2017.8.1 更新

当て逃げの犯人は特定できる?加害者の受ける罰則や慰謝料、保険は?

当て逃げ事故にあったらまずどうすればいいの?
犯人が分かった場合、加害者にはどんな罰則があるの?

当て逃げはした側もされた側も、決していい気持ちではありません。大切なものを壊されり、傷つけられたらなおさらです。
今回は加害者側と被害者側、両方から当て逃げ事故についてみていきましょう。

このページのまとめ

  • 当て逃げの犯人特定は困難。駐車場なら管理人にすぐに連絡を。
  • 犯人が特定できれば被害者は相手側の保険会社に請求できる。
  • 当て逃げをしてしまった場合は、基本的に罰金刑。
  • 弁護士費用特約に入っているなら、費用がかからないので弁護士に相談をしてみるのもひとつの手段。

交通事故の弁護士無料相談

当て逃げをしてしまった場合の罰則について

当て逃げを物損事故として処理するのにタイムリミットはどのくらいか

何分以内に戻ればいいという明確な基準をお答えすることは、残念ながら困難です。
一般的に、事故を起こした当事者には、直ちに停止して警察に事故を報告し、二次災害の防止措置をとり、(負傷者がいれば救護し)警察が来るまで現場に待機するなどの義務が課されています。

したがって、現場の状況等によりその場で安全に停車できないような事情があったような特別の場合を除いて、いったん現場から離れてしまえば、たとえ短時間で現場に戻ったとしても、形式的には当て逃げにあたるでしょう。

もっとも、警察が来るまでの短時間に戻ったような場合で、被害者が謝罪を受け入れてくれて逃げたことを問題にしないようなときは、通常の物損事故として処理されることはあり得ます。

当て逃げへの保険会社の介入はある?

当て逃げやひき逃げのような犯罪に該当する行為をしてしまった場合、加害者の保険が使えないのではないかと考えている方も多いと思います。

しかしながら、当て逃げは、一般的には過失で事故を起こした後に警察などに届出をせずに逃げることですから、事故を起こしたことまでは通常の事故と違いはなく、事故後の対応のみ異なります。

したがって、加害者が特定できた場合には、被害者は加害者の保険会社に対し請求することができます。

「何もしていない同乗者」は基本罪に問われない

道路交通法上、「運転者」及び「その他の乗務員」には、負傷者の救護義務、警察への報告義務などが課されています。

ここでいう「その他の乗務員」とは、運転者と同様の義務を課されることになることから、自動車の運行について運転者と同じ責任を負うものに限定されるべきであるとされており、一般的には業務上・職業上の乗務員(バスガイドやバスの交代運転手など)を指すと言われています。友人や家族などのような単なる同乗者は含みません。

したがって、同乗者が積極的に運転者に対し逃げるようそそのかしたなどの事情がない限り、刑事上の罪を問われることはないでしょう。

当て逃げが車同士ではない場合はどうなるのか

当て逃げに関する刑罰などを定めた道路交通法は、道路交通法上の道路や自動車運送法上の自動車道のほか、「一般交通の用に供するその他の場所」に適用される法律です。

駐車場は基本的に私有地にあたりますから、原則として道路交通法の適用対象になりませんが、その駐車場が不特定多数の人や車が利用する場合には、道路そのものではなくても「一般交通の用に供するその他の場所」に該当し、道路交通法の適用を受けると考えられます。

したがって、商業施設の駐車場やコインパーキングなど不特定の人が利用する駐車場内の柱に車両を接触させ、道路交通法上の義務を果たすことなくその場を離れた場合には、当て逃げに該当するでしょう。

当て逃げをしてしまった場合の罰則金は実費なのか

物損事故であっても、道路交通方法上、警察へ報告し必要な措置をとる義務が課されていますから、当て逃げはこれらの義務に違反したことになり、1年以下の懲役または10万円以下の罰金に処せられることがあります。

刑事事件としてはそれほど重大なものではないので、前科が多数ある場合などを除いて、基本的には懲役刑ではなく罰金刑が選択されます。
なお、刑法上、過失による器物損壊罪を処罰する規定がないことから、物を壊してしまったこと自体について処罰されることはありません。

