2017.9.19 更新

交通事故の慰謝料の任意保険基準はダメなの?計算方法と相場を解説

「基準によってどれくらい慰謝料額って変わるの?」
「任意保険基準の慰謝料の金額は妥当?」

任意保険基準での示談は保険会社の提示する低い金額で和解してしまっていることをご存知ですか。実は任意保険基準の上に弁護士・裁判基準があり、受け取れる慰謝料は最大2倍も違います。

今回は交通事故の慰謝料基準として利用される「自賠責」「任意保険」「弁護士・裁判基準」3つを理解し、自分がどれくらいの慰謝料を受け取れるのか、その金額は妥当なのかどうかを把握しましょう。

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任意保険基準とは?交通事故の慰謝料基準3つを説明

交通事故の慰謝料額の計算方法として、「算出基準」と呼ばれるものを用います。この算出基準が、いわば金額テーブルのような役割を果たします。

事故がどのような状況で起こったものか等に応じて慰謝料額はこれくらいになる、というように決定されているものだとお考え下さい。

そして算出基準には「自賠責基準」、「任意保険基準」、「弁護士基準(裁判基準)」の3つの基準があります。

つまり任意保険基準とは、慰謝料を算出する際の3つの基準のうちの一つということになります。

上記3つのどの基準を適応するかで慰謝料額は大きく変わります。ここではそれぞれの基準について簡単に解説します。

交通事故の慰謝料基準その①:自賠責保険基準

自賠責保険基準は、その名の通り自賠責保険の支払い基準になります。

自賠責保険は最低限補償されなければならないという趣旨の保険ですので、当然その基準は低くなり、3つの基準の中で一番安い基準となります。

また、自賠責保険基準は、保険会社が被害者に支払う金額が120万円を超えない場合に適応されます。

限度額である120万円を1円でも超えた場合は、自賠責保険ではなく、下記の任意保険基準が適応されます。

交通事故の慰謝料基準その②:任意保険基準

任意保険会社が被害者と直接示談交渉する際に用いられる基準です。任意保険会社の内部のマニュアルなどがあり、各保険会社によって基準が異なります。

この後紹介する弁護士基準と比較すると、1/2くらいの慰謝料額になることが多いです。

上記の通り、損保会社の総支払い額(治療費や入通院慰謝料、休業損害など)が120万円を超えた場合、この算出基準で損害賠償金が計算されます。

120万円までは自賠責保険基準で計算され、それを超える分は任意保険基準で計算される、というわけではないのでご注意ください。

120万円を超えた場合は、根底から任意保険基準で金額が算出されます。

交通事故の慰謝料基準その③:弁護士基準(赤い本・裁判基準)

裁判所が裁判で使用する基準で、日弁連交通事故相談センター東京支部編の「損害賠償額算定基準(赤本)」や日弁連交通事故センター編の「交通事故損害額算定基準(青本)に記載されている基準を用います。

損害賠償金の算定基準の中で一番高いのは、弁護士基準(裁判基準)になります。

この基準が適応される状況は2つあります。1つは相手との示談交渉が決裂し、裁判に発展した場合。2つめは、弁護士を挟んで示談交渉を行った場合です。

弁護士に相談せずに自分だけで交渉をし、弁護士基準での慰謝料を請求できることは、まずありません。

これら3つの基準をまとめると、こうなります。

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任意保険基準の相場は?3つの基準ごとの慰謝料の提示額

加害者側に請求できる交通事故の慰謝料は3種類あります。それが以下の3つです。

交通事故の3つの慰謝料
入通院慰謝料 交通事故によってケガをし、病院に入院や通院をしたことに対して支払われる慰謝料。
後遺障害慰謝料 交通事故によってケガをした後に治療をしても完治せず、後遺障害が残った場合の慰謝料。
後遺障害の程度や内容によって等級があり、等級が高いほど高額な慰謝料が認められる。
死亡慰謝料 交通事故によって被害者が死亡した場合に認められる慰謝料。

それでは、それぞれの項目で請求基準ごとにどれくらい金額に差があるのか確認してみましょう。

入通院慰謝料の場合

計算例として、今回は下記のケースで考えてみましょう。

【例】傷害事故の被害者Aさん(他覚症状なし)入院日数は150日、通院日数は150日(実通院日数が60日だった場合)

自賠責保険基準

自賠責保険基準の場合は、一日あたり「4200円×入通院期間」という計算式を利用します。また、自賠責保険基準の入通院期間については、「総入通院期間」と「実際に入通院をした日数×2」の少ないほうの数字を使って計算します。

