2019.11.18 更新

交通事故紛争処理センターの正しい利用方法とは?また費用や期間はどのくらいなのか

交通事故紛争処理センターの相談窓口の利用方法

交通事故紛争処理センターの利用の際に費用はかかるのか

交通事故に関する法律相談や和解のあっせんを行う機関として、公益財団法人交通事故紛争処理センターがあります。
交通事故紛争処理センターには、交通事故被害者の公正迅速な救済を図るため、担当弁護士による法律相談、相手方保険会社との和解のあっせん、審査手続といった各種手続が用意されています。
いずれの手続も無料であり、交通事故被害者が費用の心配をせずに利用することが可能となっています。
ただし、法律相談や和解あっせんのためにセンターを来訪するための交通費や、センターに提出する資料の作成に関する費用(コピー代や診断書などの作成費用)のような実費は、自己負担となります。

交通事故紛争処理センターの利用の流れ

センターを利用したい場合、まず電話で相談の予約を取ります。
予約が取れると(混み合っているので2~3ヶ月後になることもあります)、センターから利用規定や利用申込書、準備すべき資料を説明する文書などが送られてきますので、内容をよく読み予約日までに申込書に必要事項を記入し、資料を準備するようにしましょう。
予約日になったら指定された時刻に遅れないようセンターに行き、利用申込書と資料(交通事故証明書、事故発生状況報告書、損害に関する書類など)を提出し、担当弁護士による法律相談を受けます。資料は原則として返却されないので、あらかじめコピーをとっておきコピーの方を提出すればいいでしょう。
法律相談の結果、相談者が和解のあっせんを希望し、担当弁護士も和解のあっせんが必要と判断した場合、次回期日に相手方保険会社に出席してもらい和解のあっせんに入ります。
担当弁護士は当事者双方の話を聞いたうえで、争点や損害額についての和解のあっせん案を提示します。当事者双方が和解のあっせん案に合意した場合には、担当弁護士が立ち会って示談書・免責証書などの書類を作成し、手続が終了します。

交通事故紛争処理センターにはどんな内容を相談すべきなのか

センターでは、次のような紛争を取り扱うことはできません。
・自転車対自転車、自転車対歩行者の事故に関する紛争
・搭乗者保険など被害者自身の加入する保険金の支払いに関する紛争
・後遺障害の等級認定に関する紛争
したがってこれらの紛争についてお悩みの方は、弁護士会が実施する法律相談や調停・訴訟などの裁判所の手続の利用を検討する必要があります。

また、紛争内容にかかわらず次の段階での利用はできません。
・その事故についてすでに調停や訴訟が行われている場合
・治療中、後遺障害認定手続中、または異議申し立て中である場合
これらの場合には、調停や訴訟による紛争を解決するか、治療・後遺障害認定・異議申し立てが終わってから申し込みをすることになります。

逆にいえば、これらの紛争以外については広く相談をすることが可能であり、争点などの制限もありません。

交通事故紛争処理センターの利用について弁護士に相談する必要はあるのか

交通事故紛争処理センターでは、担当弁護士が中立公正な立場で法律相談および和解のあっせんを行います。
担当弁護士は、交通事故に詳しい弁護士が選任されており(平成31年4月時点で187名)、専門知識のない被害者側には適宜説明などを行ってくれます。
したがって、申込者が費用をかけて弁護士を依頼する必要はないでしょう。

もっとも、弁護士に依頼することが禁止されているわけではありません。担当弁護士はあくまで中立の立場にあり申込者の代理人ではないので、申込者が自分の主張を代弁してれる弁護士にそばにいてほしいと思ったときは弁護士に依頼してもいいでしょう。
代理人弁護士は法律相談、和解のあっせんに出席することができます。

交通事故紛争処理センターの設置先一覧

交通事故紛争処理センターは東京に本部が置かれ、各地に支部や相談室が設置されています。申込者の住所地または事故の発生場所のセンターが事件を取り扱うことになっていますので、次の区分にしたがい取り扱いセンターを探してください。

札幌支部     北海道
仙台支部     宮城県 青森県 岩手県 秋田県 福島県 山形県
東京本部     東京都 神奈川県 千葉県 山梨県 茨城県
さいたま相談室  埼玉県 群馬県 栃木県 長野県 新潟県
名古屋支部    愛知県 岐阜県 三重県
静岡相談室    静岡県
金沢相談室    石川県 富山県 福井県
大阪支部     大阪府 兵庫県 京都府 滋賀県 奈良県 和歌山県
広島支部     広島県 岡山県 山口県 鳥取県 島根県
高松支部     香川県 愛媛県 徳島県 高知県
福岡支部     福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 

交通事故紛争処理センターの利用すべきタイミングと解決までの期間は?

