2017.9.8 更新

交通事故の高次脳機能障害とは?脳挫傷との関係や症状、等級も

「そもそも高次脳機能障害が何なのかわからない」
「高次脳機能障害になってしまったがどうしていいかわからない」

高次脳機能障害」は非常に辛く重い症状ですよね。当然、示談では精神的にも金銭的にも大きく関わりますので弁護士に相談してみることをおすすめします。


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交通事故で高次脳機能障害に!?具体的な症状は?

高次脳機能障害は、何らかの外部要因によって広く脳の認知機能に異変が起こる障害のことです。

交通事故にあい高次脳機能障害です。
専業主婦なので日常的には注意障害があり会話の中で他の声に気が取られて言葉が聞きにくいとか、物忘れがあるとかその程度で特に問題なく過ごせます。
ただ、忙しく疲れてくると精神状態も不安的になるのか人とうまく話せなくなります。言葉が出てこない、会話が思いつかない。
事故から3年です。
何科か、通院すれば状態は良くなるのでしょうか?

引用:Yahoo!知恵袋

夫が交通事故で高次脳機能障害と診断されて、月1で大学病院に通っています。
病院で何をするとかと言えばレントゲン撮って、診察してまた来月来てね〜の繰り返し。特に治療という治療をしていません。薬は適当な抗うつ薬と睡眠薬のみ。
最初は物忘れ等がひどかったのですが、最近はよくなってきました。でも性格がガラッと変わってしまい、それはずっとそのまま。
本人に自覚はありません。
ものすごく冷たくなりました。あと会話もすごく少ない。こちらが話しかけても最低限の返事しか返ってこない。

引用:Yahoo!知恵袋

上記のような事例のほか、実際に診断される症状としては、以下の様なものが多いと言われています。

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症状1:記憶障害

ものを記憶する能力に障害が起こる症状です。新しいことを記憶できなくなる症状と、古い記憶を呼び出すことができなくなる症状があります。
たとえば、いかのような症状がある場合、記憶障害が起こっている可能性があります。

  • 日付や時刻がわからない
  • 自分がどこにいるか、場所がわからない
  • 物をどこに置いたのかすぐに忘れてしまう
  • 何度も同じ質問をしてしまう
  • 人の名前を覚えられない
  • 予定を覚えられない

症状2:注意障害

注意力が低下したり集中力がなくなったりする症状です。たとえば、以下のような症状があります。

  • ぼんやりすることが多く、ミスが増える
  • 集中出来ず、すぐに気が散る
  • 一度に二つ以上のことができない
  • 人から言われたことに、関心を持たない
  • 何でもすぐに飽きやすくなる
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症状3:社会的行動障害

暴力的な言動が増えたり感情を抑制出来なくなったりする症状です。感情がなくなって何事にも無関心になることもあります。
たとえば、以下のような症状があります。

  • 思い通りにならないとすぐに興奮する、大声を出したり暴力を振るったりする
  • 他人の迷惑を考えずに行動する
  • 自己中心的になる
  • 子どもっぽい言動をとる
  • 食べたりお金を使ったりすることに抑制がきかなくなる
  • すぐに親や周囲を頼るようになる
  • 急に泣き出したり怒り出したりする
  • 感情の起伏がなくなり、無関心になる

症状4:遂行機能障害

物事を計画立てて行うことができなくなる症状です。次のようなものがあります。

  • 約束の時間を守れない
  • 計画を立てても実行できない
  • 人に言われるまで行動できない
  • 行動がいきあたりばったりになる
  • 自発的に動けない
  • 効率よく物事をすすめられなくなる

その他、言葉がうまく出なくなる失語症やうまく動作を行えなくなる失行症、人の顔などのものごとの認識ができなくなる失認症などの症状もあります。

高次脳機能障害の場合厄介なのが、「自分は後遺症を持っている」という認識そのものである病識が欠如していることが多いことです。

本人には病気の自覚がないことが多いため、そもそも病気であるということを認めるところにハードルがあります。
物事がうまくいかないのを人のせいにしたり、リハビリや治療を拒絶したりすることもあるようです。

交通事故で発生する脳挫傷と、高次脳機能障害の関係は?