ただし、他人の建造物を壊した場合には、道路交通法が運転過失建造物損壊罪という規定を設けているため、例外的に処罰されることがあります。

レンタカーでの当て逃げの場合は全て自己負担

レンタカー会社は一定以上の保険に加入することが義務付けられているため、通常の事故の場合は、レンタカー会社の加入する保険会社が被害者への補償をしてくれます。

これに対し、当て逃げの場合、保険の利用ができず、加害者に自己負担になります。
というのも、レンタカー会社は通常、約款の中で保険が適用されない場合についての規定を設けており、事故が発生した場合には警察とレンタカー会社への連絡など必要な措置をとらなければならないとし、この義務に違反した場合には保険金は支払われないと定めているからです。

弁護士に電話で無料相談

当て逃げをされてしまった場合にまずすべきこと

実際には犯人が捕まる可能性はかなり低い

詳細な統計が公表されているわけではないので正確な数字は分かりませんが、犯人が逮捕される可能性はかなり低いと言えるでしょう。

負傷者のいるひき逃げと比較すると、物損だけの当て逃げは刑罰も重くないので、限られた人員であらゆる事件の捜査をしなければならない警察としては、どうしても十分な捜査を尽くせないという面があることは否めません。

また、被害者が時間がたってから当て逃げの被害に気付き、警察に届け出たような場合には、目撃者を探すことがより困難になったり、周辺に防犯カメラ等が設置されていたとしても事故当時の映像が残っていなかったりするおそれが高くなるので、犯人が逮捕される可能性はより低くなるといえるでしょう。

駐車場での当て逃げはまず管理者に連絡して犯人特定へ

駐車場内で当て逃げされた場合には、まず駐車場の管理者に連絡をするようにしましょう。

大型の商業施設などでは駐車場に防犯カメラが設置されていることも多いので、管理者に協力してもらい、映像を見せてもらったり警察に提出してもらったりすることで、その映像から加害者を特定する情報を読み取ることができる場合もあります。

また、駐車場内に他の人や車両がいる場合には、目撃者を探すことも重要です。最近ではドライブレコーダーを搭載している車両が増えてきたので、あわせてドライブレコーダーの映像が残っていないか確認するといいでしょう。

当て逃げの犯人を特定できた後の手順の流れ

目撃者を探すなどして自分で犯人を特定した場合には、警察に情報提供して捜査の対象としてもらうようにしましょう。刑事罰と民事上の損害賠償は別問題ですが、刑事事件として立件される方が、加害者が損害賠償に積極的に対応する可能性が高くなります

民事上の賠償については、まず犯人が任意の対物保険に加入しているかを確認する必要があります。対物保険に加入していた場合には、原則として保険会社に対し、修理費用等を請求することになります。
これに対し、対物保険に加入していなかった場合、物損は自賠責保険の対象にもなりませんから、加害者自身に請求することになります。

当て逃げの加害者が見つからない場合の修理費や保険、慰謝料について

犯人を特定できなかった場合の修理費はどうなる?

犯人が特定できない場合、犯人や犯人の加入する保険会社に請求することは不可能ですから、修理費用は原則として自己負担せざるを得なくなります。

ただし、被害者自身が任意の車両保険に加入している場合には、被害者の保険会社から保険金の支払いを受けることは可能です。

もっとも、被害者自身の保険を使った場合、保険料が値上がりしてしまうことが考えられます。

ですから、実際に被害者自身の保険を使うか使わないかは、修理費用の見積もりを取ってどの程度の費用が掛かるのかを確認し、また、保険会社に保険を使った場合に保険料がどの程度上がるのかを教えてもらい、両者を比較して修理費用を自己負担するほうがいいのか、それとも保険を使うのが得策かを判断する必要があるでしょう。

当て逃げをされた場合どのくらい保険会社は介入してくれるのか

自分で示談交渉をするのは大変なので、自分の加入する保険会社に間に入ってもらい、示談交渉を代行してほしいとお考えになる方は多いと思います。

走行中の接触事故で被害者にも何らかの過失がある場合には、保険会社に間に入ってもらい、示談交渉を任せることが可能です。保険会社は、保険契約に基づき、契約者(ここでは被害者)に代わり、契約者が相手方に支払うべき賠償金を支払う立場にあるという利害関係を有するからです。

