2017.8.10 更新

交通事故の慰謝料はいくら?むち打ち症で通院を3ヶ月した場合

交通事故(特に追突事故)で最も多いと思われる症状がいわゆる「むち打ち」でしょう。むち打ちとは医学的には「頸椎捻挫」と呼ばれ、追突の瞬間、頭部が鞭のしなるような動きをすることによって様々な痛みや後遺症を引き起こす疾患です。むち打ちは一般的に交通事故による傷害の中では軽いものとされているため、中には加害者側保険会社から「治療の打ち切り」を打診されてしまうこともあります。では、適切な治療費を、適切な期間もらい続けるためにはどうしたらよいのか、相場はどのくらいかなど、むち打ちにまつわる通院費を考えてみましょう。

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むち打ち症は交通事故から数日後に出ることも

むち打ちとは、交通事故の一瞬で身体だけが前方に押し出されて頭部はその場に留まろうとすることから、非生理的な動きによって頚椎の周りの筋肉や靭帯等が損傷するものです。 むち打ちにより後から出てくる症状は実にさまざまです。

交通事故の直後には出ずに、数日またはそれ以上経過してから症状が出てくることもあるため厄介です。具体的な症状としては、頭痛、吐き気、手足のしびれ、めまい、肩や背中の凝りといったものがあります。

ただ、レントゲン上の所見では異常がみられないこともあるのでその場合は被害者に不利な状況になります。加害者側保険会社は治療費を負担しなければならず、保険会社としては極力減額しようとするため、特に交通事故から発症までのブランクがある場合などは事故との関連性を否定するような主張をしてくることもあります。

また、症状固定日(これ以上治療を続けても症状が良くならないと医師により判断された日)より前と後でもらえる損害賠償の種類は異なります。むち打ちの症状がある人は、症状固定前にもらえる「入通院慰謝料」は請求できるものの、症状固定後にもらえる「後遺障害慰謝料」を請求することはできない場合があります。

後遺障害慰謝料をもらうためには「後遺障害等級認定」を受けて後遺障害に該当するかしないか、するとしたらどの程度か(等級により慰謝料額が異なる)を判定してもらわなくてはなりません。むち打ちの場合はもともと3ヶ月程度の通院で済むなど症状が軽いことが多いため、後遺障害等級認定で「非該当」もしくは一番程度の軽い「第14級」とされることが多く、被害者の主観的に考えている苦痛よりも軽く捉えられてしまいがちなのです。

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自賠責基準の計算方法

「自賠責保険」とは、交通事故を起こした際にその被害者が最低限の補償を受けるために、運転者が強制加入させられる保険です。よって、それによる損害賠償額は本当に最低限のものしかありません。

たとえば、怪我による損害であれば保険金の上限は120万円となっています。では、具体的に3ヶ月通院した人の通院慰謝料を計算してみましょう。

「自賠責基準」での通院慰謝料は、「実通院日数×2」と「通院期間」を比べてどちらか短い方×4,200円の算定基準により算出するという決まりになっています。「自賠責基準」での計算によると、たとえば治療期間が約3ヶ月(90日)であり実際の通院日数が40日だったすると、40日の2倍である80日は90日より短いので80日を採用し、80日×4,200円で336,000円となります。

もし通院日数が46日だったとすると46日の2倍である92日は90日より長いのでこの場合は90日×4,200円で378,000円となります。 ここまでは自賠責保険での限度ということになりますが、もし加害者が任意保険に加入している場合は任意保険会社の担当者が示談交渉の窓口になることが一般的です。

示談がまとまると、任意保険の会社は被害者に対し、自賠責保険分まで一括で示談金を支払います(「任意一括払」と呼ばれています)。
そして、任意保険の会社から自賠責保険の会社にその分の請求がされるという流れになります。

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任意保険基準の計算方法

「任意保険基準」とは、実際に慰謝料を負担する加害者側の任意保険会社が独自に決めている基準です。平成10年までは統一基準がありそれが使われていましたが、現在では各社が自由に基準を設定することができるようになり、具体的な基準値は一般に公表されていません。

ただ、任意保険基準は同じ通院3ヶ月の事例でも次に紹介する「弁護士(裁判)基準」と比べて大幅に低いことが普通であり、どちらかといえば自賠責基準に近く、それを若干上乗せした程度になります。