高次脳機能障害は、脳挫傷によって起こる障害です。

高次脳機能障害の原因は、脳内出血などのケースと脳挫傷によるケース、脳炎によるケースがあります。交通事故の場合には、外傷性の脳挫傷によって起こるものです。

よって、脳挫傷と高次脳機能障害の関係は、脳挫傷は高次脳機能障害の原因の1つだという位置づけになります。脳挫傷は交通事故などを原因として脳に外傷を負うことであり、高次脳機能障害は、そこから起こる脳の認知機能障害だということです。

このように、両者はレベルの異なる位置づけになるので、違いと言うよりも両者の関係性を理解しておく方が重要です。

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交通事故で高次脳機能障害になった場合、後遺障害等級は1級~9級まで認定される

では、実際に高次脳機能障害になった場合、後遺障害等級は何級になるのでしょうか?症状の程度に応じて、認定される等級は違いますが以下にまとめました。

表1.高次脳機能障害で認定されうる後遺障害等級表
等級 障害内容
1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
1級2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級2号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
3級4号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
5級3号 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級5号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
9級11号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

出典:後遺障害データベースより

最も重い等級である1級に認定される可能性もあり、交通事故に起因する症状の中では重いほうと言えます。

そして、これらの後遺障害が認定されたら後遺障害慰謝料と逸失利益を請求することができます。

逸失利益とは、後遺障害が残ったことによって以前のようには働けなくなるので、本来得られたはずの利益(減ってしまった収入)を請求できることです。後遺障害の等級に応じておる同能力喪失率が定められているので、それに応じて請求ができます。
若い人や年収の高い人が高次脳機能障害の後遺障害に認定されたら、1億円を超える高額な賠償金(後遺障害慰謝料+逸失利益+介護費用など)を請求できる可能性もあります。

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高次脳機能障害での後遺障害慰謝料の金額は最大2,800万円も

それでは具体的に、これらの後遺障害に該当する場合の後遺障害慰謝料の金額はどうなるのでしょうか?
先ほどお話しした、後遺障害の等級に応じた慰謝料額が以下になります。

表2.交通事故で高次脳機能障害になった場合の等級別慰謝料
等級 弁護士・裁判基準 任意保険基準 自賠責基準
1級 2,800万円 1,300万円 1,100万円
2級 2,370万円 1,120万円 958万円
3級 1,990万円 950万円 829万円
5級 1,400万円 700万円 599万円
7級 1,000万円 500万円 409万円
9級 690万円 300万円 245万円

後遺障害認定を受けていれば、認定された等級に応じた上記の慰謝料額を受け取れるようになります。

ただ、他の症状と高次脳機能障害との違いが、当事者自身が「高次脳機能障害である」という自覚症状を持ちにくいというところにあります。例えば特定部位の骨折の場合は、腕や足などの骨が折れている、と自分自身が認識することが出来ますが高次脳機能障害の場合はそもそも自覚するのが難しいです。

そもそも症状名がむちうちや骨折などと比べて知名度がないところを踏まえると、周囲から見ても単なる性格の変化や個性などであると理解されて、なかなか高次脳機能障害であると気づかれないことが多いです。

なので、交通事故で頭に外傷を受けた場合は特に注意して、事故後の本人の様子を観察することが重要です。もし何か変化を感じた場合は、躊躇することなく専門医にかかってきちんと診断を受けることが大切です。

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交通事故後、高次脳機能障害の影響で性格が変わることもあるが慰謝料請求はできない

高次脳機能障害が原因で性格が変わってしまったように感じることがあります。注意しておかないといけないのは、それは高次脳機能障害の一症状ですので、そのことが単独で慰謝料の算定項目として請求内容に追加されることはありません。

高次脳機能障害になると、以前とは異なり暴力的になったり感情を抑制出来なくなったりすることがあります。これを、前述したように社会的行動障害と言います。また、以前と異なり集中力がなくなったり、場違いな言動をしてしまったり、約束の時間を守れなくなったりすることもあります。これらもすべて、記憶障害や注意障害などの高次脳機能障害の症状が原因となっています。

高次脳機能障害の慰謝料は、まさにこのような高次脳機能障害の症状に対するものなので、これらの性格の変化に相当する分の慰謝料は、基本的に高次脳機能障害の基本的な慰謝料に含まれています。

そこで、性格の変化があったことのみによって、単独で慰謝料の項目が追加されることはありません。ただ、通常とは異なるような著しい変化が見られるなどの特殊な事情がある場合には、慰謝料の算定の際に増額の方向で斟酌してもらえる可能性はあります。