しかしながら、当て逃げの場合、駐車場内に駐車していた際にぶつけられるなど、被害者に過失がない事故も少なくありません。被害者に過失がない場合、たとえ加害者の車両にも損害が発生したとしても、被害者は賠償する責任を負いません。

そうなると、被害者の保険会社は利害関係がない(被害者が加害者からいくら受け取るかだけが問題であり、保険会社には関係がない)ということになり、示談交渉を代行することはできません。
したがって、このような場合には被害者自身が対応しなければならなくなります。

弁護士に電話で無料相談

当て逃げされた時の慰謝料は基本的には発生しない

物損事故は、原則として慰謝料は認められません。過去の裁判例で物損事故による慰謝料を認めたのは、ペット(人ではないので法律上は物という扱いになります)、墓石、自宅建物など、特に被害者の思い入れが強いと考えられる物を損壊した場合です。

当て逃げであっても物損事故には変わりがないので、単に車両が損壊しただけでは慰謝料の請求は基本的に認められないでしょう。
もっとも、過去の裁判例をみると、加害者が飲酒運転により当て逃げ事故を起こし、被害者が現場周辺を捜索して現場から数百メートル離れた場所で加害車両を発見した事案について、慰謝料10万円を認めたというものがあります。

裁判例を参考にすると、慰謝料の請求には通常の当て逃げとは違う特別の事情が必要で、仮にそのような事情があったとしても、認められる慰謝料の額はそれほど多くないということが言えるでしょう。
したがって、示談交渉の場面で加害者に請求することは自由ですが、加害者が応じない場合には、強く慰謝料にこだわって紛争を長期化させることは、少なくとも経済的にはあまりメリットはないといえるでしょう。

当て逃げの被害者が納得のいく示談金をもらうための方法

示談交渉の金額に不満が…そんな時の対処法

示談金に納得がいかない場合の対策としては、

  • 粘り強く交渉を続ける
  • 調停や訴訟などの裁判所の手続を利用する
  • 交通事故紛争処理センターなど、裁判所外での和解手続を利用する

などが考えられます。

また、交渉や訴訟などを弁護士に依頼することも考えられます。弁護士に依頼をすることで、相手方の保険会社が譲歩して示談金額を上乗せし、結果的に交渉がまとまる場合もあります。

もっとも、当て逃げの場合、被害者の受けた損害は物損に限られることから、通常は示談金はそれほど高額にはなりませんので、弁護士費用特約に入っておらず、弁護士費用を自己負担しなければならない場合には、弁護士に依頼することは経済的に得策とは言えないこともあります。

ですが、少しでも不満を感じている場合は、無料で相談を行っている弁護士に相談してみるのもおすすめです。

交通事故の無料相談はこちら

ご相談ください

こんな方は今すぐ相談!

  • 事故の事を誰に相談すべきかわからない
  • 保険会社の態度や対応に不満がある
  • 慰謝料の金額や過失割合に疑問がある
相談無料

東京ステラ法律事務所

0120-660-087

関連記事一覧

交通事故に強くて評判の良い弁護士(事務所)の探し方、教えます

弁護士事務所が多すぎてどこを選べばいいのか分からない! 弁護士は何を基準に選べ...

【交通事故】当て逃げの示談交渉~保険会社、弁護士依頼~

「当て逃げされた。その場合はどのような対応を取ればいいのか...」 「保険会社...

当て逃げ事故に遭ったときに困らないためのマニュアル

どんなに注意をしていても、交通事故に巻き込まれてしまうことがあります。例えば、当て逃げ事故。 加害者が現場から逃走してしまうので、被害者が何も対策をしていなければ泣き寝入りをする結果に……。 そう...

お悩み別ページ

ページランキング

  1. 交通事故の慰謝料を勝ち取る!請求方法のポイントまとめ
  2. 交通事故の慰謝料は難しいことだらけ?内訳と内容を詳しく解説!
  3. 交通死亡事故の慰謝料相場は?弁護士に交渉を任せるべき5つの理由

カテゴリ一から探す

×

東京ステラ法律事務所