2017.9.16 更新

【死亡事故の慰謝料まとめ】相場はいくら?最高額を得るためのポイント

「突然大切な人を亡くし、今後の生活が本当に不安...」
「慰謝料の相場は?慰謝料以外に何が請求できるの?」

突然大切な人を奪っていく交通事故。突然の出来事に気持ちの整理がつかない一方で、慰謝料などについて相手の保険会社とやり取りを進めなければいけません。

気になるのは慰謝料の相場ですが、死亡事故の慰謝料には3つの計算基準が存在し、それにより金額が大きく変わることをご存知ですか?今回は死亡事故の慰謝料を中心に、相場や算定基準、慰謝料以外に加害者に請求できる項目まで、少しでも慰謝料を増額するための知識をまとめました。参考にしていただければ幸いです。

この記事で分かること
  • 死亡事故は弁護士に任せるべき理由
  • 死亡事故の慰謝料相場
  • 加害者に請求できる項目
  • 慰謝料はいつもらえるか
  • 損害賠償請求はだれが行うのか

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【3つの計算基準】交通死亡事故の慰謝料の相場は?

まず初めに死亡事故における慰謝料の相場、そして相場を決める3つの算定基準について理解しましょう。

慰謝料の3つの算定基準は?

死亡慰謝料には、亡くなった被害者本人の慰謝料・被害者の近親者固有の慰謝料の2種類があります。死亡事故の場合は被害者自身だけではなく、その家族も精神的損害を被るからです。

そして、これら慰謝料の金額の算定基準には、裁判所の採用する基準、任意保険の採用する基準、自賠責保険の採用する基準の3種類があり、どの計算基準を採用するかによって慰謝料の額が大きく変わります。

慰謝料の計算基準は、金額が高い順に以下の3つです。

1.弁護士基準(裁判所基準)
2.任意保険基準
3.自賠責保険基準(自賠責基準)

これらの3つの支払い基準を踏まえたうえで、まず亡くなった被害者本人の慰謝料から見ていきましょう。

亡くなった被害者本人に対する慰謝料

自賠責保険に基づいた計算基準では、死亡した本人の慰謝料は350万円で固定になります。

最高額になるのは、裁判所の考え方や判例をもとに導き出された弁護士・裁判所基準といわれる計算基準で、世帯主が死亡した場合の慰謝料の目安は2,600万円から3,000万円ほどといわれています。

なお、下記の表の金額は、死亡した被害者本人分の慰謝料、近親者の慰謝料の合計の金額となっています。任意保険基準、弁護士基準それぞれの死亡慰謝料のおおよその相場は以下の通りです。

基準別の死亡慰謝料の相場
被害者の属性 任意保険基準 弁護士基準
一家の支柱 1500万円〜2000万円程度 2800万円〜3600万円程度
子ども 1200万円〜1500万円程度 1800万円〜2600万円程度
高齢者 1100万円〜1400万円程度 1800万円〜2400万円程度
配偶者や母親など 1300万円〜1600万円程度 2000万円〜3200万円程度

任意保険基準と弁護士基準では金額に大きな差があることが分かります。

被害者の近親者固有の慰謝料

続いて被害者の近親者の慰謝料です。まず弁護士基準額ですが、上記の表の弁護士基準の金額の中に含まれています。

任意保険基準額では、裁判所基準額と比較すると低いことが一般的です。保険会社ごとに微妙に異なります。自賠責保険支払基準では、近親者の慰謝料は請求人数によって異なります。詳細は以下の通りです。

自賠責保険の慰謝料
近親者1人の場合 550万円
近親者2人の場合 650万円
近親者3人の場合 750万円

また、亡くなった被害者に扶養されていた方がいる場合、上記の金額に200万円が上乗せされます。

慰謝料の金額が上がるケース

裁判では、具体的なケースごとに柔軟な判断がなされます。特に慰謝料は、公平な判断を可能とするため、損害賠償額を引き上げる調整的な機能を担っており、その額は事案によって異なります。

慰謝料を引き上げる事情としてはこういったケースが考えられます

  • 被害者に多数の被扶養者がいる
  • 被害者の後遺症による逸失利益の算定が困難
  • 加害者が事故時に飲酒運転をしていた
  • 加害者が事故後証拠隠滅行為を行った

実際にあったものでは、常習的に飲酒運転をしていたトラックの運転手が3歳と1歳の女児らにトラックで衝突し、トラックの炎上に巻き込まれた女児らが両親の目の前で焼死した事案で、相場の価格を1,000万円以上も上回る3,400万円の慰謝料が認められました(東京地判H15.7.24)。

多額の賠償金を認めることで加害者に反省を促すべき事情がある場合には、慰謝料の額は高くなる傾向にあります。もっとも、慰謝料の額は裁判官の裁量に委ねられているので、いかなる場合にどれだけの慰謝料が認められるかはケースバイケースです。

また、死亡による逸失利益と異なり、死亡慰謝料に年齢による違いは設けられていません。死亡した年齢により慰謝料額が異なる点については、子どもを亡くした場合でも、夫や妻を亡くした場合でも、老人・高齢者を亡くした場合でも、大切な人を失い、大きな精神的苦痛を味わうことには違いないからです。

ただし、裁判例を見ると若年者に対して基準額よりも多く認定されていると思われるケースもあります。

交通死亡事故で慰謝料以外に加害者に請求できる項目は?