上記の自賠責基準では3ヶ月の通院で378,000円という結論でしたので、任意保険基準ではせいぜい40万円程度になることが精いっぱいではないでしょうか。たとえば交通事故に遭った被害者自身が弁護士を通さずに保険会社と交渉しようとすると、この任意保険基準を提示されることがほとんどで、一番高い「弁護士(裁判)基準」を被害者側から提示しても取り合ってもらえない可能性が高いといえます。

ただ、最初の金額が低いだけに最終的な示談額は保険会社から提示された慰謝料よりも多くなることが通常でしょう。

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弁護士・裁判基準の計算方法

3種類の慰謝料算定基準の中でも最も高額なのが「弁護士(裁判)基準」と呼ばれるものです。弁護士(裁判)基準については日弁連交通事故相談センター『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準(通称・赤い本)』というものが発行されており、通院期間ごとの基準が定められています。

こちらを使って計算する際は、むちうち以外の症状もある場合は別表1を使うため「通院3ヶ月」の例では73万円となります。むちうちのみで他の症状がない場合は別表2を使いますが、こちらでは53万円となっています。

弁護士(裁判)基準を採用するには必ずしも弁護士の介入は必要ではないと言うものの、一般の人がこの基準で保険会社と交渉しようと思うのであればかなり交通事故自体に詳しく、請求の根拠を理路整然と説明できるくらいの知識、交渉力がなければ難しいといえます。

むちうちの慰謝料については交通事故におけるむちうちの慰謝料の相場はどれくらい?でも紹介しています。よろしければご覧ください。

慰謝料の増額を狙うには?

むち打ちの場合は全体的に慰謝料が低く抑えられがちですが、被害者自身の努力で少しでも多くの慰謝料を請求する方法もあります。まず、症状固定前にできることとしては、必要な通院は面倒がらずにきっちりすることです。

通院していない=もう怪我から回復した、という解釈をされては3ヶ月も経たないうちに治療費の支払いを止められるなど不利な状況になりますし、適切な時期に適切な自覚症状の訴えをして主治医の所見をもらわなくては、後遺障害等級認定を受けたいときに思ったように認めてもらえないこともあります。

とにかく、主治医の口からはっきり「これ以上良くならない(症状固定)」と認められるまでは根気よく通院を続けましょう。また、慰謝料アップのためには自分側の過失割合を下げることも大切なポイントです。

ほとんどの交通事故は被害者、加害者双方に一定の過失があることが多く、100:0ということはあまりありません。慰謝料はどちらにどれだけの過失があったかで金額が増減するため、なるべく自分に有利な認定を受けなければなりませんが、ここには交通事故の類型別の基準が存在します。

弁護士などの専門家に広く使われているのが「判例タイムズ社」が発行する「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」です。「交通事故を起こしたのが自動車か自転車か」「信号がある交差点か否か」など、さまざまな状況に応じた基準が定められています。

スピード違反や居眠り、よそ見運転などどちらかに否があればこういったものも修正要素として加味されます。ただ、実際に過失割合を認定する場面になると保険会社同士の馴れ合いで決められてしまうこともありますので、納得のいかない場合は弁護士から交渉してもらうべきでしょう。

そして、これも大切なことですが、交渉にあたって加害者保険会社の言いなりにならないことです。保険会社は営利企業ですから、支払い金額を押さえるために色々なことを言ってくるはずです。大幅に低い金額で示談してしまう前に、必ず「弁護士(裁判)基準」での慰謝料を請求するべきです。

被害者自身が弁護士(裁判)基準を提示してもなかなか相手にされないことが多いため、そのような場合は無駄に時間と労力を使って交渉するよりは最初から弁護士に依頼してしまうほうが安心です。

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むち打ち症にある特別ルールとは?

