2017.8.22 更新

交通事故は弁護士に相談するべき?被害者が損しないタイミングと理由

弁護士ではなく被害者側の保険会社に相談するのは効果的?

この点については、完全にケースバイケースというほかはありません。
後述するように事故態様や損害論など、実際の請求に関するもめごとが発生している場合であれば、弁護士に依頼するほうがよいでしょう。
しかし、被害者の方、全員が全員弁護士と知り合い、というわけではありません。そうであるならば、まずは加入している保険会社の担当者に連絡を取り、そこで相談してみるのも手だと思います。
仮に、被害者の方が加入されている保険に弁護士費用特約が付されているのであれば、基本的には弁護士費用の負担を被害者の方が心配する必要はありませんので、弁護士への相談を念頭においてもいいと思います。
逆に、弁護士費用特約が付されていないのであれば、まずは保険会社の担当者に示談交渉を代行してもらう、というのが通常のルート、といえることになるでしょう。保険会社の担当者によって示談が成立するのであれば、被害者の方が弁護士費用を負担することはありませんので、持出しがない、ということになります。
もっとも、後述するように、保険会社の担当者の方が示談する金額には注意が必要です。
一般的には、(特に慰謝料について)任意保険会社が設定している金額と裁判で認められるであろう金額は異なります。もっとも、訴訟まで行くとなれば弁護士費用がかかってくることになりますので、その辺をしっかりと計算して示談書に判子をつくことが重要です。

弁護士に相談するべき事故についての内容例

交通事故の場合、基本的には①当該交通事故の態様(特に過失割合)、及び②損害(特に慰謝料の金額や因果関係)が問題になりやすい傾向にあります。
そして、こういった争いになりやすい争点が顕在化している交通事故に関しては弁護士に依頼した方がいい場合、ということになるでしょう。
具体的には①については、動いている四輪同士、と言った場合が典型例です。基本的に、動体同士の交通事故の場合100:0でどちらかが悪い、ということにはなりません(一部例外は存在しますが・・・。)。運転している以上、交通事故を起こさないレベルの注意義務は運転者に課せられているからです。
そのため、判例タイムス別冊の基本的な過失割合のどの類型にあてはめるのか、その上でどういった事情で過失割合が変わるのか、それとも変わらないのか、といった点が争いになるような場合はまさに弁護士によって適切な主張をすべき場面といえます。
また②については、特に残念ながら被害者の方に後遺障害が遺った場合が該当すると言えます。特に、複数の行為障害があるような場合には、一概に赤い本の基準で算定することができません。裁判例などを参考に、どういった事例でどういった請求が認められている、あるいは認められていない、といったことを事前に見定める上で、弁護士に相談する必要性が高いといえるでしょう。
このような場合は特に弁護士に相談する必要性が高いと言えます。

弁護士に相談することによる具体的なメリットとは

弁護士に相談することの最大のメリットは、得られるであろう慰謝料などの金額面の見通しをある程度聞ける、ということになるでしょう。
保険会社の担当者の方はあくまで示談を目的として動くので、示談できそうな金額、といった数字を提示してくることが多いと考えられます。これに対して弁護士は訴訟を見据えての検討になりますので、裁判になればこれくらいの判断になるのではないか、といったことを当該交通事故の態様に基づく過失割合と、実際の損害、具体的には、治療費や物損の修理費等に加え、残念ながら後遺障害が遺ってしまった場合にはその慰謝料も含めた計算を行うことができます。
その際に、被害者の方にも過失が認められる様な場合には、その説明も受けることができます。そうすることで、保険会社の提示してきている示談金額が妥当なのかどうか、といった点を客観的に判断することができますし、実際に訴訟を行ってまで請求するかどうかも決める資料を手にすることができるといえるでしょう。
こういった点が弁護士に依頼するメリット、ということができるのではないでしょうか。

なぜ弁護士と事故被害者はお互いの利害が一致するの?

