2019.11.22 更新

交通事故によるケガで整骨院に通院してトラブル?慰謝料請求で不利にならない対応法

「交通事故でケガしたとき、整骨院に行っても問題ない?」
「整骨院に通うことで、慰謝料って変わるの?」

実は、交通事故によるケガで整骨院に通院することで、トラブルが起こることはよくあります。

また、受け取れる慰謝料の金額にも差が出てくることがあります。

この記事では、交通事故のケガで整骨院に通院する際に必要な基礎知識や、トラブルを防止する方法、慰謝料の計算方法について解説していきます

不利にならないように、一緒に確認していきましょう。

交通事故によるケガで整骨院に通院する際に必要な基礎知識

交通事故にあって、ケガをしてしまったのですが、整骨院に行ってもいいのでしょうか?
選択肢の一つですが、整骨院に通う場合には注意点があります。一緒に見ていきましょう。

交通事故によるケガで整骨院に通う場合の注意点

病院ではないので検査や治療が受けられない

前提として、整骨院は病院ではありません

整骨院で施術を行うのは柔道整復師という国家資格をもった人ですが、医師資格をもっていないため、病院で受けられるような検査や治療をすることはできません。
整骨院で受けられるのは、症状緩和のためのマッサージなどの施術のみです。

そのため、交通事故の後に整骨院にのみ通院した場合、検査結果が残りません。

例えばむちうちや骨折などの場合、病院に行けばレントゲンを撮るなどして異常を確認してもらうことができるので、後に後遺障害の等級認定請求をする際などに利用できます。

しかし、初めから整骨院に通っていた場合これらの検査結果が残らないので、後に後遺障害の等級認定請求をするときに不利になってしまうことがあるのです。

保険会社から治療費が支払われない可能性がある

整骨院に通院していると、保険会社に治療費を支払ってもらえないことがあります。

整骨院は病院ではないので、整骨院に通う正当な理由がなければ治療費は認められません。その場合、支払った治療費は自己負担になってしまいます。

当初は保険会社から整骨院の治療費が支払われていても、通院期間が長くなると途中で支払ってもらえなくなるケースがよくあります。

整骨院に通院する際には、整形外科の医師の判断に基づいた指示であることが必要です。

さらに整骨院の場合、健康保険が適用されるものとそうでないものとの判断が微妙なケースなどが多くあるので注意しましょう。

整骨院通院ではトラブルが起きるリスクが高い

被害者と整骨院の間でもトラブルが起こることがあります。

整骨院は全国的に見ても数が多く、中には悪質なところもあります。

例えば、行っていない施術を水増しして保険請求したり、必要のない施術を繰り返そうとしたりする院もあります。

こうした整骨院があるため、保険会社からますます疑念の目で見られるということになってしまいます。

整骨院を選ぶときには、信頼できる院を慎重に選ぶ必要があります

整骨院通院によるトラブルは事前の準備&適切な整骨院選びで回避

トラブルを回避するにはどうしたらいいのでしょうか…?
では、トラブルを防止するための方法を見ていきましょう。

保険会社とのトラブルを防止するには?

保険会社とのトラブルで起こりやすいのは、保険金(治療費)を支払ってもらえないことです。

治療費を支払ってもらうためには、病院(整形外科)の医師に「整骨院での治療が必要」と判断してもらうことが大切です。

医師が必要と判断した場合は、保険会社も支払いを拒絶することは少ないです。

医師に「整骨院通院が必要」と書いてもらうことが難しい場合は、最低限整骨院通院を許可してもらうことが必要になります。

医師に言わずに整骨院に通院したりせず、後々トラブルに発展しないためにも指示のもとに通院しましょう。

整骨院とのトラブルを避けるには?

整骨院とのトラブルを避けるためには、整骨院選びが重要です。

悪質な整骨院にかからないように、情報を収集して信頼できる院を選びましょう。

整形外科の医師とのトラブルを防ぐには?

医師とトラブルにならないためには、整骨院への通院に理解のある医師を選ぶことが大切です。

どのような事案でも整骨院への通院を認めるべきということではありませんが、医師の中には整骨院への通院を禁止する方もいるようです。理由を聞いても納得できない場合は、医師の変更も検討しましょう。

整骨院への通院による慰謝料の種類とは?

慰謝料には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3つがあります。

交通事故の3つの慰謝料
入通院慰謝料 ケガの治療での入院や通院に対して支払われる
後遺障害慰謝料 完治せず後遺症が残った場合に支払われる
死亡慰謝料 死亡事故の場合、亡くなった本人と遺族に対して支払われる

入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、交通事故でケガをして病院に入通院したことによって発生する慰謝料です。

入通院慰謝料は、入通院の期間が長くなればなるほど高額になります

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺障害が残った場合にそのことに対して発生する慰謝料です。

後遺障害の等級によって金額が異なります。後遺障害の等級は1級から14級まであり、1級がもっとも重く、14級がもっとも低くなります。

死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、交通事故で被害者が死亡したときに発生する慰謝料のことです。

死亡慰謝料の金額は、被害者がその家庭においてどのような立場の人であったかによって異なります

例えば、一家の大黒柱などの場合には金額が上がりますし、それ以外の場合には金額が低くなります。

自賠責基準の場合には死亡慰謝料は一定です。(本人の慰謝料)

ただし、自賠責基準には遺族固有の慰謝料があります。

病院と整骨院の通院に関して慰謝料の差はない

交通事故のケガの治療に通院が必要と判断される場合、対象が整骨院か病院かによって慰謝料の金額が変わるわけではありません。

入通院慰謝料は入通院の期間に応じて発生するため、通院期間が長くなればなるほど慰謝料の金額は高額になります。

しかし、整骨院への通院が治療に不要と判断された場合、通院したとしてもその通院期間が慰謝料の計算には含まれません

そのため、整形外科に通院したときよりも慰謝料の金額が低くなってしまう可能性があります

整骨院に通院した場合の慰謝料の計算方法とは?

