2020.4.1 更新

交通事故の慰謝料が丸分かり!通院から6ヶ月後のケースではいくら?

「交通事故によるケガで6ヶ月通院した場合の慰謝料の相場が知りたい」

「保険会社から提示された慰謝料が妥当な金額かわからない」

慰謝料の金額は、どのような基準で決められるのでしょう? また、どの程度の金額が妥当なのでしょう?

交通事故で被害に遭ったとき、加害者との示談交渉でトラブルになりがちなのが慰謝料です。

この記事では、交通事故の被害者が加害者に請求できる慰謝料について、金額の目安から具体的な計算方法まで、法律や保険に詳しくない方にもわかりやすいよう解説しています。

示談交渉を終えてから後悔することがないように交渉の成立前にしっかり確認しておきましょう。

交通事故で6ヶ月通院したときの慰謝料は?

交通事故の被害者が加害者に請求できる「示談金(損害賠償金)」には、経済的な賠償だけでなく、精神的苦痛に対する賠償、すなわち「慰謝料」も含まれます。

たとえば交通事故によるケガで通院すると、治療費や交通費などのほかに、「入通院慰謝料」を請求することができます。

この慰謝料の金額を左右するのは「通院期間(通院日数)」と「慰謝料の算定に使用する計算基準」です。

慰謝料の計算基準には以下の3つがあります。


慰謝料を計算するための3つの基準
自賠責保険基準 法令で定められた最低限の補償
任意保険基準 自動車保険会社ごとに決まっている
弁護士基準 判例に基づいており、弁護士が用いる

今回は以下のようなケースを例に、交通事故の慰謝料を計算する方法を解説していきます。

交通事故の被害にあったAさん
・医師からの診断:むちうち
・入院期間:1ヶ月
・通院期間:6ヶ月

1.自賠責保険基準による計算方法

自賠責保険基準とは、交通事故の加害者が自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)のみに加入していた場合に用いられる計算基準です。

そもそも自賠責保険とは、車を運転する方が最低限の補償をするために、加入が義務付けられている保険なので、3つの計算基準の中で、最も低額となります。

自賠責保険による入通院慰謝料は、1日あたり4,300円です。

慰謝料の計算は「入通院期間(入院期間+通院期間)」と「実通院日数(実際に入通院した日数)×2」の少ないほうの数字に4,300円をかけた金額となります。

【Aさんの場合】
入通院期間=入院期間1ヶ月+通院期間6ヶ月=210日
実通院日数=(入院日数30日+実際に通院した日数〈回数〉50日)×2=160日
210日より160日の方が少ないので、160日に1日当たりの慰謝料を掛けて計算します。
請求できる慰謝料=160日×4,300円=68万8,000円

この自賠責保険基準は、総支払額(治療費、休業損害、通院費、入通院慰謝料などの合計)が120万円を超えない場合に限り、採用されます。

2.任意保険基準による計算方法

任意保険基準は、交通事故の加害者が自賠責保険だけでなく、任意加入の自動車保険に加入していた場合に用いられます。

任意保険は、自賠責保険だけではカバーしきれない部分を補うためのものなので、慰謝料の金額も若干、上乗せされます。ただし、保険会社によって基準額や設定金額が異なるため、一律で計算することは難しいと言われています。

下記の表が任意保険会社の相場です。通院と入院の期間を考慮すると、大体の慰謝料の相場が出せます。

任意保険基準による入通院慰謝料表(単位:万円)任意保険基準による入通院慰謝料表

【Aさんの場合】
入院1ヶ月・通院6ヶ月のため、上の表より
請求できる慰謝料=83万2,000円

自賠責保険基準で計算した68万8,000円は上回っていますが、「そこまでの差ではない」と感じる人もいるかもしれません。これらの金額で納得できない場合は、弁護士に相談したり、裁判を起こすといった選択肢もあります。

3.弁護士基準(裁判基準)による計算方法

弁護士基準は、過去の裁判での判例をもとにしたもので、「裁判基準」とも呼ばれます。他の基準に比べて高額になるケースが多く、自賠責基準と比較すると、約2倍もの差が出る場合もあります

下記の表が弁護士基準の相場です。通院と入院の期間がわかれば、おおよその慰謝料相場が算出できます。

弁護士基準による慰謝料の算定では、他覚症状(他の人から客観的に判断できる症状)の有無によっても金額が変わってくるので注意しましょう。

軽傷(むちうち・打撲等)の入通院慰謝料表(単位:万円)弁護士基準による軽傷(むちうち・打撲等)の入通院慰謝料表

重傷(骨折等)の入通院慰謝料表(単位:万円)弁護士基準による重傷(骨折等)の入通院慰謝料表

Aさんの場合
他覚症状のないむちうちで入院1ヶ月・通院6ヶ月のため、上の表より
請求できる慰謝料=113万円
他の基準の比較すると、その差は歴然ですね。

自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準(裁判基準)
68万8,000円 83万2,000円 113万円

