2017.8.10 更新

むちうちで確実に後遺障害の認定を受けるには?

交通事故による被害で最も多い症状である「むちうち」ですが、同じむちうちでもその態様は事故の状況や被害者により異なります。6ヶ月またはそれ以上の期間真面目に治療に通っても後遺症が残ってしまうこともありますが、そのような場合は適切な後遺障害の等級が認定されれば「後遺障害慰謝料」や「逸失利益」といった損害賠償を請求することもできます。では、むちうちの後遺障害に悩む人がどの程度の慰謝料をもらえるのか、確実にもらうためにはどうすればよいかなどを考えてみましょう。

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むちうち症とは

俗に言う「むちうち症」とは、医学的な言葉に置き換えると「頚椎捻挫」と呼びます。これは、自動車に乗っているときに後ろから追突されると、頭が鞭のしなるような動きをすることからこう呼ばれているのです。

身体だけが無理に前方に押し出される動きをしたときに、頭はそのままの位置に留まろうとするため、頸椎にゆがみが生じることからさまざまな後遺障害が現れるものです。むちうちによる後遺症は即日現れるとは限りません。めまいや吐き気などの症状が数日後や数ヶ月後に現れることもあり、そのためすぐにはむちうちの後遺症だと気づかないこともあります。

また、首や頭部以外の症状が出てくることもあります。むちうちかどうかを検査する方法は精度の高いものも登場しており、自己申告により簡単に認定されるものではないと考えたほうがよいでしょう。では、具体的にどのような検査があるのかを見てみましょう。

まず「スパーリングテスト」です。患者はイス等に座ります。頭を後ろに傾けた状態で左右に倒し、それを医師が押さえつけることにより痛みやしびれなどが出るかどうかを確認します。これは機械を使わない上に患者の自己申告のため、この検査だけでは確定的な判断はできず、他の検査と複合的に見て判定されます。

次に「筋委縮テスト」です。これは、上腕(ひじから10センチ上)を左右とも測り、差があるかどうかを見るものです。頸椎捻挫による上肢の麻痺が続くと筋肉が痩せてくるため、委縮がみられるかどうかを検査するのですが、これは被害者自身の意思が入りませんので信憑性の高い所見となります。

そして「深部腱反射テスト」です。これは、腱をゴムハンマーでたたき、反射を確かめる検査です。たたいたことによる反応が正常かどうかを確認します。

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むちうちが後遺症とされにくい理由

頚椎捻挫(むちうち)は、一般的に見て自覚症状だけしかない場合が多く、客観的に証明できるような所見(医師による「他覚的所見」)を得ることが難しいと言われています。後遺障害の等級認定は書面により行われるため、他覚的所見が乏しい場合はどうしても認定されづらくなってしまうのです。

また、認定されたとしても他の症状と比べると軽い場合が多く、しかも現在症状が出ている人でも将来は回復されると見込まれることが多いため、「非認定」あるいは認められても「等級が軽く」なってしまう傾向があります。

むちうち被害者の示談金が少額?

示談金というのは、交通事故を解決するための話し合いの結果として支払う金銭のことであり、慰謝料も含めた形での損害賠償等の総額のことです。主な示談金の内容としては、症状固定(これ以上治療しても症状が良くならないとされた状態)の前であれば「治療費」「通院交通費」「看護料」「入院雑費」「診断書作成費等」「休業損害」「傷害慰謝料(入通院慰謝料)」になります。

また、症状固定の後は後遺障害等級認定がされた場合に限りますが「後遺障害慰謝料」「逸失利益」が認められます。むちうちの場合は上記のように後遺障害等級認定の部分はシビアになりがちですから、示談金が高くなる要素としては長く入通院した場合に入通院慰謝料が上がるといったことならあるでしょう。

ただ、むちうちの場合、たとえ入院したとしてもせいぜい1ヶ月以内であることがほとんどですし、通院6ヶ月経たないうちに打ち切られることが多いのでやはり低額に落ち着いてしまいがちです。

