2017.6.23 更新

交通事故に遭ったとき、人身事故なのに物損事故で届け出るのは損

「物損事故で届けたけど体が痛くなってしまった・・・」
「物損事故から人身事故に変更することは可能?」

事故に遭ったとき、自分では大したケガをしていないと思い、「物損事故」として届け出たけれど、しばらくして身体が痛くなることも……。
そのようなとき、後からでも「人身事故」に変更することはできるのでしょうか。また、変更をすべきなのでしょうか。
そこで今回は、物損事故から人身事故への切り替える方法や両者の違いなどを説明します。


目次

事故に遭ったとき、自分では大したケガをしていないと思い、「物損事故」として届け出たけれど、しばらくして身体が痛くなることも……。
そのようなとき、後からでも「人身事故」に変更することはできるのでしょうか。また、変更をすべきなのでしょうか。
そこで今回は、物損事故から人身事故への切り替える方法や両者の違いなどを説明します。

物損事故と人身事故の違い

人身事故に遭った後の、大まかな手続きの流れ

まず、交通事故に遭ってしまったとき、どのような手続きの流れになるのかを説明しましょう。

人身事故後の手続きの流れと注意すべきポイント

交通事故に遭ってから示談成立に至るまでの流れ

交通事故後の段階として、以下の3段階があります。

①人身事故直後
②人身事故直後から示談交渉が始まるまで
③示談交渉開始後、示談が成立するまで

そこで、以下ではそれぞれの段階に分けて説明をします。

①「人身事故に遭った直後」の対応について
事故直後に、必ず警察を呼びましょう。そのとき、加害者がいるのなら一緒に残ってもらうように。その際に氏名や住所、連絡先、車のナンバー、加入している保険会社などを確認しておきましょう。

警察が来たら、事情聴取や実況見分に協力します。このとき、感情的にならず、冷静に対応するように心がけることが大事です。

また、示談交渉の際に役に立つので、スマートフォンなどで現場の証拠写真を撮っておきましょう。

なお、念のために、加害者の氏名や住所などをもう一度確認しておくとよいでしょう。

実況見分が終わったら帰宅させてもらえるものの、必ずその日か次の日には病院に行きましょう。そのときには何も感じなくても、後になって痛みやしびれを感じることもあるからです。

また、自分の加入している保険会社に連絡を入れましょう。

②「人身事故の直後から示談交渉が始まるまで」の対応について
この期間は、病院への入通院による治療が主となります。

事故によってむちうちなどの症状を起こした場合、整骨院ではなく、整形外科で受診をしてもらう必要があります。

整骨院は病院ではないので、医師に診察や検査をしてもらうことができません。しかも将来、後遺障害の等級認定の請求をするときに、不利になってしまうおそれが高いです。

また、病院に通う場合には、治療を途中でやめてはいけません。通院治療は症状固定するまで継続しなければならず、最後まで通院をしないと、請求できる慰謝料などの賠償金が低くなってしまいます。

症状固定または完治するまで病院に通院し、治療を終了したら、いよいよ相手側との示談交渉を開始します。

③「示談交渉の開始後、示談が成立するまで」の対応について
示談交渉が始まったら、相手の保険会社と話し合って賠償金の計算をし、支払う金額を決めることになります。

そして、賠償金の額にお互いが納得できたら、示談書を作成します。示談書を作成したら、その内容に従って、相手の保険会社から賠償金の支払いを受けることができます。

交通事故の損害賠償についての示談書では、「これ以外に一切の請求はしません」と書かれていることが多いです。

このように示談が成立した場合、基本的には、その示談で決めた金額以上の請求はできません。そのため、示談書の制作の際には慎重になることが必要です。

  • 人身事故に遭ったら、すぐに警察を呼ぶこと
  • 実況見分が終わったら、必ずその日か次の日には病院に行くこと
  • 事故に遭って病院に通う場合には、治療を途中でやめないこと
被害者が弁護士に相談するおすすめのタイミング
  • 事故後、記憶が鮮明なうち
  • 怪我の治療中または治療が完了したとき
  • 後遺障害等級認定の申請をするとき
  • 後遺障害等級の認定が下りたとき
  • 加害者と調停や裁判に発展したとき
  • 大事故・死亡事故の場合