冒頭に述べた慰謝料だけでなく、他にも加害者に請求できる項目があります。

そもそも慰謝料は損害賠償金の一部です。損害賠償金とは、運転手が不注意に交通事故を起こしたことにより被害者に生じたお金のことで、大きく分けて積極損害、消極損害、慰謝料に区別することができます。

加害者に請求できる項目
積極損害 入院費、治療費、通院費、通院交通費、付き添い看護費、修理代など。(葬儀関連費用、弁護士費用も含まれるが取り扱いが例外的)
消極損害 事故に遭っていなかったら得られていたであろうお金。休業損害、逸失利益など。
慰謝料 交通事故が原因の精神的苦痛に対して支払うお金。傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料などが該当。

葬儀関連費用

積極損害ではもし被害者が死亡してしまった場合、葬儀費用、火葬費用、仏壇や位牌の購入費などその葬儀関連費用も積極損害として請求できます

基本的には客観的な証拠が存在する限り、相当な範囲で請求することができます(ただし、過失割合に従って減額されることがあります)が、先ほど挙げた例のうち、葬儀関連費用と弁護士費用については、例外的な取り扱いがなされています。

たとえ数百万円の葬儀をしたとしても、実際に認められるのは150万円ほどで、実費がそれを下回る場合にはその実費分しか認められません。弁護士費用について実際の支払額と無関係に、通常請求認容額の約1割のみ認められています。

休業損害と逸失利益

消極損害は表にある通り、休業損害逸失利益に分けられます。

消極障害
●休業損害 会社を休まなければ得られていたはずの給料など
●逸失利益 後遺症を負わなかったり、死亡したりしなければ得られていたはずのお金

死亡事故の場合の逸失利益を計算する際の式は、このようになっています。

死亡事故の場合の逸失利益の求め方
基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対する中間利息控除

続いて、以下それぞれの単語の意味を紹介していきます。

逸失利益の計算に必要な用語の紹介
基礎収入額 被害者の事故当時の収入が参照される。だが亡くなった被害者(サラリーマンなのか、学生なのか、無職なのか、など)によって何を基準にして基礎収入額とするかは異なる。
生活費控除率 被害者が亡くなっているので、逸失利益の計算ではこの生活費の分を除外して計算します。
中間利息控除 将来受け取るはずであったお金を先にもらうことになるので、中間利息を控除する必要があります。これを中間利息の控除といいます。ライプニッツ係数ともいう

例として、年収800万円稼いでいた50歳の男性(今回は生活費控除率が20%、中間利息が11.2740と考える)が亡くなった場合を想定してみます。

計算式:基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対する中間利息控除
→800万円×(1-0.2)× 11.2740=72,153,600円

実務上、税金相当額は控除しないことになっています

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交通死亡事故で慰謝料をもらうまでの流れは?

慰謝料がいつ手に入るのかという事は、今後の生活にも関わることなので、とても重要です。一体いつ慰謝料は手に入るのでしょうか。

任意保険の場合

任意保険の場合、保険会社が掲示する金額に納得することができれば保険会社から慰謝料を受け取ることが出来ます。つまり、一概に示談か始まってからどれくらいで慰謝料が手に入るとは言えない、ということですね。

任意保険の加入率は年々増えてきているものの、2014年時点で日本人の約3割は任意保険に加入していません。交通事故の加害者が任意保険に加入していればその保険会社と連絡をとりあいます。

被害者救済の便宜を図るため、自賠責保険の分も含めて損害全額を任意保険会社に対して請求することができるようになっています(一括払い制度)。

自賠責保険の場合

任意保険に加入していない場合や任意保険会社が対応してくれない場合には、自賠責保険会社に対して直接請求します。

一般的に示談成立後、10日ほどで指定した口座にお金が振り込まれます。自賠責保険はいわば最低限度の損害填補保証なので、通常任意保険の方が提示される金額は高くなります。

しかし、交通事故によってその損害が生じたという因果関係を証明できない場合や被害者側に落ち度がある場合には、自賠責保険による損害賠償額のほうが高くなることもあります。

示談交渉をしても希望どおりの額で合意ができない場合には、弁護士に相談して訴訟などを検討することになります。

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交通死亡事故の慰謝料は誰が請求する?保険金と相続の問題

本来であれば慰謝料を初めとする損害賠償請求は被害者本人が行うものですが、死亡事故の場合、被害者は亡くなっています。そのため、慰謝料の請求は被害者の相続人が行います。

