2018.9.20 更新

【判例4選】後遺障害1級の慰謝料と事例をケース別に詳しく解説

後遺障害1級の裁判事例と慰謝料相場
家族が交通事故で後遺障害1級になってしまいました。実際、慰謝料や逸失利益はいくらくらい受け取れるものなのでしょうか。

後遺障害1級に認定されるほどの重傷を負ってしまった場合、慰謝料や逸失利益の計算はとても複雑なものになります。

重度の脳挫傷などによって介護が必要な後遺障害が残ってしまった場合、将来の生活のことなどを考えると正当な示談金を受け取る必要があります。

この記事では、実際に交通事故で後遺障害1級に認定された方の裁判の事例を参照しながら、示談が被害者の方の有利になるポイントについてお伝えします。

  • 過去の後遺障害1級の裁判例が知れる
  • 示談で注意するべきポイントがわかる
  • 示談で請求できることの事例がわかる
この記事でわかること

後遺障害1級3号の慰謝料はいくら?実際の裁判の事例4つ

まずは実際の後遺障害1級3号の事例をみてみましょう。
後遺障害1級3号の損害賠償額の判例一覧
Case1 千葉地方裁判所
(平成18年9月27日)
38歳
郵便局勤務
男性
損害賠償額
約3億1792万円
Case2 福島地方裁判所
(平成13年12月27日)
64歳
大工職人
男性
損害賠償額
約7163万円
Case3 名古屋地方裁判所
(平成14年8月19日)
19歳
専門学生
損害賠償額
約1億8927万円
Case4 名古屋地方裁判所
(平成15年3月24日)
60歳
男性
損害賠償額
約7440万円

※こちらの裁判事例は、すべて裁判所Webサイトに掲載されている判例集より引用しております。

【Case1】損害賠償額:約2億9658万円(症状固定時38歳/男性)

女性アイコン

飲酒運転による事故

  • 歩道の区別のない道路での事故
  • 過失割合 0:10
  • 脳挫傷・外傷性くも膜下出血・外傷性歯牙脱臼等
  • 入院期間299日
  • 後遺障害1級3号

事故の詳細

Case1の事故は、加害者が飲酒運転で追越し禁止の道路を直進している際に起こりました。

加害者は前方の路上駐車車両を追い越そうとして対向車線に進出し、戻ろうと加速走行した際に、前方の状況を十分に確認しませんでした。
そして対向車線上で車両を誘導するため立っていた被害者にノーブレーキで衝突したというものです。

ケガの症状

被害者は症状固定し、四肢麻痺・四肢関節拘縮・遷延性意識障害などの後遺障害が残り、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」として後遺障害等級1級3号に該当するとの認定を受けました。

示談金の総額と詳細

損害賠償額 計 約3億1792万円
うち治療費 1570万6686円
うち逸失利益 7244万1811円
うち慰謝料 3550万円
(傷害分350万円 後遺障害分3200万円)
うち将来の付添介護費用 1億3441万1340円
後遺障害1級のように、被害者の方が介護を必要とする場合、父母や夫、妻など、介護をする方に対しても慰謝料が支払われます

判例のポイント

最愛の家族に四肢麻痺・四肢関節拘縮・遷延性意識障害という重篤な後遺症が残り、今後子供の介護にも当たらなければならず、死亡にも比肩すべき精神的苦痛を被ったと認められました。

このことが考慮され、被害者の両親と子供にはそれぞれ500万円の慰謝料が認められました。

【Case2】損害賠償額:約7163万円(事故当時64歳/大工職人/男性)

女性アイコン

勤務中に巻き込まれた事故

  • 勤務中の交通事故
  • 過失割合 3.5:6.5
  • 急性硬膜下血腫、脳挫傷、頭蓋骨骨折、肋骨骨折、血胸の傷害
  • 入院199日間、通院35日間
  • 後遺障害1級3号

事故の詳細

Case2の事故は、被害者の方が道路の舗装工事に従事していたところ、工事に伴う片側一車線の道路を進行していた加害者の車が被害者の方に衝突し、転倒させてしまったというものです。

