2017.9.1 更新

交通事故の後遺障害は弁護士に無料相談|認定前でも認定後でもできる

無料相談窓口について

日本弁護士連合会(日弁連)交通事故相談センターでは,各地の弁護士会において,交通事故無料法律相談を実施しています。
相談担当の弁護士は,交通事故案件を取り扱っている弁護士ですので,後遺障害について無料で相談することが可能です。
認定された後遺障害等級が妥当がどうか,後遺障害認定手続前の段階では,症状からどのような後遺症害等級が認定され得るか,後遺障害に応じた適正な慰謝料の金額など,交通事故被害の後遺障害のことなら何でも相談できます。

法テラス(一定の資力基準を満たす場合に,弁護士費用を立て替えてくれる公的機関)においても,弁護士による交通事故の法律相談を受けることができます。
資力基準を満たせば相談料は無料です。

各自治体においても,交通事故相談を無料で実施しているところも多いので,お住いの地域の役所に問い合わせてみるのもよいでしょう。

また,多くの弁護士がホームページ上で,交通事故無料法律相談を行っていることを宣伝していますし,弁護士費用特約に加入していれば,保険会社の費用負担で交通事故の法律相談を受けることが可能です。

後遺障害治療に適した施設は?

交通事故の治療には,病院と接骨院という選択肢があります。
もっとも,接骨院は柔道整復師の資格はありますが,医師免許は当然ありません。
接骨院の治療について医師の指示・同意がなければ,治療費を負担しないという対応をとる保険会社もあります。
接骨院での治療を受ける際には,必ず医師の同意を得ておく必要があります。

後遺障害が残るような怪我を負った場合,リハビリ施設のある病院に行くことをお勧めします。
リハビリ施設がなければ,定期的に経過観察を受けるのみになってしまうので,そのような病院は後遺障害の治療に適しているとは言えないでしょう。
リハビリを継続的に受けることで,症状の推移や残存についての証拠も残るので後遺障害の認定にも有利になります。

初診時の病院にリハビリ施設がない場合には,リハビリ施設のある病院へ転院するほうが良いでしょう。

弁護士に相談するメリット

後遺障害が認定された場合,その内容に応じて,慰謝料や後遺障害逸失利益を請求することができます。
慰謝料の算定基準には,自賠責基準,保険会社基準,裁判基準があり,この順に慰謝料額は大きくなります。
自賠責基準は法令により定められた基準,裁判基準は判例の積み重ねによる基準になっており,保険会社基準は公表されているものではありません。

弁護士に依頼していない場合,慰謝料について,保険会社は,裁判基準を下回る金額しか提示してきません。
現在では,ネットで情報を簡単に集められ,裁判基準の慰謝料額についても容易にネット検索することが可能ですが,それでも,弁護士が介入していなければ,裁判基準による慰謝料の支払いに応じる保険会社はほとんどありません。

また,後遺障害が認定された場合,逸失利益の請求もすることができます。
逸失利益とは,後遺障害が残らなければ得られたであろう収入です。
後遺障害等級に応じて,労働能力喪失率が定められており,基礎収入に労働能力喪失率,労働能力喪失期間(原則67歳まで)をかけて計算します。(なお,労働能力喪失期間は,将来得られる見込みであった収入を,一時金としてあらかじめ受け取ることになるため,中間利息の控除を行う必要があり,厳密には労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数をかけることになります。)
むち打ち症などで後遺障害14級10号が認定された場合,裁判基準では労働能力喪失期間を5年に制限することが一般的ですが,保険会社は2年に制限して提案してくることが多いです。
同様にむち打ち症で12級13号が認定された場合,裁判基準では10年,保険会社は5年で提案することが多いです。

このように,後遺障害慰謝料や逸失利益について,保険会社が提示する金額は裁判基準よりも低いため,弁護士に依頼することで,適正な慰謝料,逸失利益を得られることにつながります。

弁護士の上手な選び方

ホームページなどで交通事故取り扱い実績をPRしている弁護士は多数います。
そのような弁護士であれば,交通事故案件に注力し取り組んでいる可能性が高く,後遺障害についての知識も豊富と言えます。

しかし,複数の弁護士が所属する事務所であれば,経験や実績に乏しい弁護士が担当することも考えられます。
ネットの情報だけではなく,実際に相談したうえで,後遺障害について,色々質問したうえで依頼することが大切です。
フィーリングが合わなかったり,説明内容が分かりにくい,話をあまり聞いてくれないなどの場合も考えられますので,複数の弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士費用について