弁護士基準での慰謝料は、「弁護士に依頼をする」か「裁判を起こす」ことで請求できます。弁護士基準の慰謝料が請求できれば、Aさんの例のように自賠責保険基準の慰謝料の金額の2倍近く高額になる可能性もあります。

まとめ|自賠責・任意保険・弁護士基準の慰謝料の金額比較

交通事故の慰謝料の3つの計算基準

前述の通り、交通事故慰謝料の算定基準は「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準(裁判基準)」の3つがあり、どの基準で算定するかで金額が異なります。

ケガの症状や通院の状況によって個人差はありますが、自賠責保険基準と弁護士基準では2倍程度の差が生じます。

したがって保険会社などから提示された慰謝料の金額に不満がある場合は、まずは弁護士に相談することが効果的と言えるでしょう。

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交通事故の慰謝料を納得できる金額にするための4つの方法

慰謝料を含めた示談金(損害賠償金)は、交通事故の加害者が加入する保険会社から支払われます。保険会社にとっては「できれば慰謝料は安くしたい」のが本音。保険会社は、被害者の通院期間や回数などを精査するとはいえ、被害者にとっては納得できない金額になるケースもあります。

慰謝料の金額を正当なものにするためにも、以下のような対応を心がけましょう。

【交通事故の慰謝料を増額する4つの方法】

1.完治または症状固定するまで治療を続ける
2.慰謝料の知識を得る
3.後遺障害慰謝料を請求する
4.最も高額になる弁護士基準で計算する

それぞれの方法について以下で詳しく確認していきましょう。

1.完治または症状固定するまで治療を続ける

「症状固定」とは、治療を継続してもそれ以上症状が良くならないという状態のことです。

もし、通院を継続せず、中断などをしてしまった場合は、期間の長さに関わらず、その時点で症状固定したと見なされて、治療費を打ち切られることになってしまいます。

主治医による症状固定の判断が下されるまでは継続して通院することが大切です。

また、通院を継続していても、あまりに通院頻度が低いと、症状が軽いと見なされ、慰謝料が低く計算される可能性もあります。忙しくても、定期的に通院を続けることが大切です。

通院の一時中断や、頻度の低さなどを理由に、保険会社から治療費等の計算期間を打ち切ると宣告されるケースもあります。その際、慰謝料を低く抑えられないようにするためには、診断書やカルテなどの資料を保険会社へ提出し、まだ治療が必要なことを十分に訴える必要があります。

こうした対応ができるよう、定期的に通院して担当医としっかりコミュニケーションを取り、自覚症状を診断書やカルテに詳細に記載してもらうよう心がけましょう。

もし、通院先の医師との意思疎通がうまくいかなかったり、納得がいかないと感じたら通院先を変えることもできるので、不満を抱え込まないようにしましょう。

重要なポイント
  • 完治または症状固定まで通院は続ける
  • 医師と相性が合わないと感じたら、通院先は変更できる
  • 2.慰謝料の知識を得る

    前述したように、保険会社にとっては「できれば慰謝料は安くしたい」のが本音。交通事故の被害者が保険会社と交渉する際は、保険会社の担当者の言葉を鵜呑みにせず、自身も慰謝料に関しての知識を身につけましょう

    ただ、専門知識のない一般人が一人で、プロである保険会社などの組織に立ち向かうのは困難です。

    知識はもちろんですが、協力してくれる仲間など、武器を身につけて立ち向かうべきでしょう。

    交通事故示談の経験が豊富な弁護士に依頼し、交渉を有利に進められるようにするのも一つの手です。

    重要なポイント
  • 保険会社の言いなりにならないように、慰謝料の知識は可能な限り持っておいたほうがいく
  • 一人で立ち向かうよりも周囲や専門家のサポートを得るのも忘れずに
  • 3.後遺障害慰謝料を請求する

    交通事故の慰謝料には、「入通院慰謝料」以外にも、「後遺障害慰謝料」や「死亡慰謝料」があります。交通事故のケガで治療後も後遺障害が残った場合、入通院慰謝料とはまた別に、後遺障害慰謝料を請求できます。

    すべての後遺症につき請求できるわけではありませんが、後遺障害慰謝料を得ることができれば慰謝料は大幅に増額できるのでぜひ申請方法について確認してください。

    後遺障害慰謝料については記事の後半で詳しく解説していくので「痛みが続いているのに症状固定になってしまった」という方はぜひ、ご覧ください。

    4.最も高額になる弁護士基準で計算する

    慰謝料の3つの計算基準のうち、弁護士基準(裁判基準)が最も高額になるため、保険会社への請求はこの基準で計算したいものです。

    ですが、被害者が独力で「弁護士基準」を計算し、保険会社に提示・交渉するというのは、かなりハードルが高いものです。

    通院治療だけでも気力と体力と精神力を使っている被害者が、加えて交渉まで自分で行うとかなりの負担となってしまうので、最初から弁護士に依頼する方が効率的ではないでしょうか。

