2017.9.29 更新

親御さん必見|子供の飛び出し事故の示談や過失割合まとめ

子供の事故ダメージの対処法

子供の事故の場合、懸念されるのは「精神的なショック」と「後遺障害」です。
もちろん、今現在の怪我の治療は医師の指示通りに進める必要がありますが、それと同じくらい、精神状態に気を配ってあげてください。
大人でも、自動車と直接ぶつかってしまったらショックが大きく、しばらくは怖くて外を歩けないという人もいます。
小さな子供であればなおさらです。
お子さんは口では言わなくても、事故のショックで深く傷ついています。
車とぶつかったことだけではなく「自分のせいで事故になってしまった」という罪悪感を一人で抱え込んでしまうことが少なくありません。
できれば、夜寝る時は一人にせずに保護者の方が隣で寝てあげましょう。
それと同時に、受傷した箇所に後遺障害が無いかどうかをしっかりと確認しましょう。
子供は自分の体の状態をうまく言い表せないことが多いので、可動範囲や動き、皮膚の状態がしっかりと元通りになっているのかを、観察してみてください。
少しでも違和感がある場合は、医師にその旨を伝え、詳しく診察してもらいましょう。

治療費の負担について

原則として、相手の自動車が加入していた保険会社が、直接病院や薬局に治療費や薬代を支払います。
事故後、保険会社から連絡が来た段階で通院した病院名を言えば、保険会社が病院と連絡を取ってくれるので治療費を自己負担する必要はありません。保険会社からの連絡に時間がかかったり休日で対応してもらえなかった場合も、交通事故であることを窓口で伝えれば、支払を保留にしてもらえる可能性もあります。万が一自腹で治療費などを支払ったとしても、後日全額、保険会社から返金されますのでご安心下さい。
ただし、お子さんの過失割合が大きい場合は、保険会社が治療費を支払ってくれない可能性がありますので、一旦自己負担しなければいけません。また、相手が任意保険に加入していない場合も、治療費を立て替える必要があります。
お子さんの怪我の程度が重い場合や、通院が長期にわたる場合は、健康保険を使って通院して欲しいと保険会社から打診されることがあります。
被害事故なのに、自分の健康保険を使うことに抵抗があるかもしれませんが、健康保険を使うことで治療の単価が低く抑えられるので(受ける治療は同じです)、後々受け取る慰謝料が増える可能性もあります。
特にお子さんにも過失が生じる事故の場合は、治療費を抑えることで慰謝料が増額しますので、健康保険を使うのが得策です。
健康保険を使った場合も保険会社が、治療費を全額支払いますので、健康保険組合に迷惑をかけることもありません。

加害者側との今後の対応

お子さんの事故の場合、親権者が代わりに保険会社との交渉に臨みます。
示談交渉の流れはこちらです。

保険会社から挨拶の電話→必要書類が送付されてくるor担当者と自宅や喫茶店などで面談する→必要書類に記入し返送する→【この期間中は必要に応じて通院治療を続けておく}→治療完了→保険会社から示談内容の提示→納得すれば示談書に捺印→慰謝料などが支払われる

原則として、被害者さんサイドに不満が無ければ上記の流れで、示談交渉が進んでいきます。
相手の保険会社が通販系の保険会社や都市部の保険会社の場合は、すべて電話と郵送で手続きが行われることもありますが、代理店系保険会社の場合は、必要とあれば面談をすることができます。
交渉の上手な進め方のポイントは「担当者を味方につける」です。
「保険会社は保険金を払い渋る」とか「保険金不払いの常習者」という噂を聞くことがあるかもしれませんが、ほとんどの担当者は被害者さんの立場に立って、より有利な内容で示談ができるように考えてくれます(中には例がもあります)。だから、子供の事故だからと言って、怒りを全面に出さず、大人の対応を心がけてみてください。
すると担当者も「この被害者さんたちは困っているから、なんとか力になってあげよう」という気持ちが生まれるはずです。
可能であれば、電話ではなく面談での交渉をおすすめします。
必要書類の書き方や今後の流れなどの、詳しい説明を聞くことができますので、スムーズに交渉が進むはずです。
もし、「非常識な態度を取ったり、交渉を放置する」などの「不良担当者」に当たってしまった場合は、上司や本社のお客様相談室などに直接電話して、担当を変えてもらいましょう。"

