2017.9.19 更新

交通事故の後遺障害等級認定をとる方法は?基準と手続き期間も

どうすれば自分の症状が後遺障害認定されるのかわからない
後遺障害認定されたらどれくらい慰謝料がもらえるの?
後遺障害の等級認定を正しく受けるためにはどうすれば良いのでしょうか。
弁護士に無料相談してみると、自分がこれからどうすればいいのかわかるはずですよ。


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後遺障害等級認定されると請求できる慰謝料額が増加する

交通事故に遭ってしまい、その後の生活に支障をきたすような後遺症になってしまう人は少なくありません。

そういった「今後治療を続けても回復が見込めない」後遺症に対して、交通事故に起因するものに関しては「後遺障害」という名称で扱います。
この後遺障害を、実際の症状やその深刻さで分けたものを「等級」と呼びます。

後遺障害の等級は「今後治療を続けても回復が見込めず、その症状の重さがどれくらいか」を表すものと定義することができます。

症状が重ければ重いほど、被害者が受けられる最低限の補償とされる自賠責保険の保険金額は上がります。

等級が重い=症状が重く、回復が見込めない=今後の人生に大きなハンディキャップを背負うことに繋がるので、それ相応の補償を受ける必要があるという考えから自賠責保険の保険金があがるのは理解できます。

具体的に以下に等級表を用意しましたので、そちらで金額がいくらになるかご覧ください。

等級認定されると請求できる損害賠償が変わる

損害賠償は、症状固定を境に「傷害部分」と「後遺障害部分」に分けて、下図のようにそれぞれ別々の損害として請求することになります。

症状固定日前後の損害賠償項目比較

逸失利益とは、後遺障害を負ったことにより、労働能力が低下し、将来に渡って失う利益を労働能力喪失率などから算出したものです。

後遺障害慰謝料とは、認定された後遺障害に対して支払われる慰謝料のことを指します。

入通院慰謝料とは違い、後遺障害の等級認定を受けた人のみ請求でき、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料を足したものを慰謝料と称することが多いです。

交通事故示談において後遺障害等級認定を受けることによるメリットが、この後遺障害慰謝料の請求権を得られることと言えます。

請求できる損害が変わることで、損害賠償金額が変わるので等級認定した方が多くの慰謝料額がもらえることになります。

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後遺障害等級認定されるまでの手続きの流れ

後遺障害の認定手続きの大まかな流れについて理解しましょう。

    ①治療
    ②症状固定
    ③後遺障害診断書等の提出
    ④後遺障害の等級認定
    ⑤自賠責保険金の受け取り

後遺障害が等級認定されるまでの期間は、治療を始めたときから数えると全体で約1年の期間を要します。

等級認定の申請方法には事前認定と被害者請求がある

等級認定の方法は、相手方保険会社に申請手続きを任せる「事前認定」と被害者自身が申請手続きを行う「被害者請求」があります。

事前認定と被害者請求を比較

「事前認定」と「被害者請求」それぞれのメリットデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

事前認定は手間がかからないが損することもある

事前認定の場合、後遺障害診断書を任意保険会社に提出すれば、他の資料は任意保険会社が収集してくれます。

事前認定では、被害者は医師が作成した後遺障害診断書などの必要書類を保険会社に送付するだけです。交通事故による負傷で動くことが難しい状況では、保険会社に代行してもらえるのは大変メリットがあります。

しかし、事前認定は加害者側の保険会社にすべての手続きを任せるので注意が必要です。

被害者側は手続きの内容を知ることができないので、被害者にとって不利な認定結果になってしまうことがあります。

被害者請求とは被害者が自分で行う申請方法

被害者請求の場合、「被害者自身(あるいは代理人である弁護士)」が後遺障害認定の申請手続きを行います。被害者本人が証拠書類を集めるので、有利な認定結果にしやすいというメリットがあります。

しかし、被害者請求は自分で多くの書類を集めなければならないので、費用と手間がかかってしまいます。

被害者請求を行う場合には、専門知識のある弁護士に依頼すれば手間がかからず、被害者に有利な証拠をより詳細に調査してもらえます。

被害者請求の必要書類
  • 交通事故証明書
  • 診断書
  • 診療報酬明細書
  • 支払請求書
  • 請求者本人の印鑑証明書
  • 事故発生状況報告書(運転者や被害者)
  • 休業損害証明書(勤務先)
  • 通院交通費明細書(被害者)
  • その他の損害を立証する書類(それぞれの作成者)
  • 後遺障害診断書(主治医)
  • 具体的な後遺障害の内容を記載した後遺障害診断書(医師が作成)のほか、レントゲンの画像等の検査結果がわかる必要書類を準備し、等級認定の審査に関わる自賠責保険会社や損害保険料率算出機構に対して書類を送付します。

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    後遺障害診断書作成は等級認定の重要な書類

    後遺障害の等級はその症状と深刻さを区分する機能を持っています。

    等級認定の際は、その人の後遺症が、どの級に当てはまるのか?その人の後遺症には、事故と確かな因果関係があるのか?主にこの2点を書面から判断して行われます。

    ここでいう書面というのが「後遺障害診断書」になります。

    通院していた病院の医師に書いてもらう、大変重要な書類になります。ここに書かれている内容だけで等級認定されるか決まると言っても良いでしょう。

    これは、後遺障害の等級認定を行っている損害保険料率算出機構の原則によるものです。

    それは「書面主義」と呼ばれるもので、ある一定の場合を除いて提出した書面の審査だけで等級認定を行う、というものです。
    この原則は毎日多く発生する交通事故に伴う膨大な請求に、公平かつ迅速に対応するために生まれたものです。

