2018.5.22 更新

実は簡単?交通事故の示談金の計算方法|5つのチェックポイント

「示談金の計算方法や内訳がよくわからない…」
「このまま示談を進めてしまって大丈夫なのかな?」

交通事故の示談金は、内訳や計算方法にまつわるポイントをしっかり押さえていればもれなく請求することができます。

また、計算方法によっては、加害者側の保険会社から提示されている金額よりも約2倍に増額できる可能性があります。

この記事では示談金(慰謝料)や休業損害の計算方法を含め、絶対に知っておきたい5つのポイントを詳しく解説していきます。

ご自身のケースにあった示談金を、簡単入力だけで算出できる自動計算ツールもあるので、ご活用ください。

  • 慰謝料計算機で示談金とその詳しい内訳
  • 自分がもらえる損害賠償金の計算方法
  • よく知っておかないと金額に差が出る主婦の休業損害の計算方法
  • 弁護士に依頼することで示談金が大幅に増える
この記事でわかること
交通事故で過失割合について疑問があるかたは弁護士法人天音法律事務所に無料相談

「慰謝料計算機」で示談金を自動計算してみる

2018年5月現在、慰謝料計算ツールはメンテナンス中でございます。5月中にはより使いやすいものになって再開予定です。ご迷惑をおかけしておりまして申し訳ございません。

計算方法は「交通事故の算定基準別の示談金の計算方法~自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準~」でご紹介していますので、そちらをご覧ください。

(1)交通事故の示談金を構成する慰謝料と損害賠償金

示談金と慰謝料は何が違う?慰謝料は示談金の一部

ポイント(1)
示談金は慰謝料と損害賠償金で構成される
ポイント(2)はこちら

交通事故の示談金は慰謝料と損害賠償金によって決まります。つまり、慰謝料は示談金の一部に含まれるということです。

「示談金」と「慰謝料」は相手方の損害に対して支払うお金という点では同じですが、指している金額やその種類に違いがあります。

示談金とは?
示談金=損害賠償金+慰謝料

「示談金」とは、交通事故の示談交渉によって加害者側から被害者側に支払われるお金の総称です
これには被害者の受けた商品の損害なども含まれています。

「慰謝料」とは、精神的苦痛・精神的損害に対する賠償金のことを指しています。

交通事故の慰謝料についての詳しい説明はこちら

損害賠償金とは主に治療費・逸失利益・休業損害のこと

損害賠償金とは?
治療費、交通費、逸失利益、休業損害

損害賠償金とは、交通事故などで損害を受けた人に対して加害者が埋め合わせとして支払う金額のことです。

仮に、相手に怪我をさせてしまった場合を想定してみましょう。

具体的に支払う内訳は、

  • 「怪我の治療費やそれに関係する費用」
  • 「逸失利益」
  • 「休業損害」

などです。これに慰謝料額をプラスしたものが示談金にあたります。

相手方の所有物(家やブロック塀、店舗など)は、基本的に保険会社の任意保険である「対物賠償保険」が使われることになります。

交通事故の損害賠償金は人によって違う

実は示談金には明確な相場というものが存在していません

というのも、その交通事故による被害や影響はひとそれぞれ異なるからです。

示談金とは結局のところ、相手方と十分に話しあった結果、「これだけの金額で手を打ちましょう」と最終合意に至って決められるものです。

示談金の支払いが終われば、以降はその事故に関してお互いに干渉しない、という意味合いも含まれています。

【事例】お店に車が接触してきたとき

自分が店舗を経営していてそのお店に相手方の車が一方的に接触してきたとします。

それにより店舗の一角や商品のいくつかが使い物にならなくなってしまい、自分も手に怪我を負ってしまいました。

その場合の示談金は、

  • 商品の値段や個数
  • 怪我の治療費
  • 健康であれば通常支払われるはずだった金額
    (怪我によって仕事ができなくなってしまった場合)

