2017.10.11 更新

子供が交通事故にあって死亡…被害者遺族の方はどうすればいい?

子供が重症被害の慰謝料相場

交通事故によってお子様が重傷を負ってしまったような場合、お子様についての入院慰謝料、及び、通院慰謝料を加害者に対して請求することができることになります。

これらの金額については残念ながら、被害者が子供だからという理由で増額されることはありません。そのため、入院・通院慰謝料については、大人の計算の場合と同じように、弁護士に依頼して交渉する場合には赤い本に掲載されている表、一般的に弁護士基準と呼ばれている表が慰謝料の相場、ということになります。

もっとも、後述するような後遺障害がお子様に遺ってしまったような場合については、別途後遺障害慰謝料の請求が認められることになりますし、お子様に付添いが必要と認められる場合については、付添看護費といったものも認められることになります。適切な判断を医師にしてもらうことが非常に重要といえます。

重症被害の子供に起こりうる後遺症

交通事故でお子様が重傷(一見、重症ではなくても結果的に後遺障害が発生してしまう可能性があることには注意が必要です。)を負った場合、後になって後遺症が現れる場合があります。身体的なものについては、むち打ちなどが事後的に生じる者として挙げることができるでしょう。また、神経疾患もどのタイミングで発生するか不透明な部分があります。いずれにしても、医師の適切な診断を仰ぎ、当該交通事故との因果関係を明らかにしておくことが重要です。

また、最も交通事故の結果発生しやすい後遺症は精神疾患です。PTSD等が典型例といえますが、そもそもお子様が車に乗れなくなったり、当該交通事故の記憶がフラッシュバックしてしまう、といった症状が考えられます。

いずれにしても、発生してしまった身体的・精神的な症状について、医師にしっかりとした診断書を作成してもらうことが必要です。また、当該症状(後遺症)と当該交通事故の因果関係も明らかにしなければなりません。

特に事後的に時間をおいて発生してしまったような場合や、交通事故直後には気づけなかったような場合については、立証が難しくなってしまうような場合もあります。症状は医師に、請求する際には、専門家である弁護士の意見を聞く必要があるでしょう。

子供の後遺障害慰謝料について

交通事故が発生し、不幸にもお子様が被害者となってしまい、そのお子様に後遺障害が遺ってしまったような場合、遺ることになってしまった後遺障害の等級に応じて後遺障害慰謝料を加害者に対して請求することができることになります。

この際、被害者として気になるのは、お子様に後遺障害が遺るのは、大人の場合と違って(というのもおかしな話ではありますが)、残りの人生も長く、後遺障害に苦しめられる期間も長いのだから、慰謝料の金額が大人の場合と異なるのではないか、ということではないでしょうか。

もっとも、お子様が被害者の場合にも慰謝料の金額は基本的には大人が交通事故に遭い、後遺障害が遺ってしまったような場合と変わりはありません。つまり、その金額の相場は「赤い本」に掲載されている後遺障害慰謝料の金額になるということになります。

これは、お子様に後遺障害が遺ってしまったような場合について、その期間に比例した金額は逸失利益として計算すればいい、という考えに基づいています。いくら交通事故の被害者であり、かわいそうな立場であったとしても、利益の二重取りは認められない、ということになるのです。

子供が重症ならば家族にも慰謝料?

交通事故によって、子供が被害者となってしまった場合、家族(両親や兄弟姉妹)からの慰謝料請求が認められるでしょうか。
この点については、まず、その子供が亡くなっているかどうかがポイントになります。子供が亡くなっている場合については、その子供の慰謝料請求権を両親・兄弟姉妹といった相続人が相続することができるので、当該慰謝料請求権を亡くなった子供に代わって相続人が請求することができることになります。これとは別に遺族の固有の慰謝料請求を行うことも可能です。

これに対して、子供が重傷を負うにとどまった場合には、原則として、両親や兄弟姉妹が固有の慰謝料請求権を持つことはありません。直接の被害者でない以上、慰謝の対象ではない、というのがその理由です。

もっとも、子供が重度の後遺症を患ってしまったような場合には、両親に慰謝料請求権が認められる場合があります。特に脳に障害を負ってしまったような場合については、遺族固有の死亡慰謝料に近い金額が認められるような場合もあります。また、兄弟姉妹であっても、例えば交通事故現場を目撃してしまったような場合については、固有の慰謝料が認められる場合があります。

繰り返しになりますが、原則としてはご家族の慰謝料は子供が存命している限りは認められないことになります。もっともケースによってはご家族固有の慰謝料が認められるような場合もありますので、まずは専門家である弁護士に相談するのが良いのではないでしょうか。

後遺障害慰謝料に子供の未来は考慮されるか? 