相続とは、父母、子供など本人と一定の関係にある人(法定相続人といいます)が被害者の財産などを丸ごと引き継ぐこと(民法896条本文)です。

慰謝料請求権は単純な金銭債権であるため、ほかの財産権と同様に、被害者が死亡すると同時に(民法882条)、法定相続人のものとなります。

慰謝料請求権を相続できる法定相続人...
夫、妻、子供、祖父母(子供がいない時)、孫(子供が死亡した時)など

法定相続人ではない内縁の配偶者や事実上の養子は、被害者本人の慰謝料請求権を相続することはできませんが、養ってもらう権利(扶養請求権)を侵害されたとして、本人の慰謝料請求権を行使した場合とほぼ同額のお金を受け取れることもあります。

相続人が複数いる場合はどうすればいい?

法定相続人が複数人になる場合、死亡による慰謝料請求権は法定相続分(民法900条)に従って分割されます

子供(たち)と配偶者がいる場合、法定相続分はそれぞれ2分の1なので、たとえば1,000万円の慰謝料請求権を2人の子どもとその母親で分けるとすると、子どもは250万円ずつ、母親は500万円を受け取れます。

このようにその法定相続分の範囲であれば、ほかの法定相続人の同意を得なくても、一人で訴訟を提起して請求することができます

また、法定相続人の中で示談交渉の解決方針が一致している場合、そのまま相手保険会社との交渉が成立、もしくは保険会社との交渉がうまくいかなかった場合は、裁判になります。

問題なのは相続人の間で意見の相違がある場合です。先ほども述べた通り、法定相続分の範囲内であれば、1人で訴訟を提起して慰謝料を請求することが可能です。

しかし、個々人と対応して保険金を支払うことを保険会社はあまりよく思っていないので、相手保険会社が保険金の支払いを渋る可能性があります。

このため、法定相続人の一人が音信不通である場合や法定相続人間で示談方針が異なる場合には、いつまで経っても示談が成立せず、慰謝料を受け取れない可能性があります

個別に示談してくれるように説得しても合意してもらえない場合には、最終的に訴訟を提起して、自己の相続分のみを請求することになるでしょう。

どちらにしろ相続人の間で慰謝料の問題が泥沼化することは、相続人たちにとっても、相手保険会社にとっても避けたい事態です。

相続の問題でもめる前に、弁護士に相談して相続の問題を整理することをお勧めします。

この章のまとめ
  • 死亡事故の慰謝料の請求は、被害者の相続人が行う
  • 法定相続人が複数いる中で示談方針が異なる場合、個々の相続人ごとに示談交渉が可能
  • 相続人の間で意見が一致している場合、そのまま示談交渉成立か、裁判
  • 相続でもめる前に弁護士に相談するのも一つの手
  • 交通事故の弁護士無料相談

    交通死亡事故の慰謝料を最高額で得るためには

    死亡事故の場合、弁護士への相談が得策と言えます。

    そもそも事故で大切な人を失ったにも関わらず、その後の相続の問題や慰謝料を含む損害賠償金の請求など、急に多くの問題を一人で対処するとなると、被害者の遺族の方にかかる負担はとても大きくなります。

    また、加害者側の保険会社が必ずしも妥当な損害賠償金を掲示するとも断言できず、そうした金額の交渉も自分で行わなくてはいけません。

    それに加え相手の保険会社は交渉のプロなので、本来支払われるべき金額での損害賠償金を得られる可能性は低いです。

    先々の生活も不安な中で、お1人でこうした手続き・交渉を行うとなると、不安も大きくなるでしょう。

    そこで、弁護士への相談を勧める理由は以下の5つです。

    弁護士事務所に相談するメリット
  • 交通事故の損害賠償金を増額できる
  • 過失割合を適正に割り当ててくれる
  • 相続など今後の生活費の不安なども相談できる
  • 示談交渉を全て任せるので精神的なストレスがない
  • 案件知識が豊富なので、安心して交渉を任せることができる
  • 弁護士は相談を受けると、相談者の代わりに示談交渉を行います。そのため、相手保険会社とのやり取りからくる精神的ストレスから解放されるだけでなく、事故状況を詳しく分析し、適切な金額での損害賠償金を請求することも可能です。

    また、弁護士費用特約の付された自動車保険もあり、自分の保険にこの特約があれば、弁護士費用について最大300万円まで負担されます。(ただし、被害者に過失が一切ない場合には、弁護士費用特約を使えない場合があります)。

    自分の保険に付いていなくても、家族の特約を使用できる場合がありますので、一度確認してみてください。

    1人で悩む必要は全くありません。相手保険会社の掲示してきた損害賠償金に納得がいかない方、相手保険会社との交渉がうまくいくか不安な方、今後の生活に漠然とした不安がある方。

    少しでも悩みや不安がある方は、まずは1度弁護士に無料相談をしてみることをお勧めします。

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