2017.8.2 更新

交通事故に遭ったとき、示談金をなるべく多く受け取るには?

交通事故に遭った場合、示談交渉によって受け取る示談金の額を決めることになります。
しかし、なるべくなら示談金を多く受け取りたいもの。そうするためには、どうすればいいのでしょうか。
また、示談交渉を行うにあたって、注意すべき点は何でしょうか。
そこで今回は、多くの示談金を受け取るためのポイントを専門家に聞いてみました。

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保険会社同士での示談交渉には要注意

交通事故に遭った場合、通常は自分が加入している保険会社の担当者に、相手が加入している保険会社の担当者と交渉してもらうことになります。

保険会社の担当者は、交通事故の示談交渉をプロとして行っています。弁護士などの法律家とは違うものの、それでも素人が交渉を行う場合よりもスムーズです。各種の対応方法や損害の費目の種類、損害の計算方法や手続きの流れなどもきちんと理解していて、社内にはマニュアルもあります。

しかも、自分が加入している保険会社は、その本人の利益のために動いてくれるので、基本的に信用をしても問題はないでしょう。

ただし、保険会社同士で話をまとめる際、どうしてもいずれか一方の当事者に妥協してもらわないといけない場合が発生します。この場合、妥協してもらう当事者のほうに、大幅な譲歩が求められてしまうことがあります。

このようなケースでは、法的には権利があっても、それ以上の大幅な譲歩を要求されることになります。もちろん、その当事者に対しては「実際には、もっと請求できる事案です」などという説明はありません。当事者にしてみれば、「自分の保険会社の言うことだから、そういうものかな」と思って、妥協してしまうわけです。こうなると、本来であれば請求できた分よりも大幅に少ない金額しか受け取れないという結果となります。

そのため、自分の保険会社から言われた示談金であっても、必ずしもそれが請求できるMAXの金額ではないので、納得できなければ、妥協をしないことが必要です。不満があれば、裁判を起こすという選択も可能です。

裁判所により、裁判基準で損害賠償金を算定してもらうことになれば、一般人でも示談金が増える可能性があります。

ただし、法律に詳しくもない一般の人が、適切に裁判手続きを進めて、裁判所から適切な認定を受けることは難しいでしょう。実際には、示談金に不満があって裁判を起こすとなると、弁護士の力を借りる必要があります。

なお、示談金に納得ができない場合が多い原因として、保険会社が複数の異なる基準を用いていることも挙げられます。

実は、示談金の計算で用いられる基準として、次の3つがあります。

自賠責基準 自賠責保険の支払い基準
任意保険基準 任意保険会社の支払い基準
裁判基準 裁判になった場合や、弁護士が被害者の代理人になって保険会社に請求する場合の支払い基準

保険会社同士で示談交渉をする場合、保険会社内の「任意保険基準」が用いられます。これを用いた場合、弁護士が介入する際に用いられる「裁判基準」よりも、提示される示談金の額が低くなります。

つまり、保険会社に示談交渉を任せるよりも、交通事故の慰謝料は弁護士にお願いしたほうが示談金の額を増やせるというわけです。

ただし、弁護士でもない人が裁判基準によって示談金の額を計算することは、かなり難しいと言えます。そもそも損害の項目はたくさんあり、それぞれについて計算方法があります。特に休業損害の場合、ライプニッツ係数という特殊な係数を用いた計算などがあり、一般人には理解しにくいです。

交通事故の損害賠償請求をもれなく完全に行うのは、成り立ての弁護士でも難しいくらいなので、一般の人が少し本を読んだ程度では、裁判基準で示談金を算出することは難しいでしょう。

相手側が自動車保険に加入していないとき、保険会社の担当者と交渉する場合と違い、示談交渉の流れや損害の費目、計算方法などの知識がないことが普通です。そのため、前提条件からすべて説明をしなければなりません。

しかも、相手は敵意や不信感を持っているはず。そもそも、任意保険にも加入していないような人だと、内容証明郵便を送っても受け取らない、全く交渉に応じてくれない、話ができても損害賠償をしたくないといったケースも多くあります。

このように、相手が当事者本人という場合には交渉すること自体が困難である、示談交渉の流れなどを理解してもらうことが困難であるといった状況に陥ってしまうので注意が必要です。

弁護士特約を使って示談交渉を有利に

弁護士に依頼をしたくても、費用が心配という人も多いはず。このとき、加入している保険に弁護士特約がついていれば、その費用が保険から支払われます。また、この特約を使えば無料で相談をすることができ、示談交渉の手続きをすべて弁護士が代行してくれます。さらに、相手の保険会社も弁護士が相手となると、無理に示談金を抑え込んでくることもありません。

このようなメリットのある弁護士特約ですが、限度額が300万円程度に設定されていることが多いので注意が必要です。限度額を超えて弁護士費用が発生した場合、自己負担になります。

メリット ・示談交渉の手続きをすべて弁護士が代行してくれる
・裁判基準を用いた計算になるので、受け取る損害賠償額が多くなる
デメリット ・一般に限度額が300万円ほどに設定されていて、それを超えて発生した費用は自己負担になる

ただし、限度額を超えて弁護士費用が発生するような大きな事故の事案では、弁護士に依頼するほうが受け取る示談金の額は多額になる傾向があります。そのため、弁護士費用を一部負担することになっても、弁護士に依頼するのをおすすめします。

なお、弁護士特約を使うと保険の等級が上がってしまい、保険料が高くなるのではないかと心配する人もいるようですが、実際にはそのようなことはありません。弁護士特約を利用しても自動車保険の等級に影響はないので、そういった心配は不要です。

また、弁護士特約を早く使うと、弁護士費用の負担額が増えるのではという心配をする人もいるようです。しかし、弁護士費用で多額になるのはほとんどが報酬金なので、早く手続きを済ませても負担額が増えるわけではありません。

逆に、弁護士に依頼をするタイミングが遅れるほうが、不利な状況に追い込まれたり、精神的に負担を感じたりする機会が増えてしまいます。その意味でも、弁護士特約は早めに利用したほうがメリットは大きいと言えるでしょう。

事故直後から弁護士特約を利用して弁護士に相談をし、場合によっては示談交渉の手続きを依頼までしておくと、間違った選択をする可能性もなくなり、わずらわしい示談交渉も弁護士がすべて行ってくれます。

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