    よって、後遺障害の等級認定を受けるには、「後遺障害診断書」をいかに下記等級表に当てはまる後遺障害が発生しているかを明確に記せるかが重要です。

    後遺障害等級認定表で認定基準と保険金を確認しよう

    介護を要する後遺障害の場合の等級及び限度額
    等級 介護を要する後遺障害 保険金(共済金)額
    第一級
    1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
    2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
    4,000万円
    第二級
    1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
    2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
    3,000万円
    【備考】各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であつて、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする。
    後遺障害の等級及び限度額
    等級 後遺障害 保険金(共済金)額
    第一級
    1. 両眼が失明したもの
    2. 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
    3. 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
    4. 両上肢の用を全廃したもの
    5. 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
    6. 両下肢の用を全廃したもの
    3,000万円
    第二級
    1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
    2. 両眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
    3. 両上肢を手関節以上で失つたもの
    4. 両下肢を足関節以上で失つたもの
    2,590万円
    第三級
    1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
    2. 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
    3. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
    4. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
    5. 両手の手指の全部を失つたもの
    2,219万円
    第四級
    1. 両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
    2. 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
    3. 両耳の聴力を全く失つたもの
    4. 一上肢をひじ関節以上で失つたもの
    5. 一下肢をひざ関節以上で失つたもの
    6. 両手の手指の全部の用を廃したもの
    7. 両足をリスフラン関節以上で失つたもの
    1,889万円
    第五級
    1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの
    2. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
    3. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
    4. 一上肢を手関節以上で失つたもの
    5. 一下肢を足関節以上で失つたもの
    6. 一上肢の用を全廃したもの
    7. 一下肢の用を全廃したもの
    8. 両足の足指の全部を失つたもの
    1,574万円
    第六級
    1. 両眼の視力が〇・一以下になつたもの
    2. 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
    3. 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
    4. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
    5. 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
    6. 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
    7. 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
    8. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指を失つたもの
    1,296万円
    第七級
    1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの
    2. 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
    3. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
    4. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
    5. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
    6. 一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失つたもの
    7. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
    8. 一足をリスフラン関節以上で失つたもの
    9. 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
    10. 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
    11. 両足の足指の全部の用を廃したもの
    12. 外貌に著しい醜状を残すもの
    13. 両側の睾丸を失つたもの
    1,051万円
    第八級
    1. 一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
    2. 脊柱に運動障害を残すもの
    3. 一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失つたもの
    4. 一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
    5. 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
    6. 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
    7. 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
    8. 一上肢に偽関節を残すもの
    9. 一下肢に偽関節を残すもの
    10. 一足の足指の全部を失つたもの
    819万円
    第九級
    1. 両眼の視力が〇・六以下になつたもの
    2. 一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
    3. 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
    4. 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
    5. 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
    6. 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
    7. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
    8. 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
    9. 一耳の聴力を全く失つたもの
    10. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
    11. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
    12. 一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの
    13. 一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
    14. 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
    15. 一足の足指の全部の用を廃したもの
    16. 外貌に相当程度の醜状を残すもの
    17. 生殖器に著しい障害を残すもの
    616万円
    第十級
    1. 一眼の視力が〇・一以下になつたもの
    2. 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
    3. 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
    4. 十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
    5. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
    6. 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
    7. 一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
    8. 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
    9. 一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
    10. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
    11. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
    461万円
    第十一級
    1. 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
    2. 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
    3. 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
    4. 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
    5. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
    6. 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
    7. 脊柱に変形を残すもの
    8. 一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの
    9. 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
    10. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
    331万円
    第十二級
    1. 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
    2. 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
    3. 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
    4. 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
    5. 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
    6. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
    7. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
    8. 長管骨に変形を残すもの
    9. 一手のこ指を失つたもの
    10. 一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
    11. 一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの
    12. 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
    13. 局部に頑固な神経症状を残すもの
    14. 外貌に醜状を残すもの
    224万円
    第十三級
    1. 一眼の視力が〇・六以下になつたもの
    2. 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
    3. 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
    4. 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
    5. 五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
    6. 一手のこ指の用を廃したもの
    7. 一手のおや指の指骨の一部を失つたもの
    8. 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
    9. 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
    10. 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
    11. 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
    139万円
    第十四級
    1. 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
    2. 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
    3. 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
    4. 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
    5. 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
    6. 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
    7. 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの
    8. 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
    9. 局部に神経症状を残すもの
    75万円

    出典:国土交通省『後遺障害等級表』

     

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    認定結果に納得できないときは異議申し立てができる

    認定された等級(あるいは不認定とされた)結果に納得がいかない場合は、自賠責保険会社に異議申し立てを行うことができます。

    後遺障害認定は書面審査のため、診断書の記載内容が十分でない、審査結果が記載されていないなど、記載漏れにより正しく判断されないことがあります。
    そのため、少しでも結果に疑問が生じた場合には異議申し立てを行いましょう。

    ただし、新たな医学的証拠を示す書類などがなければ、認定等級が変わることはありません。

    異議申し立て以外に、「自賠責保険・共済紛争処理機構」に紛争処理の申請をするという方法があります。
    この申請は原則無料で、医師や弁護士などの専門家たちが調停を行います。ただし、この申請は「原則1回」しかできないので注意が必要です。

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