弁護士依頼のメリット

子供の飛び出し事故の示談交渉を、弁護士に依頼するメリットは「受け取る賠償金の総額が増える可能性がある」ことと「家族と子供の精神的負担の軽減」です。

子供が飛び出したことで事故を起こした場合、お子さんのケガだけではなく、相手の車の修理費用などを一部負担しなければならない可能性があります。
過失割合によっては、治療費や慰謝料も減額されてしまいますが、事故に強い弁護士に依頼することで有利な内容で示談を進めることが可能です。
金銭的メリットよりも大きいのが「精神的メリット」です。
お子さんが軽症であれば、ご家族で過失割合の示談交渉も可能かもしれませんが、重傷の場合は付添いや看病で、肉体的にも精神的にもご両親に負担がかかります。
弁護士に依頼することで、保険会社との面倒な交渉を一任できますので、お子さんの心と体のケアに専念できるはずです。

子供の飛び出し事故での過失割合の考え方

子供が善悪の判断できない年齢の場合は、子供自身は過失を問われませんが親などが監督責任を問われます。「事理弁識能力」と言って、簡単に言えば物事の善悪が判断できる能力が備わっているかどうかが、焦点となります。子供に事理弁識能力が認められれば、事故状況によっては「子供自身に過失あり」と、判断されます。事理弁識能力がないと判断されれば、子供の過失は問われません。しかし、子供を監督する義務がある親権者が賠償責任を負うことになります。事理弁識能力は判例ではには7,8歳から備わっていると判断されることが多くなっています。
ただし、事理弁識能力が備わっていてもおおむね15歳までは養育している親権者が法律上の賠償責任を負うことになります。
つまり、15歳未満の子供の事故の場合は、事理弁識能力の有無に関わらず、親が損害賠償をしなければならなのいのです。
その際の過失割合は、判例タイムズに準拠しています。
基本的には子供が起こした事故は通常の事故よりも「5%から10%」ほど過失割合が低くなりますが、「飛び出し」をしたことで10%加算されることもあるのでご注意ください。
具体例を1つご紹介しておきます。

事故状況
横断近視の道幅15M以上の車通りの多い道路を、8歳の子供がいきなり飛び出して、直進中の乗用車と接触。
この道路で歩行者と自動車が事故を起こした場合の、基本の過失割合は「歩行者20%:自動車80%」です。
この基本割合に、細かい事故状況を加味して増減される「修正要素」を適用して過失割合を決めていきます。
この事故状況で適用される修正要素は「横断禁止の規制あり:歩行者に+10%」と「直前直後横断:歩行者に+10%」「歩行者が児童:歩行者に-10%」です。
つまり、基本の過失割合は20:80なので、これらの修正要素を加えた「30:70」がこの事故の過失割合となります。
子供が飛び出して事故を起こした場合「横断禁止道路」や「直前の飛び出し」などの道路状況や事故状況の場合、それぞれ最大10%ずつ過失割合が大きくなります。
ただし、小学生以上の子供の場合は5%、未就学児は10%、過失割合から差し引くことができますので忘れずに適用してもらいましょう。

事理弁識能力のある子供の過失割合

歩行者と自動車の交通事故において「事理弁識能力」があるとされている、子供の過失割合は年齢によって、子供であることを考慮される場合と、されない場合があります。
判例タイムズでは、歩行者が子供だった場合を「幼児」と「児童」に分けています。
幼児は6歳未満の子供で、児童は6歳以上13歳未満の子供を指します。
事故を起こした当事者が幼児や児童に該当する場合は、過失割合が5%から20%程度、有利に修正されます。
それ以上の年齢の子供は過失割合は修正されず、大人と同じ過失割合が適用されます。

事理弁識能力のない子供の過失は絶対に0?