物損事故から人身事故への切り替えは、条件を満たせば簡単にできる

ここでは、人身事故への切り替えをすべき理由や切り替える方法について説明をします。本来なら人身事故となるのに、体に痛みがないからといって物損事故として届けると、いろいろと不利益がありますよ。

物損事故から人身事故への切り替え

人身事故として届け出ないと、被害者は少ない賠償金しか得ることができない

交通事故に遭うと、事故直後には何も感じなくても、しばらくしてから痛みが発生することがあります。このような場合、直後に痛みがなかったため、物損事故として届け出てしまう人が多いです。

それでは、本来なら人身事故であるにもかかわらず、物損事故として届け出てしまったら、どのような不利益があるのでしょうか。

この場合、請求できる賠償金の金額が非常に低くなります。まず、人身事故でないと病院の治療費が支払われません。そのため、かかった治療費は自腹になります。

また、人身事故でないと慰謝料が発生しないので、相手に請求することができません。さらに、後遺障害の等級認定を受けて、それに基づく後遺障害慰謝料や逸失利益の請求をすることなども困難になります。

このように、人身事故を物損事故として届け出ると多大な不利益があるので、絶対に避けなければなりません。

物損事故から人身事故に切り替えるために、すぐ行動しよう

もし事故直後には痛みがなく、物損事故として届け出てしまった場合であっても、一定の期間内であれば、人身事故に切り替えてもらうことができます。

そのためには、まずは病院に行って、医師に診断書を書いてもらわないといけません。このときのケガは交通事故の内容と一致していて、事故によって発生したという因果関係が認められる必要があります。

基本的には病院で診察を受けて、医師に診断書を書いてもらい、管轄している警察署に届け出るという流れになります。

また、前述のように、一定の期間内であれば切り替えが可能です。物損事故から人身事故への切り替えが認められるためには、事故からあまり日にちが経っていないことが必要です。できれば1週間以内、長くても10日以内には警察署に届け出るべきです。

人身事故への切り替えができなくても、手段はある

いったん物損事故として届け出てしまった場合、後から人身事故に切り替えようとしてもうまくいかないことがあります。

例えば、前述のように事故から時間が経ってしまうと、病院で思うような診断書を書いてくれなかったり、警察で切り替えを受け付けてくれなかったりすることがあります。

このような場合には、相手の保険会社に対して人身事故証明入手不能理由書という書類を作成し、提出すべきです。これにより、民事的な損害賠償については人身事故扱いにしてもらうことができます。

なお、人身事故証明入手不能書の書式については、保険会社から取り寄せることが可能です。

人身事故への切り替えの手続きが自分ではうまく進められない、あるいは方法がわからないという人は、弁護士に相談することをオススメします。

物損事故では、慰謝料の請求は認められない

物損事故と人身事故では、慰謝料額や過失割合に違いがあるのでしょうか。

そもそも、慰謝料は人身事故にしか認められません。物損事故では慰謝料の請求はできないのです。どんなに高級で思い入れのある車でも、家族のようなペットが亡くなった場合でも、物損事故であれば慰謝料の請求はできません。

しかし、人身事故の場合には数百万円~数千万円の慰謝料が支払われることもあります。

なお、過失割合については、物損事故と人身事故での違いはありません。

  • 物損事故として届け出ると、請求できる賠償金の金額が非常に低くなる
  • 人身事故でなければ、慰謝料を請求することはできない
  • 物損事故から人身事故に切り替えるには、医師に診断書を書いてもらう必要がある
  • 物損事故から人身事故に切り替えるには、1週間以内、長くても10日以内くらいには警察署に届け出る

人身事故に遭った際に適応される保険の種類と補償内容

ここでは、人身事故に遭った場合に利用できる保険と、受け取れる賠償金(保険金)について説明します。また、加害者側の保険会社のよくある対応にも触れているので、チェックしておきましょう。

人身事故に遭った場合に利用できる保険の種類(自賠責保険・任意保険)