弁護士は、保険会社の担当者の方と違って、あくまで被害者の方の「代理人」です。これが保険会社の担当者の方とは最も異なる点といえるでしょう。
保険会社の担当者の方は交通事故のある意味専門家であり、判例などもよく勉強されています。人によっては、交通事故を扱わない弁護士と比べれば、弁護士よりも知識がある、という方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、保険会社の担当者はあくまで会社員、ということを忘れてはいけません。会社員の目的はあくまで勤務先である企業の利益の最大化です。もちろん、個人的な感情はあるでしょうが、限界があります。それに対して、弁護士はあくまで依頼者の「代理人」です。代理人はつまり、本人である被害者の方の為に100%活動できます。社内の規定といったブレーキが働くことはありません。
また、弁護士は多くの場合、着手金+報酬金(成功報酬)という形の契約を本人と結んでいます。この報酬金は、被害者の方が得られた金額によって変動します。つまり弁護士の報酬という実利の面からも弁護士は全力を尽くし、被害者の方の利益の最大化を図る、ということができるのです(いやらしい話ではありますが・・・。)。

相手加害者側の保険会社との交渉で弁護士はどのように被害者側の助けとなるの?

弁護士に交渉や訴訟を委任していただいた場合、当該弁護士は、加害者側の保険会社に対して、まず、その弁護士が実際に当該交通事故についての委任を受けた旨を内容とする「受任通知」という書面を提出することになります。そうすることで、その後の一切の交渉窓口が当該弁護士になり、被害者の方に直接アクセスしてくることが無くなります。すなわち、弁護士が責任をもって交渉し、(途中経過はもちろん、報告することになりますが)一定の方向性が出る段階まで、本人はノータッチでも交渉が進むことになります。
そういった意味でまずは時間的に被害者の方には力になると言えるでしょう。
また、証拠集めなどでも具体的かつ必要なものを効率よく指示できることになります。
また、後述するように最終的には金額面でも納得のいく結論になる可能性が高くなります。そういった意味でも弁護士に依頼することで、被害者の方の力になれる部分は大きいと言えます。

弁護士の有無による示談金や損害賠償額などの違い

まず、初めに注意しておきたいのは、弁護士が代理人に就いたからといって、示談金が損害賠償の金額が100%高くなるわけではありません。あくまで可能性論の話であって、高額になる可能性が高くなる、というレベルの話であることは理解しておいていただく必要があると思います。
その上で・・・という話になりますが、弁護士が代理人として示談交渉や損害賠償請求を行う場合、その事例に即した裁判を見据えた金額を請求していくことになります。一般的にはこの基準は弁護士基準とも裁判基準ともいわれますが、事故態様を判例タイムス別冊で確認し、その基本的過失割合と赤い本をベースとした慰謝料金額を割り出すことで実際に裁判になった場合に「これくらいの金額は認められるのではないか。」といった見通しを立てて交渉・訴訟を行うことができることになります。
逆に言うと、保険会社間の交渉ではその金額よりも低めの任意保険会社ごとのそれぞれの基準があり、それに基づいて金額を算出することになります。この基準は、弁護士に依頼せず、早期解決を図るために策定されているもの、ということになるので、弁護士基準・裁判基準よりも金額は低い、といえます。そのため、類型的に弁護士に依頼した方が、示談金額や、損害賠償の金額が高額になりやすくなるのです。もっとも、繰り返しになりますが、当該交通事故の態様、特に過失割合やどの程度の損害が認定されるかははっきりということはできませんので、確実に高額になるわけではない、ということ、そして弁護士費用が発生してしまうことは理解していただく必要があります。

弁護士の依頼で事故被害者本人が軽減される負担

弁護士に依頼することで被害者の方の負担が減る最も大きい部分は交渉でしょう。
もちろん、保険会社の方も示談交渉は行ってくれます。しかし、弁護士が代理人として被害者の方に付き、法的見解に基づいた主張をしていくことで加害者側とはより建設的な話し合いができるようになります。
結果として、交渉終了(示談成立)までの時間が短くなります。
また、交渉・訴訟において弁護士は必要な証拠を先手先手で本人に依頼することができます。そうすると、例えば当該事故の記憶が鮮明なうちの聴取ができたり、必要書類の準備ができたりするので、そういった意味でも負担は減ります(例えばフラッシュバックなどの危険性も減らすことができます。)。
また、実際の交渉においても、弁護士が受任通知といって、交渉の委任を受けた旨を加害者側に連絡すれば、被害者の方本人に連絡が来ないようになります。交渉はすべて弁護士が代理するためです。こういった意味でも被害者の方ご本人の負担は大きく減ることになるでしょう。

