2017.7.29 更新

交通事故とむちうち~慰謝料と後遺障害~

自分に過失が全くない事故によって、むちうち症になったという例はよくあるようです。交通事故でむちうち症になった場合、後遺障害の認定の有無によって慰謝料の金額はかなり違います。
しかし、どんなに症状を訴えていても、客観的な資料に何の痕跡もなければ、後遺障害が認められる可能性は低くなります。
また、自分に過失が全くない事故では加入している自動車保険の会社は示談交渉をすることができません。そのため、弁護士に依頼をすることになりますが、費用が心配という人も多いはず。その場合に強い味方となるのが弁護士特約です。
そこで今回は、むちうち症の慰謝料と弁護士特約にフォーカスして、専門家に聞いてみました。

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後遺障害の認定によって、むちうち症の慰謝料は違う

交通事故でむちうち症になった場合、その程度がどのくらいなのかによって、慰謝料の金額は大きく異なります。特に、後遺障害の認定の有無により、慰謝料の金額はかなり違います。

まず、後遺障害の認定がなされなかった場合、むちうち症で請求できる慰謝料は入通院慰謝料のみとなります。

入通院慰謝料は、入通院の日数によって金額が大きく異なります。例えば、1か月の通院だけであれば入通院慰謝料は28万円であるのに、1か月の入院と1か月の通院という場合には入通院慰謝料は77万円に上がります。

また、3か月の通院だけなら慰謝料は73万円、3か月の通院になると慰謝料は116万円にもなります。このように、一概にむちうち症と言っても、請求できる慰謝料の金額は入通院の期間によって大きく変わるのです。

後遺障害が認定された場合、一般にむちうち症であれば、後遺障害等級は最も低い第14級になり、請求できる慰謝料は、裁判基準(※後述)では110万円ほどになります(※あくまでも目安)。このケースでも入通院慰謝料は支払われるので、後遺障害が残った場合には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料のどちらも受け取れることになります。

後遺障害等級 自賠責基準の慰謝料 裁判基準の慰謝料
第14級 32万円 110万円

交通事故に遭ったとしても、むちうち症で後遺障害の認定を受けられないケースも多いようです。実際、むちうち症で後遺障害を主張する人は多いものの、証拠や推定の根拠がないということで、認定を受けられない場合があるのです。

むちうち症は、明確に証明がなされていなくても、症状に医学的な説明がつけばよいとされています。

具体的には、受傷時の状態や治療の経過などから、症状や訴えに関して一貫性と連続性が認められ、症状を説明するのが可能であり、後遺障害が推定されることが必要です。明確な画像による証拠が必要というわけではないものの、実際には、何の証拠もないのに、医学的に説明をつけるのは難しいとされています。

後遺障害の認定の際には、損害保険料率算出機構へ必要な医療資料を提出のうえ、精査してもらうことになります。このときに、画像による証明がなく、単に被害者が症状を訴えているだけの場合、例えば被害者が「ときによって痛む部分が違う」と言ったときには、「医学的に説明ができていない」と評価されてしまうことがあります。

「ときによって痛む部分が違うのは不合理だ」と考えられるためです。もし、このときにMRI(※)やレントゲンなどによる画像診断を行って、明確な後遺障害の痕跡があれば、等級認定はスムーズになります。
※「Magnetic Resonance Imaging」の略称であり、磁気共鳴画像による検査のこと。

このように、むちうち症の場合には、被害者自身がどんなに「痛い」と症状を訴えていても、画像などの客観的な資料に何の痕跡もなければ、後遺障害が認められる可能性は低くなります。認定基準としては「証明は不要、推定ができればOK」とされていても、実際には何の根拠もなければ、推定が難しいわけです。

なお、交通事故に遭ったときに請求できる慰謝料には、三つの基準があります。具体的には、交通事故の慰謝料には「自賠責基準」「任意保険基準」「裁判基準(弁護士基準)」があり、それにあてはめて計算をすることになります。

自賠責基準 自賠責保険の支払い基準
任意保険基準 任意保険会社の支払い基準
裁判基準(弁護士基準) 裁判になった場合や、弁護士が被害者の代理人になって保険会社に請求する場合の支払い基準

この点、加害者が任意保険に加入していないときには、一番低い自賠責基準で計算をし、弁護士が被害者の代理人となって裁判を起こしたときには、一番高い裁判基準で計算することになります。

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過失ゼロの交通事故の強い味方「弁護士特約」

自分に過失が全くない事故(※いわゆるもらい事故)の場合、自分が加入している自動車保険の会社は示談交渉をすることができません。なぜなら、自動車保険は、「自分が事故を起こした場合の相手方への賠償に備えるためのもの」であり、相手方への賠償が発生しない、つまり自分に過失が全くない事故の場合、賠償義務がないので示談交渉をすることができないからです。そのため、相手方との示談交渉は自分で行う必要があります。

こういったもらい事故によって、むちうち症になったというケースもよくあるようです。例えば、信号待ちをしていたら、急に後の車に追突をされてむちうち症になった場合です。

しかし、加入している自動車保険に「弁護士特約(弁護士費用特約)」がついていれば、示談交渉をするために弁護士に依頼するときの費用を、保険会社に支払ってもらえます。しかも、わずらわしい示談交渉をすべて弁護士が行ってくれるのです。

ただし、弁護士特約では限度額が300万円くらいということが多いので、その額を超えて弁護士費用が発生したときには、自分で負担しなければなりません。その点はデメリットと言えるかもしれません。

メリット ・示談交渉の手続きを全て弁護士が代行してくれる
・裁判基準を用いた計算になるので、受け取る示談金が多くなる
デメリット ・一度の限度額が300万円ほどであり、それを超えた費用は自己負担となる

ただし、300万円以上の弁護士費用が発生するような大きな事故の事案では、弁護士に依頼するほうが、受け取れる示談金はかなり多くなるので、弁護士費用を一部自己負担しても、結果的には弁護士に依頼するのが得だと言えるでしょう。

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