人身事故に遭った場合には、相手の自賠責保険と任意保険から保険金の支払いを受けることができます。

自賠責保険とは、交通事故の被害者を救済するための最低限度の補償をするための保険です。そのため、自賠責保険から支払われる保険金の金額はかなり低いです。

つまり、相手が任意保険に加入していない場合でも、最低限、自賠責保険からの支払いを受けることはできるわけです。

相手が任意保険に加入している場合には、相手の任意保険からも支払いを受けることができます。そしてこのときには、「任意保険基準」によって賠償金が計算されます。

ただし、弁護士に対応を依頼した場合に適用される「弁護士基準」よりも、請求できる金額はかなり低くなります。

また、交通事故に遭ったときには、自分が加入している任意保険からも支払いを受けられることが多いです。この場合、相手から支払いを受ける賠償金とは異なります。

自分の保険に「人身傷害補償保険(人身傷害補償特約)」がついている場合には、そちらからも支払いを受けることができます。

交通事故の被害者が受け取れる賠償金(保険金)は、慰謝料とは違う

交通事故に遭うと、被害者は相手の保険会社から賠償金(保険金)を受け取ります。この賠償金には、治療費や休業損害、慰謝料などのすべての損害費目が含まれます。

つまり、慰謝料は賠償金の一部だということになります。

示談によって相手から賠償金の支払いを受けるとき、その賠償金のことを「示談金」と言います。そこで、相手の保険会社と示談交渉をして賠償金を支払ってもらうというのは、示談金を受け取ることを意味します。この示談金には、慰謝料や治療費も含まれます。

また、損害には「積極損害」「消極損害」があります。

積極損害とは、治療費や交通費など、実際に発生した損害のことです。これに対して消極損害とは、慰謝料や逸失利益など、実際に支払いが必要になったもの以外の損害のことです。そして、これらをまとめたものが(損害)賠償金です。

積極損害と消極損害の違い

積極損害 治療費や交通費など、実際に発生した損害
消極損害 経慰謝料や逸失利益など、実際に支払いが必要になったもの以外の損害

保険金というのは、相手の保険会社から示談金や賠償金の支払いを受ける場合に使う言葉です。特に、自賠責保険から支払いを受ける場合には、賠償金とは言わず、保険金と言うことが多いです。

保険金の請求方法は、加害者の加入している保険によって変わる

交通事故に遭ったとき、相手が「自賠責保険にしか加入していないケース」と「任意保険にも加入しているケース」があります。

自賠責保険にしか加入していない場合には、その限度内でしか支払いを受けることができません。

例えば傷害の場合、自賠責保険の限度額は「120万円」なので、治療費や慰謝料などで120万円を超えたときには、すべて自腹になってしまいます。それを超える部分については、相手側(加害者)に請求しなければなりません。

これに対し、相手が任意保険に入っている場合には、基本的にすべての損害について、賠償金の支払いを受けることができます。任意保険の限度額は、通常2億円や無制限などになっているので、あまり限度額を気にする必要がありません。

ただし、保険会社と示談交渉をする場合に採用される任意保険基準という基準には注意が必要です。これは、自賠責保険基準よりは金額は高いものの、弁護士や裁判所が介入した場合の弁護士基準よりは低くなります。

そのため、保険会社の言うように示談を成立させると、本来よりも請求できる賠償金が低くなってしまう点には注意が必要です。

保険会社の言いなりになると危険。よくある保険会社の対応

交通事故に遭い、相手の保険会社と示談交渉をするとき、相手の保険会社の言いなりになるのは危険です。ここで言う相手の保険会社とは、被害者ではなく、加害者側の保険会社のことです。

保険会社は営利目的の企業なので、できるだけ支払いを減らしたいと考えています。そこで、被害者に支払う賠償金の金額を下げようとしてくることが多いのです。

このとき、相手の保険会社は低額な任意保険基準によって慰謝料を計算するので、被害者に支払われる金額が少なくなります。また、被害者に不当に大きな過失割合を割り当ててくるので、過失相殺によっても示談金の金額が減らされます。

そのため、相手側の保険会社と交渉するときには、適切な慰謝料の計算が行われているか、適切な過失割合の認定になっているかなどに注意する必要があります。

さらに、自分の保険会社に対しても過信すべきではありません。自分の保険会社は被害者側の保険会社なので、もちろん相手(加害者)の味方ではありません。

しかし、被害者の利益を全面的に押し出してくれるというよりも、むしろ仲介してくれる程度というイメージです。

被害者を全面的に守ってくれるのは、保険会社ではなく、弁護士なのです。

  • 任意保険基準は、弁護士に対応を依頼した場合に適用される弁護士基準よりも請求できる金額は低い
  • 相手側の保険会社と交渉する場合、適切な慰謝料の計算が行われているか、適切な過失割合の認定になっているかなどに注意する