交通事故の関連してよくあるご質問の一つが、「子供に後遺障害が遺ってしまった場合、その子供の未来についても慰謝料で考慮してもらえるのか。」というものです。

このご質問に端的にお答えしようとすれば、後遺障害慰謝料の請求については、お子様がその後の長い人生において後遺障害と付き合わなければならない、という事実については考慮されにくい(原則として考慮はされない)ということになります。

後遺障害慰謝料は、交通事故の結果、被害者の方に遺ることになってしまった障害を慰謝するために支払われるものであり、この点については、遺ってしまった結果についてしか評価されません。

もっとも、この後遺障害慰謝料とは別に、後遺障害に伴う逸失利益といった別の項目で、考慮されることになります。
その際には、逸失利益の計算に際して今後、お子様が後遺障害と付き合っていくしかない年数もベースにして計算することになります。どういった項目で考慮されるのかについては正確な知識を有しておく方が良いでしょう。

子供の死亡慰謝料について

交通事故で被害者の方が残念ながら亡くなってしまった場合、亡くなられた方の生命が奪われたこと自体に対する慰謝料として死亡慰謝料の請求が認められることになります。

交通事故の死亡慰謝料については、交通事故の迅速処理の要請や、紛争当事者(加害者・被害者)の公平感を充足させるために、標準化・定額化が進んでいます。

基本的に、被害者の方の属性ごとに定額化されており、子供が亡くなってしまった場合には、2000万円~2200万円程度が相場とされています。一家の生活を支える一家の支柱的存在よりは数百万円程度子供の場合の死亡慰謝料は安く設定されています。

遺族の慰謝料請求について

上記しましたように、交通事故で子供が亡くなってしまった場合、慰謝料の金額の相場は2000万円~2200万円程度とされています。
増額事由が当該交通事故に存在しているような場合については、この金額を基礎として慰謝料の金額の増額が認められる場合があります。

もっとも、子供の場合、一家の家計を支えており、一家の経済的支柱、ということは中々ないでしょうから、被害者の属性により増額が認められることは困難です。
しかし、加害者側の事情によっては、増額できる場合があります。

例えば、当該交通事故の発生についての加害者の故意・過失の種類が悪質であり、程度が大きい場合(飲酒運転による交通事故、加害者があからさまな危険運転を行っていた場合などがいい具体例といえます。)や、交通事故発生直後の加害者の態度に基づく損害の拡大が認められる場合(例えば、ひき逃げのように、救護・報告義務違反が加害者に認められるような場合が典型例です。)、損害賠償に際しての加害者の不誠実(例えば、客観的な証拠(ドライブレコーダーなど)があるにもかかわらず、不合理な弁明に終始したり、謝罪しなかったりするような場合が典型例でしょう。)等が認められるのであれば、死亡慰謝料について増額できる余地はあります。特に被害者が子供の場合には、加害者側の対応は重要になってくるのではないかと考えられます。

いずれにしても、ケースバイケースで異なってくることですので、専門家である弁護士に、当該交通事故についてどのような事情が存在し、それがどのように慰謝料に考慮されるのか相談された方が良いでしょう。

遺族が請求できる内容とは?

お子様を交通事故で残念ながら無くされてしまった場合、遺族が請求できるものについては、お子様の慰謝料、遺族の方固有の慰謝料に加えてお子様の死亡逸失利益を請求できることになります。

逸失利益とは、不法行為、つまりは問題となる交通事故がなければ被害者が得た経済的利益を失ったことによる損害を意味します。一般にこの逸失利益については、消極的利益や得べかりし利益と評されることもあります。

子供の死亡逸失利益の計算方法

残念ながら交通事故でお子様が亡くなられてしまったような場合には、いわゆる「死亡逸失利益」を請求することができることになります。逸失利益は、通常不法行為(交通事故)がなければ得られたであろう現金収入と、事故後に得られる収入の差額で計算することになります。(一般的に「差額説」と呼ばれる考え方です。)。「死亡逸失利益」の基本的な算出方法は「収入額(年収)×(1-生活費控除率)×中間利息控除係数」で計算されることになります。

ここでいう「中間利息控除係数」には様々な計算方法についてはライプニッツ係数とホフマン係数という考え方がありますが、実務上ではライプニッツ係数で計算することになります。

また、お子様の場合、収入額については一般的には賃金センサスで計算することになるでしょう。収入をベースにはしますが、当然、生きていると仮定すれば、それなりのお金がかかるわけですから、単純な計算では逸失利益が計算できないことには注意が必要ですし、実際に慰謝料と併せていくら請求することができるかについては、専門家である弁護士に相談する必要があるでしょう。

関連記事一覧

むちうちの慰謝料相場は?交通事故の慰謝料が2倍になる正しい通院法

「むちうちの慰謝料相場はどれくらい?」 「通院の頻度はどれくらいがいいの?」 ...

交通事故の慰謝料が丸分かり!通院から6ヶ月後のケースではいくら?

「6ヶ月通院した際の慰謝料の相場が知りたい」 「保険会社から提示された慰謝料は...

むちうちの治療費はいくら?保険会社に治療を打ち切られた時の対処法は?

「むちうち治療にはどれくらいお金がかか...

交通事故の慰謝料の任意保険基準はダメなの?計算方法と相場を解説

「保険会社に提示された慰謝料って妥当な...

実は簡単な交通事故の示談金の計算方法|5つのチェックポイント

「提示された示談金は妥当なのか疑問…計算方法や内訳をちゃんと知りたい」

お悩み別ページ

ページランキング

  1. 交通事故で評判の良い弁護士事務所とは?被害者必見の弁護士の選び方
  2. 交通事故の慰謝料の相場を徹底解説|適切な金額を得るためには
  3. 交通事故の慰謝料が丸分かり!通院から6ヶ月後のケースではいくら?
  4. 交通事故で弁護士特約を使わないと300万円の損|使い方を徹底解説
  5. 誰でもわかる慰謝料計算機|交通事故の慰謝料を計算機でラクラク計算

カテゴリ一から探す