ほとんどの事案が2〜5回の相談で和解が成立している

交通事故紛争処理センターの発表によれば、人身事故の場合は3回で70%以上、5回までで90%以上の事案で和解が成立しています。
物損事故の場合はさらに短く、2回程度で終わることが多いようです。
訴訟の場合、少額訴訟という簡易迅速な訴訟(原則1回で終わるが、60万円以下の金銭の請求の場合のみ利用できる)を除き、6ヶ月から1年、あるいはそれ以上かかることも珍しくないので、センターでの和解あっせんは迅速な解決を目指す場合には有効であるといえるでしょう。

交通事故紛争処理センターの利用の正しいタイミング

交通事故紛争処理センターへの申し込みは、治療を終えて後遺障害等級の認定手続が終わり、あるいは等級認定に対する異議申立てが終わり、相手方保険会社から損害賠償金が提示された後に行う必要があります。治療や後遺障害等級認定が終わって損害額の計算が可能になり、保険会社からの示談案が提示されて争点が明らかになった段階といいかえることができるでしょう。
もし和解あっせん中に、治療中であることや後遺障害等級認定手続中であることが判明した場合には、和解のあっせんが停止されます。もし、治療中などに法律相談を受けたい場合には、弁護士会などの法律相談や各法律事務所の法律相談などを検討するといいでしょう
示談の期間について正しい知識を得ることで、弁護士相談や交通事故紛争処理センターの適切な利用のタイミングを把握することができます。

交通事故について相談できる機関のそれぞれの違いは?

交通事故紛争処理センターと日弁連交通事故相談センターの違い

交通事故紛争処理センター以外に交通事故に関して相談する機関として、公益財団法人日弁連交通事故相談センターという法人があります。
これは日本弁護士連合会が設立した法人で、こちらも交通事故に関して弁護士による法律相談や示談のあっせんを無料で行っています。
両者のおもな違いは、
・相談場所の数が大きく違う(日弁連交通事故相談センターは全国に157ヶ所あります)
・示談や和解のあっせんが不成立になったとき、交通事故紛争処理センターには「審査」という一定の強制力のある手続が用意されているが、日弁連交通事故相談センターにはそれほど強制力のある手続がない
・和解や示談が不成立に終わり訴訟などをする場合、日弁連交通事故相談センターでは弁護士を紹介してもらえるが、交通事故紛争処理センターでは弁護士の紹介はできない
などがあります。
どちらか一方が全面的に優れているとは言い切れないので、相談場所の利便性や訴訟までやる気があるかなど、それぞれの事情に応じてどちらを利用するかを決めればいいでしょう。

交通事故紛争処理センターに対する疑問まとめ

本当に赤本・青本どおりの慰謝料を受け取ることはできるのか

交通事故紛争処理センターで算定される慰謝料は、赤本や青本などの弁護士基準に比べると低い水準となることが多いようです。
やはり、費用と時間をかけて裁判をした場合と同様の結論までは求められないということのようです。
したがって、なるべく費用をかけず、ある程度迅速に、かつ保険会社の基準よりも高い慰謝料を希望するときはセンターの利用が適しており、費用や時間がかかっても弁護士基準による慰謝料の支払いを希望するときは、訴訟の方が適しているといえるでしょう。

あっせん案が不利な場合に無視することはできるのか

和解のあっせん案はあくまで提案にすぎないので、不満があればあっせんに同意する必要はありません。
あっせんに同意しなかった場合(あっせんが不調に終わった場合)当事者双方は、あっせん不調の通知を受けます。それに不服の場合は14日以内に、審査という手続を申し立てることができます。
審査の申し立てがあると、事前に担当弁護士が審査会に対して争点などを説明したうえで、審査会が当事者双方から話を聞き、審査会が争点などについて一定の結論を出します(裁定といいます)。
申込人は、裁定の通知があった日から14日以内に、裁定に同意するか同意しないかを回答しなければなりません(期限内に回答がない場合には不同意と扱われます)。
申立人が同意した場合、保険会社は裁定を尊重しなければならないとされているため、和解が成立します。申込人が審査を希望しない場合や裁決に同意しない場合には手続が打ち切られます。センターではこれ以上の手続は行いません。
このように、センターでは申立人が納得できない結論を強制することはありませんので、安心して利用することができます。

交通事故紛争処理センターでは原則として他人の相談はできない

センターの法律相談や和解のあっせんは、被害者本人(被害者が死亡した場合には相続人)による出席を原則としているので、原則として他人の相談はできません。
ただし、本人が後遺障害などのためにやむを得ず出席できない場合に、事故状況などをよく知っている家族が代理人として出席することが認められることもあります。

また、必ずしも交通事故紛争処理センターにこだわる必要もないでしょう。弁護士費用特約なら300万円まで、保険会社に弁護士費用を負担してもらえます。弁護士特約を付けている方は、その方法も視野に入れるといいかもしれません。

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