人身事故で保険会社に提示された慰謝料額が低くても、増額することは可能

人身事故に遭って相手の保険会社と示談交渉をし、相手から示談金の提示を受けられるものの、この提示された金額は適正なものとは限りません。しかし、その場合でも、慰謝料を増額することは可能です。

慰謝料は、保険会社の基準で低く見積もられていることが多い

前述のように、交通事故の慰謝料の計算基準には、「自賠責保険基準(自賠責基準)」と「任意保険基準」、「弁護士基準(裁判所基準)」の3つがあります。これらのなかで自賠責保険基準が最も低額で、弁護士基準が最も高額になります。

慰謝料の金額が高くなる順

1.弁護士基準(裁判所基準)
2.任意保険基準
3.自賠責保険基準(自賠責基準)

例えば後遺障害14級の後遺障害慰謝料の場合、自賠責保険基準なら32万円、任意保険基準なら40万円、弁護士基準なら110万円ほどにもなります。

相手の保険会社が慰謝料の計算をするときには、任意保険基準で計算をするため、本来請求できる金額よりも大幅に低くなることが多いのです。

そのため、相手が示談金の提示をしてきたときには、低い金額で見積もられていると考えるべきです。

そして慰謝料を増額するためには、弁護士に依頼をした場合に用いられる弁護士基準で請求をする必要があります。

慰謝料の算定方法はどのようになっている?

それでは、3つの基準で入通院慰謝料を計算すると、具体的にどのくらいの金額になるのかを見てみましょう。

自賠責保険基準の場合には、「4,200円×対象となる入通院の日数」です。

入通院の日数については、「治療期間(事故から完治、症状固定までの全日数)」と「実通院日数(入院した日数と実際に通院した日数を足したもの)×2」を比べて、少ないほうの金額が採用されます。

自賠責保険基準の入通院慰謝料=1日あたり「4,200円×入通院期間(※1)」
※1:入通院期間=「総入通院期間」と「実際に入通院をした日数×2(※2)」の少ないほう
※2:実際に入通院をした日数=入院日数と病院に足を運んでの治療日数(実際の通院日数)の合計

例えば、治療期間が3ヶ月(90日)、実際に通院した日数が30日のケースでは、「実通院日数×2=60日」のほうが90日よりも少なくなるので、こちらの日数が採用されます。この場合、入通院慰謝料の金額は「4,200円×60日=25万2,000円」となります。

任意保険基準の場合には、だいたいの相場があります。例えば、通院3ヶ月であれば、37万8,000円ほどになります。

弁護士基準の場合には、軽傷の場合と通常のケガの場合とで異なる基準が適用されます。通院3ヶ月で軽傷の場合には53万円、通常のケガの場合には73万円となります。

慰謝料の支払いの仕組みや方法、タイミングは?

交通事故の慰謝料の支払い方法や、支払われるタイミングについてはどうなのでしょうか。

まず、慰謝料の支払いは、相手の保険会社との示談成立により、相手の保険会社からの振込送金の方法で行われます。支払いのタイミングは、示談の成立によって示談書を作成してからまもなくであり、だいたい1週間くらいです。

交通事故後、相手と交渉をして示談が成立したら、相手の保険会社が示談書を送ってきます。そこには署名押印をする欄と、口座番号を書き込む欄があります。

そこで、それに署名押印と必要な記載をして相手に返送をすると、しばらく経ってから、相手から示談書に記載されている金額が入金されます。

人身事故で後遺障害が残った場合は、傷害の損害とは別に慰謝料を請求できる

人身事故に遭うと、後遺障害が残るケースが多いです。このような場合にも、慰謝料を増額することが可能です。

後遺障害とは、事故によってケガをしたとき、治療を継続しても完治せず、何らかの症状が残ってしまった場合の障害です。後遺障害が残ると、その程度や内容に応じて相手に賠償金の請求ができます。

後遺障害には1級から14級までの等級があり、それによって後遺障害慰謝料と逸失利益を計算することになります。その金額に従って、相手に後遺障害慰謝料や逸失利益の請求をすることが可能です。

後遺障害の症状には、以下のようにさまざまなものがあります。

・むちうちで神経症状が残るケース
・骨折で変形が残るケース
・腕や脚が欠損するケース
・機能が失われるケース
・視力や聴力が落ちるケース
・歯がなくなるケース
・PTSD(※)などの精神症状が残るケース
※心的外傷後ストレス障害