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交通事故で高次脳機能障害になっても回復する見込みはある

高次脳機能障害は、適切に治療をすれば回復する可能性のある症状です。

高次脳機能障害は、脳の認知機能に障害が起こる症状なので、認知症とよく似た部分があり、比較されることも多いです。
ただ、高次脳機能障害の場合には、ゆっくりではあっても回復する可能性があることが認知症と異なると言われています。高次脳機能障害は進行性の症状ではなく、適切な治療やリハビリを繰り返せばある程度症状を改善することが期待できるのです。認知症の場合、徐々に神経細胞が破壊されていくので症状の改善は困難ですが、それとは異なり治療が可能な点が高次脳機能障害の特徴です。

このように、高次脳機能障害は進行性の症状ではないので放っておいて悪化することはありませんし、的確に治療やリハビリをすれば症状を改善して、完全ではないとしても回復する可能性があるものなので、なおさら早い段階で通院されることをおすすめします。

交通事故後、高次脳機能障害で後遺障害認定を得るときのポイント4つ

1. まずは良い医師を探す

高次脳機能障害になった場合には、高次脳機能障害に詳しい良い専門医を探すことが大切です。

そして、まずは高次脳機能障害の症状が出ていることを診断によって明らかにしてもらい、治療をしてもらいます。症状固定したら、その時点で後遺障害認定を受けられる症状が出ていることを証明するため、適切な内容の後遺障害診断書を作成してもらって、適切な検査を実施してもらうことが必要です。

高次脳機能障害は、比較的最近交通事故の後遺障害の内容として認められたものであり、医師の研究分野としても比較的新しいです。そこで、医師の中にも高次脳機能障害についてさほど知識経験がない人も多く、脳の専門医であっても高次脳機能障害の症状を見逃してしまうケースもあると言われています。そこでまずは高次脳機能障害に詳しい良い専門医を探してきちんと高次脳機能障害の診断を受ける必要があるのです。

2.後遺障害診断書の作成に協力してもらう

そして、高次脳機能障害の適切な治療やリハビリを受けて、症状固定したら後遺障害等級認定請求の手続きに協力してもらわなければなりません。

そのためには、医師の後遺障害診断書が重要です。後遺障害診断書には、後遺障害に該当する症状が出ていることとそれが交通事故によるものであること(因果関係)などの必要な内容をしっかり記載してもらう必要があります。また、高次脳機能障害の症状が出ていることを明らかにするために適切な検査も実施してその検査結果などを添付したり後遺障害診断書内に書き込んでもらうことも必要になります。

これらの必要事項について、適切に強力してもらうためには、できれば過去に交通事故の後遺障害診断書を作成した経験のある医師に治療や診断を依頼する方が有利になることが多いでしょう。

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3.適切な検査を実施してもらう

適切な後遺障害等級認定を受けたいなら、後遺障害の症状を証明するために適切な検査を実施することが重要です。

そこで、担当医に相談して、ケースに応じた適切な検査を実施してもらいましょう。このとき、病院や医師によって受けられる検査が異なることがあり、良い病院と専門医にかかって適切な検査をしてもらうことが重要です。必要な検査を受けないと、認定されるべき後遺障害でも認定されなくなってしまうおそれがあります。
後遺障害等級認定を受けたいなら、医師の協力は必須になるので、十分慎重に担当医を選ぶことが大切です。

4.示談交渉を弁護士に依頼する

さらに、示談交渉を弁護士に依頼することも重要です。

交通事故の慰謝料などの損害賠償金の計算基準には、自賠責基準と任意保険基準、弁護士・裁判基準がありますが、この中でも弁護士・裁判基準が飛び抜けて高額になるからです。

弁護士・裁判基準で慰謝料を計算してもらうためには、示談交渉を弁護士に任せる必要があります。被害者が自分で示談交渉をすると、低額な任意保険基準を使われてしまうからです。

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交通事故で子どもが高次脳機能障害になってしまった場合はどうすればいい?

被害者が子ども場合も、なるべく高額な慰謝料を獲得するためには、良い専門医を見つけることが不可欠です。

高次脳機能障害は、医師でも見落とすことがある難しい症状なので、このときなるべく良い専門医を探して受診することが大切です。ある医師のもとでは見落とされても、別の医師にはきちんと診断してもらえることもあります。

さらに繰り返し述べている通り、そもそも高次脳機能障害は、本人に自覚がないことが多く、周囲から見ても気づかれにくいことが多い症状です。受傷者が子どもだと、なおさら気づきにくいことでしょう。このような場合、子ども本人にはもちろん自覚がありませんし、周囲の大人からしても、成長にともなって変化が起こったとしか捉えない可能性があります。そこで、子どもが交通事故で頭を打ったりした場合には、まずは脳の専門医に連れて行って、異常が起こっていないかどうか調べる必要があるのです。

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