実際に入通院をした日数=入院日数と病院に足を運んでの治療日数(実際の通院日数)の合計を指します。

例えば、入通院期間が2ヶ月で、実際に入通院をした日数が20日の場合には、「実際に入通院をした日数×2=40日」のほうが日数が少なくなるので、自賠責保険 基準ではこちらの数字が採用されます。

今回は総入通院期間は150+150=300日、実際に入通院をした日数×2=60×2=120日になるので、計算には日数の少ない120日のほうを適用します。そうすると、慰謝料の総額は4200×1200=50万4000円になります。

任意保険基準の場合

任意保険基準の場合、金額は保険会社が設定している金額算定表に依拠します。下の表を参考にしてみてください。

任意保険基準による入通院慰謝料表(単位:万円)

この表を参照すると、入院日数は150日=5カ月、通院日数も同じく150日=5カ月なので、慰謝料の金額は143万円になります。

弁護士基準の場合

最後に弁護士基準について見ていきましょう。弁護士基準は他覚症状がない場合とある場合で算定金額が異なります。今回は他覚症状がある場合です。

通常のケガの場合の入通院慰謝料表(単位:万円)
通常のケガの場合の入通院慰謝料表

先ほどと同じく、入院日数、通院日数ともに150日と考えると、慰謝料の金額は257万円になります。

ここまでのまとめ

このように、自賠責基準では50万4000円、任意保険基準では143万円、弁護士基準では257万円と請求基準で大きな差があることが分かります。

任意保険基準と弁護士基準では100万円以上金額が異なるので、任意保険基準ではなく弁護士基準で請求することが最善の手段であることが分かりますね。

通院期間(治療期間)が長ければ長いほど慰謝料の金額は増額できるので、症状固定など何らかの形で治療が終わるまで通院を続けることも大事です。

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自動計算ソフトで【最高額】の慰謝料を計算

下記の自動計算ソフトを利用すると、最も高額になる弁護士基準で、損害賠償金を算出することが出来ます

ご自身の慰謝料と比較して疑問を持たれた方、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

当てはまる項目だけで計算できます

1性別
2年齢
3入院日数
4通院日数
5休業日数
6専業主婦であるか
7直近3ヶ月の収入合計
8他覚症状はあるか
9入院や通院の治療費
10入院や通院の交通費
11衣料損傷費
12その他費用
13後遺障害はあるか
14後遺障害の等級

計算してみる

各費用の計算結果

入院や通院の治療費
入院や通院の交通費
衣料損傷費
(その他)
付添看護料
病院付添費
入院中雑費
休業損害
慰謝料
後遺障害逸失利益
後遺障害慰謝料

トータル費用

※ 計算機の注意事項(クリックで開閉)

※1:本ツールは入通院日数がそれぞれ15ヶ月以内の場合のみ適用となります。上回る場合は450日以上を切り捨てての計算となります。

※2:休業日数は実際に会社をお休みした日数となります。専業主婦の方は家事を行えなかった日数をご記入ください。

※3:直近3ヶ月の収入合計は、事故が起こった日の直近3ヶ月の収入合計を指します。

※4:他覚症状とは、医学的に客観的に捉えることができる症状を指します。むちうち以外の症状が見られる場合は「はい」、むちうちのみの場合は「いいえ」を選択してください。

※5:その他費用とは装具・器具等の購入費や自宅・自動車等の改造費など入力項目にはないが実際にかかっている費用のことを指します。

・本ツールで求まる金額はあくまで目安の金額となりますので個々の状況により慰謝料の金額は異なります。これ以上の損害賠償をもらえる場合がございます。詳しくは弁護士にお問い合わせください。

・本ツールは社会人の方か専業主婦の方のみ対応となります。失業中の方、大学生の方は逸失利益については本ツール適用外となります。

・こちらにご自身の過失割合を掛けたものが正しい損害賠償総額になります。

・本ツールでは後遺障害の積極損害については規定がないので省略させていただきます。

・各費用などで記入金額が1万円を下回る場合は切り上げるので、記入欄には「1」と記入してください。

・本ツールは症状固定した人向けのツールとなりますが、そうでない方も目安としてご利用いただけます。


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任意保険基準の慰謝料【後遺障害、死亡事故の場合】

続いて後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の場合について見ていきましょう。この場合でも、任意保険基準と弁護士基準の金額には大きな差があります。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、各後遺障害の等級認定によって異なります。後遺障害の等級は1級から14級まであり、1級の場合に最も程度が重いので、慰謝料も高額になります。ムチ打ち症などは12級か14級のケースが多いです。

