが、相手と自分で示談交渉をすると、相手の任意保険会社は低額な自賠責基準を当てはめてきたり、任意保険基準で計算してくることが普通です。このようなことを知らずに相手の提示額を受け入れてしまうと、大きな損害を受ける可能性があります。そこで、交通事故に遭ってなるべく高額な賠償金の支払いを受けたい場合には、弁護士に示談交渉を依頼する必要があります。弁護士に示談交渉を依頼したら、当然高額な弁護士基準で賠償金を計算してもらえるので、自分で示談交渉をするときと比べて賠償金の金額が2倍、3倍になることも普通にあります。そうだとすると、弁護士費用を支払っても十分に利益が出ます。弁護士費用特約に加入していたら、弁護士費用を全く負担せずに弁護士に対応を依頼することも可能です。

このように、交通事故に遭ったときには、交通事故事件に強い弁護士に対応を依頼することが重要です。今、交通事故に遭って相手の保険会社の言い分が正しいかどうかわからずに悩んでいる場合などには、まずは弁護士に相談してアドバイスをもらうことをおすすめします。

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