などが複雑にからみあってきます。

もしもお店の中にいて怪我をした方が、繊細な手作業を生業とする職人さんであったらなら…示談金はさらにかさむことになるかもしれません。

そういった複雑な状況において、示談金の相場を出すことはなかなか難しいのです。

慰謝料は示談金に大きく影響します

慰謝料を決めるにはさまざまな要素があり、それぞれ基準を参考に考慮されて組み立てられていきます。

  • どの基準によって計算をするか
  • どのような怪我なのか
  • 治療期間はどのくらいか
  • 通院期間は何日なのか
  • 入院期間は何日なのか
  • 後遺障害等級に該当するか
  • 死亡してしまったのか

また、慰謝料は3種類存在します。

①「入通院慰謝料
交通事故によって傷害を負い、入院・通院をすることになったこと自体に対する損害賠償のこと。
これは入院した期間や通院治療した期間で算出されるため、相場が存在している。
②「後遺障害慰謝料
交通事故による怪我から完治できず、今後はたらく場合に影響があると認められた場合、後遺障害等級認定によって額が決まる慰謝料のこと。
後遺症の認定の段階は第1級~第14級の段階で区別され、第14級から軽度なものに分類される。

後遺障害等級は後遺障害診断書にそって決まることが多い。(後遺障害診断書は、症状固定をした後に作成される。)

③「死亡慰謝料
交通事故により亡くなってしまった方の慰謝料とともに、行った治療の障害慰謝料も請求できるのが一般的。
遺族の心の傷への精神的な損害に対する慰謝料もこの死亡慰謝料のなかに含まれている。

示談金の金額に大きく関わることになる慰謝料の計算方法については後ほど解説していきます。

先に、損害賠償金の計算方法について見ていきましょう。

(2)交通事故の示談金に影響する損害賠償金の正しい計算方法

ポイント(2)
損害賠償金には積極損害と消極損害がある
ポイント(3)はこちら

示談金を構成する損害賠償金には、積極損害と消極損害という2つに分けることができます。

交通事故の積極損害と消極損害とは?

積極損害とは主に入院・通院費用、義足や車いすの費用、葬儀にかかる費用を足したものです。

  • 入院・通院費用
  • 義足や車いすの費用
  • 葬儀費用

これらを足したものが交通事故の積極損害になります。

一方、交通事故の消極損害とは、休業損害と逸失利益を足したものを指します。

休業損害の算定基準別の計算方法

休業損害とは交通事故が原因で、休業しなければならなくなってしまった場合に、休業しなければ得ることができた収入を補償するするものです。

自賠責基準の休業損害の計算方法
休業損害=5,700×休業日数

基本的にはこの計算式が適用されます。

任意保険基準の場合は保険会社によって休業損害の計算方法は異なるため、相場のようなものは提示できませんが、基本的には、自賠責基準とほぼ同様の額が提示されることが多いです。

そのため、自賠責基準と同じくらいか、自賠責基準額より少し多い額を想定しておくのが良いでしょう。

弁護士基準の休業損害の計算方法
「休業損害」=「1日あたりの基礎収入」×「休業日数」

この一日当たりの基礎収入というのは被害者本人の3か月分の収入をもとに一日当たりの収入を出すやり方です。

後遺障害の逸失利益の計算方法

逸失利益とは、交通事故が原因で怪我をしたために、事故に遭わなければ将来得ることができたと考えられる収入を補償するものです。

逸失利益とは主に後遺障害逸失利益のことです。

後遺障害逸失利益
「後遺障害逸失利益」=「一年あたりの基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数」

一年あたりの基礎収入とは無職者や専業主婦以外は被害者が交通事故に遭う前の収入を基準としています。
専業主婦・兼業主婦のパターンはこの後説明します。

労働能力喪失率は後遺障害等級に応じて決まっています。
      【労働能力喪失率の一覧表】

第1級 100/100
第2級 100/100
第3級 100/100
第4級 92/100
第5級 79/100
第6級 67/100
第7級 56/100
第8級 45/100
第9級 35/100
第10級 27/100
第11級 20/100
第12級 14/100
第13級 9/100
第14級 5/100

労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数とは国土交通省で決められています。
ライプニッツ係数の表

ライプニッツ係数の使い方

例えば40歳で片足を切断する後遺症になってしまった場合、表の40歳の時のライプニッツ係数を使います。
40歳の時のライプニッツ係数は14.643です。これが計算で使う数です。