上記の通り自賠責基準では「実通院日数×2」と「通院期間」を比べてどちらか短い方×4,200円の算定基準により算出するルールになりますが、交通事故によるむち打ちの場合、骨折などと比較するとどうしても症状が軽いと思われることが多いため通院日数も少なくなり、慰謝料額が抑えられがちです。

また、任意保険会社としては主治医による「症状固定日」までの治療費を支払わなければならないわけですから、なるべく早く治療を打ち切らせたいというのが本音です。むち打ちの場合は一般的に3ヶ月程度の治療をしたところで保険会社から「そろそろ症状固定しましょう」と持ちかけるのが暗黙のルールとなっています。

ただ、これはあくまで保険会社の主張であり、被害者自身がまだ治療により症状が良くなると感じ、主治医も症状固定していないと認めているのであれば保険会社の主張を鵜呑みにしてはなりません。

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治療打ち切り理由1.通院頻度の低さ

では、加害者側の保険会社が治療打ち切りを打診してくる理由にはどんなものがあるのでしょうか。まず、「保険会社はそれぞれの症状ごとに通院頻度はどれくらいか想定している」ということです。

加害者と被害者にとって交通事故は一生に一度のことかも知れませんが、保険会社の担当者は日々交通事故を処理し、慰謝料の算定をすることを業務として行っています。「このパターンの事故なら3ヶ月くらいの治療期間でこのくらいの頻度で通院する」などということを彼らはしっかりと把握しているのです。

よって、適切な治療を行っていたことを示すことは示談交渉の場面で被害者にとって大切なポイントになりますので、多少症状が緩和していると思っても完治を目指して治療を続けることが大切です。

もし、通院している病院や主治医との相性が悪いと感じることがあれば病院を変えることも差し支えありません。

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治療打ち切り理由2.経過に即していない漫然治療

また交通事故の後、通院治療そのものは行っているものの、その内容が回復の過程と合致していなかったり、本当に回復を目指したような治療とは考えられない内容だったりする場合(漫然治療)にも治療が打ち切られる可能性があります。

たとえば、漫然治療とは「同一のビタミン系の薬をもらい続けること」「3ヶ月以上など長期間湿布薬をもらい続けること」「頚椎カラーを長期間装着し続けたままにすること」「リハビリがマッサージばかりであること」といったものです。

保険会社から「漫然治療」と言われないためには、薬の効能を正しく知っておくこと、そして自分の治療段階でその薬を処方されることに疑問があれば医師に相談して薬を切り替えてもらうなどの対策を取ることです。患者自身が何も自分の症状や回復過程を知らないことによって、治療費や慰謝料を決める局面で思わぬ損害を被ることがないように気をつけたいものです。

治療打ち切り理由3.保険会社相手に感情的になる

交通事故の処理で保険会社と交渉する際に相手を罵倒する、怒鳴るなどの行為はまさに「百害あって一利なし」です。いくら怒鳴りつけたところでその影響で慰謝料がアップすることは絶対にありません。保険会社の担当者も人間ですので、やはり紳士的な対応をする人間にはそれなりに良い対応を返さなければと思うものです。

3ヶ月未満で治療費打ち切りを持ちかけられるなどの不本意な事態になったら、まず保険会社側の理由を聞く、そして被害者側も今までの通院実績などそれなりの根拠を示して継続治療の必要性を説得するという姿勢が大切です。

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適切に慰謝料をもらうには弁護士に相談

こう言っては身も蓋もないのですが、保険会社の担当者は所詮「加害者側の人間」です。個々の被害者の事情も考えずに「もう3ヶ月通院しているから症状固定」などと機械的に対処していることもあるでしょう。

自社の支払いを少しでも減らしたいのは営利企業である以上、当然のことです。つまり慰謝料増額について本気で考えたいのであれば相談する相手は保険会社ではなく、むしろ「弁護士」なのです。

被害者が報酬を支払って依頼した弁護士は明らかに「被害者側の代理人」です。自分自身で交渉し、結局あまり成果が上がらなかったのであれば時間や手間が丸々無駄になってしまいます。

交通事故に精通した弁護士は、どのように交渉すれば慰謝料の増額ができるかということについて経験を持って知っています。弁護士費用はかかったとしても最初から弁護士に依頼してしまって、慰謝料増額のための手を打ってもらいつつ被害者自身は治療に専念したほうが、よほど有益な時間の使い方といえるのではないでしょうか。

むちうちに関する記事をお探しの方は「【交通事故】むちうちは通院期間次第で慰謝料と後遺障害で損をします」も参考にしてみてください。

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