重度な後遺障害になると、植物状態になってしまうケースや高次脳機能障害が残るケース、脊髄損傷で身体が麻痺してしまうケースなどもあります。

後遺障害が残った場合には、示談の前に後遺障害の認定を受けて、その等級に基づいて後遺障害慰謝料や逸失利益を計算し、相手に請求をしなければなりません。

しかし、示談までに後遺障害が確定しなかったケースでは、示談後に別途、後遺障害についての慰謝料や逸失利益の支払いを受けられることもあります。

  • 相手が示談金の提示をしてきたときには、(任意保険基準による)低い金額で見積もられていると考えるべき
  • 慰謝料を増額するには、弁護士基準で請求をすべき
  • 人身事故で後遺障害が残った場合、傷害の損害とは別に慰謝料の請求が可能

人身事故が起こった際の被害者と加害者は、どのような処分を受ける?

加害者にとっては、人身事故よりも物損事故のほうが処分は軽くなります。そのため、加害者は物損事故扱いにしたがります。また、人身事故では加害者が処分を受けるのはもちろん、被害者が処分を受ける場合がある点にも注意が必要です。

人身事故の被害者も、罰金や点数加算の処分を受けることがある

運転者が交通事故の被害者であっても、自分に過失があれば、相手にその分の賠償金を支払う必要があります。また、相手もケガをしたときには免許証の点数が加算がされ、道路交通法違反があれば罰金を支払うことや、点数がさらに加算されることになります。

加害者には物損事故のほうが有利

交通事故の加害者は、事故を物損事故扱いにしたがることが多いです。それは、物損事故になったほうが加害者に有利だからです。

まず、物損事故の場合には、相手の免許証の加点が基本的にありません。

また、物損事故の場合には刑事事件になることもありません。交通事故で刑事事件になるのは、相手にケガをさせて過失運転過失致死傷罪や危険運転致死傷罪に当たる場合だからです。

物損事故の場合には裁判になったり、加害者側に懲役や禁固、罰金刑を科されたりするおそれもなくなります。

さらに、物損事故になると相手が支払う賠償金の金額も非常に少なくなります。これは、物損事故になると支払われる賠償金の金額が少なくなることを意味するので、被害者にとっては不利です。

ほかにも、物損事故であれば示談交渉などもすぐに終わるので、加害者の負担が小さくなります。

以上のように、物損事故にすると加害者は非常に得をします。そのため、加害者は交通事故の現場で「物損にしておこう」などと言ってくることもあります。

しかし、このような誘いに乗ってはいけません。交通事故で身体に衝撃があったら、その場では痛みやしびれなどの症状がなくても、必ず人身事故として届け出るようにしましょう。

物損事故より、人身事故のほうが行政処分は重い

物損事故と人身事故では、どのように処分内容が違うのでしょうか。

まず、行政処分が違います。物損事故では免許証の加点がないのに対し、人身事故の場合には安全運転義務違反で基本的に2点が加算されます。

また、事故の結果によっては大きな点数の加算があります。例えば、死亡事故の場合なら13点か20点、重傷の事故であれば6点か13点、軽傷のときには2点から6点などの加点があります。

さらに、刑事処分も異なります。物損事故の場合には、刑事処分はありません。

しかし、人身事故の場合には、通常の交通事故であれば過失運転致死傷罪となって7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科せられます。

そして、非常に危険な運転の場合には危険運転致死傷罪となり、傷害の場合に15年以下の懲役、死亡の場合には1年以上の有期懲役となります。

ほかに、民事上の賠償責任も違います。

物損の場合には、損傷した自動車の修理費用や買い換え費用などを支払えば済むのに対して、人身事故の場合には入通院慰謝料や治療費、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益などの支払いが必要になるので、賠償金の負担が非常に重くなります。

人身事故でも物損事故でも、過失割合は基本的に変わらない

物損事故でも人身事故でも、基本的に事故の過失割合は変わりません。なぜなら、物損事故か人身事故かは、被害者がケガをしたか(死亡したか)どうかの違いであり、交通事故の態様自体が変わるものではないからです。