弁護士に相談するまでの流れ

弁護士に相談をする、交渉や訴訟を委任する、というのに最も簡便かつ適切なのは、お知り合いの弁護士の法律事務所を訪れることです。知り合いであれば、相談料なども柔軟に対応してもらえる可能性が高いですし、その場で相談の上、委任することもできます。何より、既にその弁護士との信頼関係が成立していると弁護士としても仕事がやりやすい、というのが実情です。
もっとも、お知り合いに弁護士がいない、ということであれば、どうやって探すかは大きな問題になります。
一つは法律事務所のホームページを見て回ることです。特に交通事故事案の場合には初回法律相談無料、をうたっているところが多く、そこで見積もりをとってもらうのが良いでしょう。また、実際の相談で弁護士と接することで、当該弁護士に委任するのかどうするのか、を判断できることにもなります。この際、最初に訪れた法律事務所の弁護士とフィーリングが合うのであればいいですが、そうでなければいくつか見積もりを取り、弁護士に話を聞いてもらって比較してみてもいいと思います。
また、資力要件はありますが、法テラスで無料相談に乗ってもらうのも一つの手段でしょう。もっとも、この場合には、依頼者の側から弁護士を選ぶことができない、という欠点がありますのでお気を付けください。
さらに、有料ではありますが、弁護士会の法律相談も実施されています。場所によっては電話相談もある場合がありますので、こういったところで、実際に弁護士とコンタクトを取り、どの弁護士に依頼するのか判断されると良いのではないでしょうか。

弁護士の相談費用の一般的なシステム

弁護士の相談費用については、基本的には時間制で請求されることになります。
多くの場合、1時間1万円+税、ということになるのではないでしょうか。もっとも、法律事務所によっては、交通事故の初回相談は無料にしている法律事務所も存在します。特に交通事故を数多く扱いたい、インターネット集客に力を入れている、といった法律事務所は初回相談であれば無料、とホームページに歌っているところが多いと思います。
ただし、無料法律相談、といっても時間が無制限にあるわけではありません。通常は長くても1時間程度でしょう。そういった場合に備えて、 当該交通事故の概要をまずは整理して説明できるようにすることが重要です。また、被害者の方の場合は物損も含めて、どのような損害、後遺症等が生じているのかを客観的に示す資料も用意しておく必要があります。
また、気を付けなくてはいけないのは、その後、弁護士に交渉や訴訟を委任する費用は別にかかる、ということです。多くの法律事務所では、弁護士に委任する段階で発生する着手金と、実際に交渉・訴訟で得られた金額に応じて発生する報酬金、というシステムで発生することになります。着手金についても訴える訴額に応じて金額が変わってくることになるので、基準については、相談の際に確認しておく必要があります。
また外資系事務所を中心に一部の法律事務所はタイム・チャージといって、弁護士を時給で雇う形(●万円/時間)もあり得ます。この場合、かかった時間に応じて、弁護士費用は青天井になってしまいますので、委任契約を交わす際には、どういったシステムで弁護士費用が発生するのか、費用倒れにならないか、といった点についてはしっかりと確認してから判子をつくようにしましょう。

事故後、弁護士に相談にのってもらう適切なタイミング

この点については、結論から言えば、早ければ早いほどいい、ということになると思います。
上記したように、揉めるポイントが交通事故にはいくつか存在しますが、そのポイントに該当すると判断できるのであればそのタイミングで相談すべきでしょう。
特に、加入されている任意保険に弁護費用特約が付いている様な場合には、費用負担の問題もほぼ生じないと言えますので、可能な限り早いタイミングでのご依頼が適切と言えます。
また、一時的に保険会社の方に交渉を依頼していたような場合でも、「示談するのが難しそう。」といった話がその方から出てきているような場合には、弁護士への依頼を検討すべきタイミングと言えます。
弁護士の立場としては、できるだけ早く依頼してほしい、というのが本音ではあります。もっとも、費用などの面も関係してくる話ですので、適切なタイミングを見計らってご依頼いただければとは思います。

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