また、入通院慰謝料の基準として用いられている「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(通称「赤い本」)によると、むちうち以外の症状もある場合(別表1)とむちうちだけの場合(別表2)に分かれており、別表2の方はかなり慰謝料が下がってしまいます。「赤い本」の別表を参考にして慰謝料を決定する場合、弁護士に依頼しなければ難しいことも多く、一般の人が自分で交渉しようとした場合、これより低い「自賠責基準」などで示談させられてしまうこともあります。保険会社の提案に安易に合意せず、あらかじめ弁護士に相場を相談しておく方が失敗を防ぐことができます。

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後遺症認定可否による慰謝料の違い

後遺障害の慰謝料は、「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士(裁判)基準」といったものがありますが、
一番高い弁護士(裁判)基準では、後遺障害の等級によって
「第1級=2,800万円」「第2級=2,370万円」「第3級=1,990万円」「第4級=1,670万円」
「第5級=1,400万円」「第6級=1,180万円」「第7級=1,000万円」「第8級=830万円」
「第9級=690万円」「第10級=550万円」「第11級=420万円」「第12級=290万円」
「第13級=180万円」「第14級=110万円」と定められています。

各等級の一覧表では該当する症状を細かく規定していますが、これらの等級のいずれにもあてはまらない、いわゆる「無等級」の場合はまったく慰謝料をもらえないのでしょうか?実務的にはどれにも該当しないケースも結構あるのですが、そのような場合は弁護士を立てて裁判で争うことにより妥当な慰謝料が得られることがあります。

むちうちでは後遺障害が軽いからまったくもらえないのでは?と最初から諦める必要はなく、とりあえず弁護士に相談してみることが肝心なのです。

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後遺障害の慰謝料をもらうには

むちうちによる後遺障害で慰謝料をもらうためには「後遺障害等級認定」という手続きが必要になりますが、これは症状固定と医師が判断した後なるべく早めに行うようにしたいものです。

申請の仕方には2種類あり、1つめは加害者側の保険会社が申請手続きを行う「事前認定」、2つめは被害者側が自ら申請手続きを行う「被害者請求」です。いずれの手続き方法でも、医師による「後遺障害診断書」を作成してもらうことが必要で、その後損害保険料率算出機構という組織が審査を行った上で等級の認定がされます。

この「後遺障害診断書」をいかに適切に記載してもらうかということが納得のいく等級認定のためには不可欠なのです。できれば手続き方法としては後者の「被害者請求」がおすすめです。

「事前認定」は、加害者側の保険会社が手続きを行うため、被害者は後遺障害診断書だけを準備すれば良いという意味で手間はかかりません。しかし、事前認定では被害者に有利な証拠を出す機会がありません。加害者側の保険会社が被害者の立場に立った仕事をしてくれることは通常期待できず、結果的に適切な等級認定がされないおそれがあるからです。

認定される後遺障害等級は?

実際に、むちうちによる後遺障害に苦しむ人が認定される可能性のある後遺障害等級はどの程度のものなのでしょうか?一番重いものでは、「自動車損害賠償保障法に基づく等級表」の第7級4号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」、また、第9級10号「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」に該当した例もあります。

しかし、ここまで重い等級に認定されることは極めてまれで、ほとんどの例は良くても第12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」になり、大部分が第14級9号「局部に神経症状を残すもの」となっています。

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後遺障害等級の認定が否定される場合

後遺障害等級認定の申請をしても、特にむちうちの場合は思ったより低い等級や等級認定自体がされない、いわゆる「無等級」になってしまうケースもあります。もちろん、交通事故自体が軽微なものであったような場合は必然的に症状も軽微であろうという判断になってしまうので等級認定は難しいのですが、そのほかどういった場合に無等級の結果になってしまうかを確認してみましょう。