原則として「事理弁識能力がない」とされた子供の過失割合は「ゼロ」と言われていますが、実際は監督責任者がその過失割合を負うことになります。
子供に責任はなくても、「ちゃんと見守っていなかった親が悪い」という考え方です。
実務上では事理弁識能力がない子供が道路を飛び出して事故を起こした場合、判例タイムズに掲載されている過失割合を元に、双方の過失割合を交渉しながら決めていきます。
事理弁識能力がないからと言って、親が賠償責任を逃れることはできません。

一体の関係にある者の過失とは?

事理弁識能力がない子供や、15歳未満の子供(年齢はケースバイケースで子供の発達状態や事故の状況によって上下します)が、交通事故を起こして相手から損害賠償請求を起こされた場合、親権者などが監督責任を問われ、相手への賠償義務が発生します。
事理弁識能力がない子供だけでなく、事理弁識能力が備わったとみなされる7歳以上15歳未満(子供の発達度合いによって異なります)の子供が起こした事故でも、同様です。
監督責任を問われるのは「父母」であり「身分上、生活上一体性」が認められる場合です。
具体的に言うと子供と「同居している」のであれば、親が監督責任を負うことになります。
その場合の過失割合は、判例タイムズに準拠して、子供の過失割合分を負担してもらいます。

子供とドライバーの証言が食い違う時は?

子供と自動車が事故を起こした場合、往々にして起こり得るのが「運転手と子供の証言の食い違い」です。
そもそも、交通事故の事故状況は「大人同士」でも大きく食い違うことが珍しくありません。
信号がある交差点で事故が起きたのに双方が「私は青信号でした!」と言っていることは日常茶飯事。
だから、子供と運転者の証言が食い違うのは当然です。
自動車側にドライブレコーダーがあれば真実が分かるのですが、そうでなければ当事者の証言から真実を導き出すのは、難しいので「道路状況」や「車の損傷」そして「目撃者の証言」から、正しい事故状況を導き出します。
保険会社が主導となって事故状況を明らかにするために、第三者の調査会社に依頼して目撃者を探したり、現場を調査したりして、事故状況を明らかにすることもあります。
事故状況が大きく食い違って、過失割合が大きく変わってしまう場合は、調査会社を使った調査を保険会社に依頼してみると良いでしょう。

事故の道路状況で異なる過失割合

交通事故の過失割合は、道路形態や事故の時間、走行スピードなどによって大きく変わります。
ここでは、代表的な子供の飛び出し事故と自動車の事故の過失割合をご紹介します。
ここでは「歩行者は8歳の子供」と仮定します。
■横断歩道がある道路で、自動車が青信号で走行中、赤信号で子供が飛び出した場合→子供60%:自動車40%
基本割合が、歩行者70%:自動車30%で、歩行者が児童のため10%過失割合がマイナスされます。
歩行者と自動車の過失割合は歩行者が優先される過失割合のほうが多いのですが、さすがに信号無視をすると歩行者の過失割合が高くなってしまいます。
■家の敷地から道路に子供が飛び出した場合→子供25%:自動車75%
交差点以外の道で、歩行者が道路を横断した際の基本割合は、歩行者20%:自動車80%です。そこに、自宅やマンションの敷地から道路に勢いよく飛び出してしまった修正で+10%、歩行者が児童なので-5%となり、差し引きして子供の過失割合は25%になります。
夜間の場合は子供に+5%、幹線道路の場合も+5%、住宅街の場合は-10%修正されます。

これらの過失割合はあくまでも、判例タイムズに掲載されているものなので、実際の示談交渉の中で上下することはあります。
ただし、実務上はこの過失割合から大幅にかけ離れた内容で示談することはまれです。

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