慰謝料の計算には「自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準」の3つの基準があります。

慰謝料を計算するための3つの基準
自賠責基準 法令で定められた最低限の補償
任意保険基準 自動車保険会社ごとに決まっている
弁護士基準 判例に基づいており弁護士が用いる

自賠責基準は自賠責保険の計算をするときの基準で、もっとも金額が低くなります。

任意保険基準は保険会社が示談交渉をする際に利用する基準で、保険会社によって基準が異なりますが、自賠責基準と大きく差はありません。

弁護士基準は弁護士が示談交渉をしたり裁判をしたりするときに使う基準で、3つの基準のうちもっとも高額になります。

整骨院に通院した場合の入通院慰謝料の計算方法

整骨院に通院した場合の入通院慰謝料の計算方法は、基本的に病院に通院した場合と同じです。

自賠責基準での慰謝料の計算方法

入通院慰謝料
自賠責基準での入通院慰謝料は「1日いくら」という日額金が決められています。
日額は4,200円です。
・初診から治療終了までの期間
・実際の通院日数の2倍

上記2つのうちの「少ない方」に日額の4,200円をかけて算出します。

自賠責基準の場合には、1日あたり4,200円×通院期間となります。

通院期間については、入通院した期間と、実通院日数の2倍のどちらか少ない方になります。

任意保険基準での慰謝料の計算方法

任意保険基準は各自動車保険会社によって定められているものなので、公式の計算式は公開されておりませんが、かつては全社共通の計算基準があり現在もその基準をもとに各社設定されているようです。

以下の表で、任意保険基準の入通院慰謝料のおおよその相場がわかります。

任意保険基準の入通院慰謝料 相場表(単位:万円)
任意保険基準による入通院慰謝料表(単位:万円)

一般的に、入通院期間が長くなると金額が上がりますし、同じ治療期間なら通院より入院の方が慰謝料が高くなります

弁護士(裁判)基準での慰謝料の計算方法

弁護士基準の場合にも、入通院期間に応じて慰謝料の相場が決まっています。

ただ、弁護士基準の場合にはケースによって入通院慰謝料が異なります。

むちうちなどの他覚症状がないケースでは入通院慰謝料が下がります。

これに対し、他覚症状があるその他のケガの場合には、より高い慰謝料が支払われます。以下の表を参考にしてみましょう。

むちうちの場合の慰謝料相場(単位:万円)

弁護士基準での慰謝料相場一覧表、むちうちの場合

その他のケガの場合の慰謝料相場(単位:万円)

弁護士基準のでの慰謝料相場一覧表、むちうち以外の症状の場合

鍼灸(しんきゅう)・マッサージ治療への慰謝料が発生する条件

鍼灸やマッサージなどに対して治療費を支払ってもらうには、その治療が交通事故のケガの治療に必要だと認められるかが重要です。

また、マッサージについては整骨院での施術であることも必要です。

整骨院に似ているものに整体院やカイロプラクティックがありますが、これらは柔道整復師の資格のない人も開院できるため、治療行為とは認められていません。これらでマッサージを受けた場合には、慰謝料も治療費も支払われないので、整骨院へ通院しましょう。

交通事故示談を弁護士依頼することで慰謝料が2倍?弁護士依頼のメリット

では、具体的に弁護士に依頼することでどんなメリットがあるのでしょう?
おもに3つのメリットがあります。

弁護士基準が適用されると慰謝料が増額

整骨院に通院したときに弁護士に示談交渉を依頼することによって、弁護士基準が適用されます。

弁護士基準を使用すると、他の基準の2倍や3倍の金額になるケースが多くあります

被害者が自分で示談交渉をするときには、任意保険基準が採用されるので慰謝料の金額は低くなります。
妥当な金額を請求する場合は、弁護士に依頼するとよいでしょう。

適切な過失割合に修正される

また、被害者の過失割合を少なくしてもらえる可能性があります。

被害者が自分で示談交渉をしていると、保険会社が被害者に大きな過失割合を割り当ててくることがあります。

しかし、弁護士に依頼すれば適切な過失割合に修正してくれるのです

保険会社とのやりとりを任せられる

さらに弁護士に対応を依頼するとさまざまな手続きを弁護士がしてくれるので、被害者は示談交渉のストレスから解放されて、治療に専念できるというメリットもあります

弁護士特約を利用すると、弁護士費用が実質0円に

交通事故の示談交渉や裁判を依頼する場合、弁護士費用がかかります。

しかし、弁護士特約を使うと費用をかけずに弁護士に依頼をすることができます

弁護士特約とは自分の自動車保険に付けておく特約のことで、保険会社が交通事故にかかる弁護士費用を負担してくれるものです。

弁護士の法律相談料、着手金、報酬金、実費、日当など全ての弁護士費用をカバーしてくれます。

自分の自動車保険に弁護士特約が付いている場合でも利用できますし、家族が自動車保険に加入している場合には、その特約を利用することもできます。

弁護士特約でカバーされる限度額は、法律相談料で上限10万円、事件対応の費用(着手金、報酬金、実費、日当)で上限300万円であることが多いです。

自分の自動車保険に弁護士特約が付いているか、一度保険会社に確認してみましょう。

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