過失割合は事故の態様によって変わるものなので、その事故の態様が変わらない限り、物損事故が人身事故に切り替わったとしても過失割合自体は変化しません。

なお、切り替えと同時に事故態様の認定が変わるようなことがあれば、その変更内容に応じて過失割合が変わる可能性はあります。

  • 加害者にとっては、物損事故として扱われるほうが有利
  • 人身事故は行政処分が重い、刑事処分がある、民事上の賠償責任が重いという点で物損事故とは異なる
  • 物損事故でも人身事故でも、基本的に事故の過失割合は変わらない
被害者が弁護士に相談するおすすめのタイミング
  • 事故後、記憶が鮮明なうち
  • 怪我の治療中または治療が完了したとき
  • 後遺障害等級認定の申請をするとき
  • 後遺障害等級の認定が下りたとき
  • 加害者と調停や裁判に発展したとき
  • 大事故・死亡事故の場合

被害者こそ弁護士に相談すべき!保険会社との対応を任せて精神的にも安心

ここまで本記事を読んだ人は、交通事故に遭ったら、体に痛みがなくても人身事故として届けること、適切な慰謝料を受けるために弁護士基準で請求することが理解できたかと思います。
そして、弁護士基準で請求するために、弁護士に依頼をしましょう。

示談交渉はすべて弁護士にお任せ。弁護士に相談するメリットとは?

交通事故の被害者になったら、弁護士に示談交渉を依頼すべきです。それは、以下の理由からです。

・慰謝料などの賠償金額が上がる
・過失割合の適正な認定により、請求できる賠償金額が上がる
・後遺障害の等級認定を確実に受けられる
・後遺障害の等級変更を受けやすくなる
・事故後の通院方法などがわかりやすくなる
・示談交渉の流れや期間などがわかるので安心できる
・示談によって受けられる賠償金の予測が立つ
・相手側の保険会社とのやり取りがなく、ストレスを軽減できる
・弁護士が味方という安心感がある
・法律的な問題で思わぬ不利益を受けなくなる
・判断に迷ったときにいつでも相談できる

弁護士への依頼にかかる費用や相談方法

以上のように、交通事故の被害者は弁護士に依頼をするとたくさんの大きなメリットを得られます。しかし、弁護士に頼むとなると、費用がかかってしまうイメージを持つ人も多いようです。

ところが、最近では多くの弁護士事務所で、相談だけなら無料でできるサービスを実施しています。そのようなサービスを利用すれば、相談料を負担することなく、弁護士のアドバイスを受けられるのです。

そこで、複数の事務所の無料相談サービスを利用してみるのもいいでしょう。こうした無料相談サービスを何度でも利用できる事務所も多くあります。

さらには、着手金や報酬金などを負担しなくてもいい場合があります。それは、任意保険の弁護士特約(弁護士費用特約)を利用する場合です。

弁護士特約(弁護士費用特約)とは、自分が加入している任意保険(自動車保険)につけることができる特約で、これを利用すれば、交通事故によって弁護士にかかった費用をすべて保険会社が負担してくれます。

法律相談料なら1つの事件について10万円程度、着手金や報酬金などの費用なら1つの事件について300万円までの限度額が設定されていることが多いです。つまり、300万円までなら弁護士費用を保険会社が負担してくれるということです。

300万円以上の弁護士費用が発生するというのは、かなり大きな事故に限られると言えるでしょう。弁護士特約を利用すれば、そのようなケースでも費用の心配をせず、弁護士に示談交渉を依頼できます。

交通事故に遭ったときに、費用の心配をすることなく弁護士に依頼できるように、弁護士特約をつけておくといいでしょう。

弁護士に相談したら賠償額が増額した!実際にあった体験談

相手の信号無視で被害者と車が衝突。保険会社から「8:2」の過失割合を提示されたものの、納得できず、弁護士に相談しました。

交通事故専門の弁護士に内容をしっかり聞いてもらったところ、「この案件で、相手方が信号無視をしているのだから、『1:9』以上は曲げられない」と言ってくれました。

目撃情報もあったため、最終的には相手側に高い割合で過失が認められ、賠償金の額を増やすことができました。

  • 交通事故の被害者になったとき、示談交渉は弁護士に依頼をすべき
  • 示談交渉を弁護士に依頼すると、慰謝料などの賠償金額が上がる、後遺障害の等級認定を確実に受けられるなど、多くのメリットがある
  • 弁護士事務所の無料相談サービスや弁護士特約を活用すれば、費用を抑えられる

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