・年収500万
・40歳
・片足の全ての指がほとんど動かない(後遺障害認定9級)
・後遺障害9級の労働能力喪失率は35/100

このような場合の後遺障害逸失利益は

後遺障害逸失利益=500万×0.35×14.643
と計算できます。

(3)交通事故の算定基準別の示談金の計算方法~自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準~

ポイント(3)
示談金の計算方法には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準がある
ポイント(4)はこちら

慰謝料の3つの基準比較

示談金に大きく影響を与えることになる、慰謝料基準は3種類存在しています。

交通事故の慰謝料相場は算定基準によって額は大きく変わります。

自賠責基準を使った場合は限度は120万円。

慰謝料を一番多く算出できるのが弁護士・裁判基準の計算方法なので、もし交通事故の被害者になってしまった場合は、弁護士に相談してみるなどの対応が有効だと思われます。

3つの算定基準~自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準~

自賠責基準
  • 自賠責保険は車を運転するにあたり必ず加入しなければならない強制加入保険
  • 自賠責保険基準は被害者に対する最低ラインの補償で、最も低い基準で計算される
  • 任意保険基準
  • 自賠責保険基準だけではカバーできない部分を補償するために機能する
  • 基本的に基準は非公開となっているため、加入の任意保険会社によって異なる
  • 保険会社基準、任意基準とも言う
  • 弁護士・裁判基準
  • 過去の裁判の判例などを参考に交通事故処理委員会が公表している
  • 3つのなかで最も高額な基準となっている
  • 弁護士に依頼すればこの「弁護士基準」で高額の慰謝料請求をできる可能性があります。

    交通事故で過失割合について疑問があるかたは弁護士法人天音法律事務所に無料相談

    任意保険基準だと弁護士基準の約半分の慰謝料しか受け取れない

    上記のそれぞれの基準における計算方法はどうなるのでしょうか。
    それでは、示談金のなかの入通院慰謝料を例に、それぞれの基準で計算していきましょう。

    自賠責基準とした計算方法

    入通院慰謝料は1日あたり4,200円と明確に決められています。

    また、これをベースに「実通院日数×2」もしくは「治療期間」の2つを比較して少ないほうを採用し、それに4,200円をかけて自賠責保険慰謝料とします

    自賠責保険でまかなえるのは最大で120万までにとどまります。

    任意保険基準の計算方法

    一般的には自賠責を基準とした計算方法よりも高額になります。

    たとえば、通院のみ3か月(90日)なら37.8万円、入院のみ3か月(90日)なら95.8万円 …… これらの数値と被害者の症状や進行ステージを考慮して、増額されたり減額されたりの調整が行われます

    弁護士・裁判基準の計算方法

    裁判所基準とも言います。

    「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(赤本)に掲載されている算定表を基準に決められていきます

    骨折などの重症の場合には、入通院慰謝料は通院のみ3か月(90日)なら73万円、入院のみ3か月(90日)なら145万円。

    むち打ちなどで他覚症状が無い軽度な場合には、通院のみ3か月(90日)なら53万円、入院のみ3か月(90日)なら92万円となります。

    算定表の値は基礎の値でありそのまま支払う額になる訳ではありません。

    (4)交通事故の算定基準別の示談金の計算方法~後遺障害等級別・通院期間別~

    ポイント(4)
    示談金はケースによって後遺障害慰謝料・通院慰謝料が大きく変わる
    ポイント(5)はこちら

    後遺障害慰謝料と通院慰謝料の相場を提示します。

    後遺障害の等級別の慰謝料の計算方法

    下の表を見て分かるように後遺障害では等級が一つ変わるだけで、慰謝料が大きく変わります。弁護士基準で計算するのか、任意保険基準で計算するのかでも大きく異なります。

    後遺障害の等級別慰謝料相場一覧

    通院期間別の慰謝料の計算方法

    任意保険基準と弁護士基準の場合の通院日数と通院期間による慰謝料の相場は平均で弁護士基準だと任意保険基準のの2倍の額になることが次の表から分かります。

    任意保険基準の場合
    任意保険基準の慰謝料の表

    弁護士基準の場合

    弁護士基準の慰謝料表

    (5)交通事故の休業損害の計算式|主婦の示談金はどうやって計算するの?