各基準による後遺障害慰謝料の金額は、以下のとおりです。

各基準による後遺障害慰謝料の相場
後遺障害の等級 自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準
1等級 1100万円 1300万円 2800万円
2等級 958万円 1120万円 2400万円
3等級 829万円 950万円 2000万円
4等級 712万円 800万円 1700万円
5等級 599万円 700万円 1440万円
6等級 498万円 600万円 1220万円
7等級 409万円 500万円 1030万円
8等級 324万円 400万円 830万円
9等級 255万円 300万円 670万円
10等級 187万円 200万円 530万円
11等級 135万円 150万円 400万円
12等級 93万円 100万円 280万円
13等級 57万円 60万円 180万円
14等級 32万円 40万円 110万円

こちらは後遺障害等級が高ければ高いほど、任意保険基準の金額と弁護士基準の金額の差が大きくなります。

等級認定の段階で、少しでも高い後遺障害等級認定を得ることが、慰謝料増額においては大事ですね。

また、むち打ち症などの治療は、整骨院ではなく整形外科で行いましょう

後遺障害認定を得るには、医師に後遺障害診断書を書いてもらう必要があります。整骨院・接骨院では後遺障害診断書を書いてもらことができません。

ですので、最初は整形外科、その後の回復状況次第では整骨院、という選択が良いでしょう。

死亡事故慰謝料

最後に、死亡慰謝料の相場を見てみましょう。死亡慰謝料については、後遺障害の場合には、被害者の慰謝料遺族の慰謝料に分けられます。死亡事故においては、被害者本人だけでなくその遺族も精神的苦痛を受けるからです。

被害者本人の慰謝料は、自賠責基準では一律350万円です。

次に、被害者本人の属性別に、任意保険基準と弁護士基準での慰謝料を比べてみましょう。だいたい、以下のような金額になります。

基準別の死亡慰謝料の相場
被害者の属性 任意保険基準 弁護士基準
一家の支柱 1500万円〜2000万円程度 2800万円〜3600万円程度
子ども 1200万円〜1500万円程度 1800万円〜2600万円程度
高齢者 1100万円〜1400万円程度 1800万円〜2400万円程度
配偶者や母親など 1300万円〜1600万円程度 2000万円〜3200万円程度

この通り、任意保険基準と弁護士基準では金額が全く違います。

また、遺族の慰謝料は、近親者(慰謝料の請求ができる親族)の人数によって金額が異なります。

近親者には、その請求の根拠である民法711条に例示されている父母、配偶者、子供だけでなく、事実婚の配偶者も含まれるとされています。近親者が1人なら550万円、2人であれば650万円、3人だと750万円です。

表にまとめるとこのようになります。

自賠責保険の慰謝料
本人の慰謝料 350万円
近親者1人の場合 550万円
近親者2人の場合 650万円
近親者3人の場合 750万円

また、被害者側に被扶養者(扶養している人)がいた場合には、200万円上乗せされます。

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交通事故の慰謝料は任意保険基準ではなく弁護士基準を利用して請求

交通事故の慰謝料は弁護士基準で請求することで、最も高い金額を請求することができます。しかし、被害者自身だけで、弁護士基準での金額を請求することは難しいです。

相手保険会社はしつこく、任意保険基準での金額を掲示してくるでしょう。仮に判例を持ち出し、保険会社の担当者と交渉を重ねても、うまく言いくるめられてしまう可能性が高いです。

その点弁護士は交渉のプロです。交渉の経験、そして案件知識が豊富な弁護士であれば、相手保険会社との交渉で不利な立場になることもなく、さらに弁護士基準での請求で慰謝料の増額が可能です。

弁護士への相談は、ほかにもこんなメリットがあります。

弁護士事務所に相談するメリット
  • 交通事故の慰謝料を増額できる
  • 過失割合を適正に割り当ててくれる
  • 後遺障害認定が受けやすくなる
  • 示談交渉を全て任せるので精神的なストレスがない
  • 時効などの法律的な問題で不利益を受けない
  • さらに弁護士費用特約に加入していれば弁護士費用の実質負担は0になる可能性があります。

    弁護士特約は、家族が加入しているものでも利用できる場合があります。まずはご自身、もしくは家族が弁護士特約に加入しているかどうか、確認してみましょう。

    交通事故の慰謝料でお悩みの方、示談金額に納得のいかない方、電話の無料相談からでも、弁護士相談をしてみてはいかがでしょうか。

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