まず「症状と事故の因果関係が認められない」と判断されてしまうケースです。
これは、事故から時間が経過してから医療機関を受診したような場合や、被害者の訴える症状が最初から最後まで一貫していないような場合、受診していた病院への通院をやめてしまい、数ヶ月の期間が空いているなどの場合です。

また「徐々に回復するだろう」とみられてしまうケースでも認定が難しくなります。診断書に回復傾向があることを示唆するような内容が記載されているとそれは大きなマイナス要素になり、認定を受けられない可能性が高くなると思っておいたほうがよいでしょう。

確実に14級認定を獲得するには

では、後遺障害等級認定を確実に受けるためにはどうしたらよいのでしょうか。上位の等級は難しいにしても、確実にむちうちで第14級を獲得するための条件を考えてみましょう。

前段で「認定が否定される場合」を挙げましたが、要するにそのような状態にならないためにできる努力をすればよいことになります。具体的には以下のとおりです。

「事故の状態と、被害者が医療機関を受診した際に訴えている症状に関連性があること」
「多少良くなってきたと思っても通院を中断することなく継続的に受診すること」
「症状の訴えに一貫性を持たせること(言ったり言わなかったりではなく、気になる症状や日常的な症状は受診のたびに申告する)」「
以前に受診した際の訴えと矛盾する訴えをしないこと」
「必要な検査を必ず受けること(客観的な画像などの資料を提出できるようにするため)」。

必要な検査が何かということはなかなか素人ではわからないものですが、こういった場合にも交通事故の案件に熟練した弁護士であればそのような点も含めてアドバイスを受けられるはずです。

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後遺障害が認められる場合の損害額

後遺障害が認定された場合、いくらくらいの損害賠償を受けられるかということですが、これには3つの基準があります。

1つめは「自賠責基準」です。 これは、上記の第12級に認定された場合、後遺障害慰謝料と逸失利益(交通事故により今までとおりに働けなくなったことによる減収分)を合わせて224万円となっており、そのうち後遺障害慰謝料の部分は93万円です。

同じくむちうちで最も多い第14級に認定された場合、後遺障害慰謝料と逸失利益を合わせて75万円となっており、そのうち後遺障害慰謝料の部分は32万円です。自賠責保険金は強制保険によるものですので交渉によって増額できるというものではありません。

2つめは「任意保険基準」です。 これは、各保険会社により基準は多少異なり一般公開はされていないのですが、通常は自賠責基準より少し高い程度です。被害者自身が交渉しようと思うと最初にこちらの金額を提示されることがほとんどですので、そこであまり考えずに保険会社の言うなりになってはいけません。

3つめは「弁護士(裁判)基準」です。これは上で紹介した「赤い本」の基準に基づいて定められる賠償額基準で、第12級については290万円、第14級については110万円とされています。

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弁護士の力を借りて損害額アップを

上記のように、もし自分で保険会社と交渉しようとすると保険会社側が最初から弁護士(裁判)基準で提案してくることはまずありません。それよりかなり低額(半額など)の任意保険基準を提示してきますが、たとえ被害者側に知識があったとしても弁護士(裁判)基準での請求に取り合ってもらえることはまずないでしょう。

弁護士(裁判)基準まで引き上げようと思ったら、むちうちと後遺障害の因果関係などにつき、それなりの書面等も含めた根拠を提示して論理的に交渉していかなくてはならないので、一般的には弁護士が間に入らなければ難しいでしょう。

また、後遺障害等級認定においても、事故直後から戦略的に等級を取れるような対策を取っておかなければなりません。つまり、交通事故の被害者は事故に遭ったらすぐさま弁護士に相談し、後遺障害の損害賠償額が決まるまでトータルでサポートしてもらうのが一番後で納得のいく結果を得られる可能性が高いのです。

もちろん弁護士なら誰でもよいというわけではありません。 弁護士にはそれぞれ専門分野があり、交通事故の分野は医療分野の基本的知識等もなければならないためはっきりと得手、不得手が分かれます。正式な依頼の前に無料相談などでじっくりと話をしてから決めることをおすすめします。

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