弁護士費用としては,相談のみの場合の法律相談料,事件を依頼する際の着手金,事件が解決したときの成功報酬に分かれます。
弁護士費用の具体的金額は,各弁護士が規定を定めており,弁護士によって異なります。

平成16年4月1日に,日本弁護士連合会の報酬規程(以下「旧規定」と言います。)が廃止されましたが,その後も旧規定と同様の基準を設けている弁護士が多いようです。
旧規定によれば,法律相談は30分ごとに5000円から2万5000円の範囲内,着手金は,請求金額が300万円以下の場合にはその8%,300万円を超え,3000万円以下の場合にはその5%+9万万円,3000万円を超え3億円以下の場合はその3%+69万円となります。
報酬については,損害賠償を受けられる金額が300万円以下の場合にはその16%,300万円を超え,3000万円以下の場合にはその10%+18万円,3000万円を超え3億円以下の場合にはその6%+69万円となります。

もっとも,交通事故案件については,別基準を設けている弁護士も多数います。
現在では,法律相談,着手金を無料とし,成功報酬のみとしている事務所もあります。
相場としては,着手金0円,成功報酬10%+10万円~20万円と宣伝している事務所が多いようです。
着手金無料とまでいかなくとも,10万円から20万円の着手金で,成功報酬10%としている弁護士も多いです。
着手金を報酬時に清算するのかどうかといった違い程度で,実際は着手金の有無にかかわらず,弁護士費用の総額についてはそれ程変わりはありません。

弁護士費用特約に加入していれば,弁護士費用は保険会社が負担するので,原則として負担はありません。
ただし,弁護士用特約は,弁護士費用の上限を300万円としていることが多く,それを超える弁護士費用が発生する場合には自己負担する必要があります。
ちなみに,弁護士費用特約を利用した場合の弁護士報酬基準は旧規定で計算することが一般的です。

弁護士相談に適したタイミングと理由

弁護士に依頼するタイミングとしては,事故直後,治療期間の途中から,治療終了後,などが考えられます。
事故が起こってすぐに弁護士に依頼することはまれで,治療期間中に保険会社から治療の打ち切りを求められたり,治療終了後に保険会社から示談の提案が出されたときに弁護士に相談するケースが多いようです。
しかし,弁護士に依頼するのであれば,できるだけ早い段階で相談しておくことをお勧めします。

むち打ち症など,レントゲン,MRI,CTなどの画像から症状の裏付けを得られないような場合には,通院頻度や,事故による受傷部位と症状との間に矛盾はないか,症状が事故直後から一貫しているかなどにより,後遺障害と認定されるか否かが決まることがあります。
症状の一貫性は,カルテの記載から確認することになりますので,通院のたびに,症状を一貫して余すところなく医師に伝え,カルテに記載してもらう必要があります。
後遺障害診断書の内容についても,必要であれば弁護士が医師と協議し修正等を依頼することで,適切な後遺障害認定につながります。
このように,適正な後遺障害の認定を得るためには,治療期間中から法的なアドバイスを得ておくことも必要です。

遅くとも,後遺障害の認定がおり,保険会社から示談金の提示があったときは,必ず弁護士に相談することをお勧めします。
保険会社の提示は,裁判基準よりも低額であり,後遺障害が認定されているケースでは,弁護士に依頼することで100万円以上増額されることもよくあります。
後遺障害の等級によっては1000万円以上増額となるケースも存在しています。

弁護士に依頼をしなくとも,できるだけ早めに相談だけでもしておくことを強くお勧めします。

弁護士による示談の進め方

後遺障害が残った場合,その等級に応じて,後遺障害慰謝料及び逸失利益を裁判基準に基づいて計算します。
その計算金額を加害者側に請求していくことになります。
一般的には,損害計算書を作成し,加害者側に提示します。
これに対して,加害者側は通常,色々な理由をつけて,減額を求めてきます。
このように交渉を繰り返し,最終的に依頼者の了解を得て,示談を締結することになります。
裁判ではなく,示談で解決するメリットとしては,早期解決という点が挙げられます。
デメリットとしては,ある程度被害者側も譲歩しなければ示談締結に至らないことが多いという点があります。

弁護士としては,裁判となった場合に得られる金額の見通しや,解決までの期間などを依頼者に説明し,示談により解決するか,裁判を起こすかを,依頼者と共に検討することになります。