    ポイント(5)
    専業主婦の休業損害の金額は2倍にできる

    休業損害はサラリーマンだけでなく、主婦の方も貰うことができます。

    しかし、通常の休業損害と異なる点があるので、注意が必要です。

    専業主婦の休業損害は計算方法が特別

    主婦の休業損害額(自賠責基準) 5,700×休業日数
    主婦の休業損害額(弁護士・裁判基準) 1万程度×休業日数

    先ほども説明した通り、休業損害の基本的な計算式はこのようになります。

    【専業主婦の休業損害計算方法】
    1日あたりの基礎収入×休業日数

    1日あたりの基礎収入とは、1日あたりの失われた収入を意味します。
    休業日数は、実際に仕事を休んだ日数を指します。

    主婦の基礎収入額(自賠責基準の場合)

    主婦が交通事故に遭った場合、保険会社は、1日あたりの基礎収入について、5,700円として計算することがあります

    しかし、このままの金額で計算をさせるべきではありません。

    なぜなら、実際には裁判をしたり弁護士に示談交渉を依頼した場合、平均賃金の1日あたり1万円程度の休業損害が認められるからです。

    主婦の基礎収入額(弁護士・裁判基準の場合)

    主婦に対する休業損害は、全年齢の女性の平均賃金に基づいて計算をしているので、その基礎収入は1日あたり1万円程度の金額で計算されます。

    例えば3日休んだ場合には3万円、10日休んだ場合には10万円程度、というようになります。

    自分の事故のケースに妥当な金額かどうか、この計算方法に当てはめて、計算してみることをお勧めします。

    相手の保険会社から提示を受けている内容と比較してみましょう。

    具体的な事例から交通事故の慰謝料の計算をしてみよう

    下記のケースを想定して、実際に慰謝料を計算してみましょう。

    • 骨折
    • 実際に通院して治療した日数は30日
    • 通院期間は3か月(90日)

    自賠責を基準とした場合の慰謝料の計算式

    自賠責保険での入通院慰謝料計算方法ポイント

    ・入通院慰謝料は1日あたり4,200円(固定)
    ・「実際に通院した日数×2」か「治療期間」を比較し、少ないほうに4,200円をかける
    ・限度は120万円

    まずは「実際に治療した日数×2」と「治療期間」を比較します。

    ・実際に治療した日数=30日×2=60日
    ・治療期間=90日

    この場合、「実治療日数×2」の60日のほうが少ないため、この値に4,200円をかけることになります。

    したがって、60日×4,200=25万円となります。

    また、第1級から第14級に示される後遺障害慰謝料の額は、自賠責基準の場合、第1級で1100万円、第14級では32万円(上限固定)となっています。

    任意保険基準の場合の慰謝料の計算式

    任意保険基準の場合は計算基準が非公開のため、はっきりと額を提示することはできません。

    目安でいえば、38万ほどです。

    弁護士・裁判基準の慰謝料の計算方法

    骨折の場合、弁護士・裁判基準の入通院慰謝料は、およそ53万となります。

    自賠責保険と比べて増額の可能性が大きいことが分かります。

    また、後遺障害慰謝料の額は、弁護士・裁判基準の場合、第1級で2,800万円、第14級では110万円とされています。

    つまり、きちんと適正な金額をもらうためには、弁護士に依頼して弁護士基準で慰謝料の計算をしてもらうことが重要です。

    まとめ:交通事故の示談交渉に悩んだら、弁護士に依頼を

    被害者本人が自力で保険会社と示談交渉をしても、保険会社の担当者は手ごわいので、なかなか納得のいく慰謝料額を得ることができません。

    慰謝料を一番多く算出できるのが専門家である弁護士・裁判基準の計算方法なので、提示された慰謝料額に納得のいかない場合は、弁護士に相談してみるなどの対応が有効です。

    なお、着手金が無料で成功報酬制の弁護士事務所に依頼すれば、損することは絶対にありません。

    さらに、自動車保険に弁護士特約を付けている場合は、弁護士費用を300万まで被害者側保険会社が負担してくれます。

    弁護士特約を付けている人は使用しないと損なので、自身の加入している保険会社に問い合わせてみましょう。

    天音法律事務所なら弁護士に依頼する際に弁護士特約を使えます

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