    重要なポイント
  • 慰謝料増額の交渉は、1人で行うと非常に難しい。最初から弁護士に相談し、交渉の手助けをしてもらうのが最善の手段
  • 痛みが続いてるのに症状固定になったら|後遺障害慰謝料などの請求を

    交通事故による影響で、6ヶ月など一定期間の通院治療を受けても、仕事や日常生活に支障が出るような障害が残ってしまう場合があります。

    このような場合、後遺障害の等級認定を受けることで入通院慰謝料とは別に
    ・後遺障害慰謝料
    ・逸失利益
    ・休業損害
    の補償を請求することができます。

    後遺障害慰謝料と逸失利益の金額

    「後遺障害慰謝料」「逸失利益」「休業損害」とは

    「後遺障害」とは、治療後にも残ってしまう「後遺症」のうち、交通事故によるものと医学的に証明され、労働能力の低下や喪失が認められるものを指します。

    交通事故による後遺障害と認められた場合には、第1級~第14級までの等級が認定され、等級に応じた後遺障害慰謝料を請求できます。

    後遺障害慰謝料の計算も、入通院慰謝料と同様に「自賠責保険基準」「任意保険基準」「弁護士基準(裁判基準)」の3つの基準があります。

    どの等級に認定され、どの基準で計算するかによって、慰謝料の金額は大きく変わるため、仕組みをしっかり理解しておきましょう。

    後遺障害慰謝料については、別記事で詳しく説明しているので、そちらも参照ください。
    交通事故で後遺障害が・・・後遺障害に対する慰謝料の相場はどれくらい?

    逸失利益と休業損害

    逸失利益とは、交通事故に遭わなければ、被害者が将来、得られたはずの経済的な利益を指します。

    後遺障害によって収入に影響が出ている場合は、後遺障害慰謝料と合わせて逸失利益の補償も得られる可能性があります。

    逸失利益の計算は、以下の計算式で行います。

    基礎収入×労働能力喪失率×就労可能年数のライプニッツ係数(労働に対する将来の利息分を調整する係数)=逸失利益

    基礎収入は給与所得者であれば、原則として交通事故に遭う前の収入(賞与含む年収)がベースとなり、事業所得を得ている人であれば申告所得が目安となります。

    なお、ライプニッツ係数は、2020年4月の民法改正に伴い変更が予定されています。
    2020年4月までのライプニッツ係数表
    ※2020年4月以降のライプニッツ係数表は、国土交通省から公開され次第、掲載します。

    逸失利益を請求するためには、後遺障害慰謝料と同様に、後遺障害の認定を受ける必要があります。申請できるのは「症状固定」後になりますが、それ以前に通院などで休業した場合の経済的損失は、別途に「休業損害」として補償を受けることができます。

    休業損害については、以下の記事でさらに詳しく解説しているので、参照ください。
    交通事故の休業損害の計算方法は?主婦・自営業者はもらえるの?

    後遺障害慰謝料は被害者請求で申請するべき

    後遺障害等級認定の請求方法として

    ・加害者の加入する保険会社が申請手続きを行う事前認定
    ・被害者が自ら申請手続きを行う被害者請求

    がありますが、被害者請求であれば、適正な認定が行われるように自ら立証するため、納得できる結果が得られる可能性も高くなります。

    メリット デメリット
    事前認定 書類・資料集めなどの準備は、すべて加害者の加入する保険会社が行ってくれる。 加害者側の意向を踏まえた認定になる可能性がある。
    被害者請求 適正な認定がされるよう、必要な書類を漏らさず提出できるので、納得のいく等級が認定されやすい。 被害者自身で資料集めや申請を行うので手間がかかる。

    被害者請求をするためには、主治医に後遺障害診断書を作成してもらう必要があります。できるだけ内容は詳細に記載したほうが、後遺障害認定は認定されやすくなります。

    自分でイチから書類等を集め、不備を出さず、適切な後遺障害等級認定を得ることは非常に大変です。弁護士など専門家に任せるという手もあります。

    交通事故に遭ったら早めに弁護士に無料相談する

    交通事故に遭って通院や入院をともなうケガをした場合は、早めに交通事故に強い弁護士事務所に相談しましょう。

    弁護士に相談すべきとされる理由は、以下のようになります。

    • 交通事故の示談金(損害賠償金)が納得のいく金額になりやすい
    • 後遺障害認定などの煩わしい手続きに苦労しない
    • 不安なことがあれば、すぐに相談できる
    • 示談交渉をすべて任せられるので精神的なストレスがない
    • 案件知識が豊富なので、安心して交渉を任せることができる

    弁護士に依頼すれば、示談交渉の代理はもちろん、弁護士基準による慰謝料の計算、後遺障害認定の手続きなどもすべて行ってくれます。

    相談は無料という弁護士事務所も多く、示談が成立していなければいつでも相談は可能なので、まずは無料相談・もしくは電話をしてみましょう。

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