後遺障害の慰謝料相場

日弁連交通事故相談センターが発行している「民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準」(通称「赤い本」)は裁判基準であり,後遺障害慰謝料の相場は以下のようになります。
1級2800万円(自賠責保険では1100万円,以下同じ),2級2370万円(958万円),3級1990万円(829万円),4級1670万円(712万円),5級1400万円(599万円」,6級1180万円(498万円),7級1000万円(409万円),8級830万円(324万円),9級690万円(245万円),10級550万円(187万円),11級420万円(135万円),12級290万円(93万円),13級180万円(57万円),14級110万円(32万円)
任意保険会社の提案は,弁護士が介入していなければ,赤い本の基準の5割から7割程度となることが多いでしょう。
後遺障害慰謝料については弁護士に依頼することで大幅な増額が可能です。

なお,裁判基準はあくまでも,相場であり,加害者の悪質性,被害者の不利益の程度などによっては増額される余地はあります。

後遺障害の症状とは?

後遺障害とは交通事故による受傷により治療を継続しても,その症状が将来においても回復の見込めない状態をいいます。
自賠責上の後遺障害の内容は自賠法により規定されており,1級から14級まで,同じ等級の中でも細かい後遺障害の内容が定められており,合計138種類に及びます。
具体的な内容は,「後遺障害等級表」のキーワードでネット検索することで,情報を得ることができます。

後遺障害の主な症状としては,欠損障害(指の切断など),機能障害(関節の可動域が狭くなる),神経症状(慢性化した痛み,しびれなど),醜状痕(顔や脚,腕などに一定の大きさのアザ,キズなどが残った場合)等があります。
これらの各症状の部位や症状の程度によって,等級が変わってきます。

欠損障害や醜状痕については客観的に明らかなので,後遺障害の認定に問題が生じることはあまりありません。
機能障害については,脱臼や骨折が原因で,関節の可動域制限の原因が多覚的に明らかであれば,問題なく認定されます。
しかし,画像所見などで原因が明らかでない場合には,可動域制限が生じていたとしても,自賠責では後遺障害と認定されません。
もっとも,痛みが原因で可動域に制限が生じている場合などは,「局部に頑固な神経症状を残すもの」(12級13号),「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)と認定されることはあります。

むち打ち症や腰椎捻挫などは,レントゲン,MRI,CTな画像などの客観的所見で,症状の原因が特定できないことが多いですが,痛みが慢性化し症状が改善しないような場合には,14級9号に認定される可能性があります。
外傷性のヘルニアなど症状を裏付ける客観的所見がある場合には,「局部に頑固な神経症状を残すもの」として12級13号に認定される可能性があります。

後遺障害等級認定の流れ

これ以上治療を継続しても症状の改善が見込めない状態を「症状固定」といいます。
症状固定に至れば,医師に後遺障害診断書を作成してもらい,後遺障害の認定手続に入ることになります。
後遺障害の認定手続には,加害者側保険会社に後遺障害認定手続を任せる方法(事前認定といいます。),被害者自ら手続を行う方法(被害者請求)といいます。)の2つの方法があります。
後遺障害は自賠責保険会社を通じて必要書類を損害保険料率算出機構の調査事務所に送付し,調査事務所が認定することになります。

被害者請求を行うためには,レントゲン画像を病院から取り寄せたり,診療報酬明細書や交通事故証明書も取り寄せたりする必要があります。
事前認定であれば,保険会社が必要書類の取り付けを行うので,被害者としては負担が少ないといえます。

事前認定と被害者請求で同じ書類が提出されているのであれば,その認定結果が異なることはありません。
しかし,事前認定は加害者側保険会社が行いますので,提出書類の内容を確認することができません。
後遺障害の内容が画像所見などから明らかであり,後遺障害の認定が間違いないようなケースであれば,事前認定でもよいかもしれません。
そうではない場合,カルテや医師の意見書なども用意して,被害者請求を行うことが後遺障害の認定に繋がります。

また,事前認定では,後遺障害の等級が認定された後,示談交渉に入りますが,示談がまとまるまで,自賠責保険金に相当する金額を受け取ることができません。
被害者請求をすれば,示談前でも,自賠責保険金を受け取ることができます。

弁護士に依頼するのであれば,事前認定ではなく,被害者請求をしてもらうことが,適正な後遺障害の認定や早期の自賠保険の受取につながります。

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