ケガの症状

被害者の方は病院で治療後,この事故によって外傷性パーキンソニズムによる運動障害(体幹機能障害及び両手関節,手指の著しい障害)、失語症による言語機能の著しい障害、意思疎通が困難という後遺症が残り、症状固定の診断を受け、後遺障害1級3号と認定されました。

示談金の総額と詳細

損害賠償額 計 約7163万円
うち治療費 683万824円
うち逸失利益 2833万4214円
うち将来の介護費 2883万3759円 
うち慰謝料 3000万円
(傷害分400万円 後遺障害分2600万円)
この判例でのポイントは、逸失利益の計算に当時の年収が5年間認められたということです。

判例のポイント

被害者は事故当時64歳ではあるが,大工職人の仕事をしており、当時の所得は413万4478円で平均賃金以上で健康な限り就業可能でした。

そこで被害者は症状固定時(64歳)から69歳までの5年間は事故当時の条件で勤務し続け、当時の年収を得られたものと認められました。

その後の4年間は、「賃金センサス」という厚生労働省が調査した全労働者の平均賃金を基準に計算され、年収317万5800円を得られたものと認められました。

【Case3】損害賠償額:約1億8927万円(事故当時19歳/学生)

女性アイコン

専門学生の慰謝料請求の事例

  • 車同士が正面衝突した事故
  • 過失割合 0:10
  • 脳挫傷,右大腿開放性骨折,右血気胸,両膝挫創の傷害
  • 入院約4か月
  • 後遺障害1級3号

事故の詳細

この事故は、加害者が制限速度を大きく上回る速度で中央線を越えて車を進行させたため、対向車線を進行していた被害者と正面衝突してしまったものです。

加害者の一方的かつ極めて重大な注意義務違反により発生したものであり、被害者側には過失相殺とすべき程の落ち度はなかったものと認められました。

ケガの症状

被害者は症状固定の診断を受け、頭部外傷による四肢痙性麻痺及び高度意識障害が残存し後遺障害1級3号が認定されました。

示談金の総額と詳細

損害賠償額 計 約1億8927万円
うち治療費 150万9740円
うち慰謝料 2800万円
(傷害分 200万円 後遺障害分 2600万円)
うち逸失利益 6795万1997円
うち将来の介護費用 7226万9240円
この判例でのポイントは、学生でも将来の収入が認められたということです。

判例のポイント

このケースでは、被害者は当時専門学生であり、卒業後には歯科衛生士として歯科医院に勤務し収入が得られるはずだったと認められました。

そのため症状固定時の「賃金センサス」の短大卒・女子労働者の全年齢平均賃金を基準とした逸失利益が支払われました。

【Case4】損害賠償額:約7440万円(症状固定時60歳/男性)

女性アイコン

公共施設利用中の事故

  • 市バス乗車中の事故
  • 過失割合 1.5:8.5
  • 頚椎損傷
  • 入院期間1年6ヶ月
  • 後遺障害1級3号

事故の状況

Case4は、被害者が市バスに乗車していた際に、運転手の不注意により急停車した衝撃で、車内床に転倒しパイプに頭部を強くぶつけ、頚椎損傷の傷害を負ってしまった事故です。

ケガの症状

被害者の方は症状固定と診断され、神経系統の機能又は精神に著しい傷害を残し、常に介護を要するものとして後遺障害1級3号の認定を受けました。

日常生活で介助を要する状況となり、頚部以下の感覚が麻痺しており、介助により立った上なら歩行器歩行のみが可能であるが実用的な歩行は不可能、高度の排尿困難もあり今後も合併症による増悪がありうると診断されました。

示談金の総額と詳細

損害賠償額 計 7440万4390円
うち治療費 420万2326円
うち逸失利益 4479万7827円
うち将来の介護費 2807万7990円
うち慰謝料 3167万円
(傷害分367万円 後遺障害分2800万円)
この事故では、過失相殺がなされています。

判例のポイント

被害者に過失があると認められた場合、過失相殺がなされることがあります。

この事故では、運転手の不注意による急停車により被害者を含む乗客に急激な衝撃を与えました。

市バスの運転手には安全運転の義務がありますが、バスの運行に伴う危険防止のため、やむを得ず制動措置等をとることがあります。
また乗客にも、バスの発進や走行中の揺れに伴う危険から自らを守る努力が求められるべきです。

しかし、被害者の方はバス停が近づいてきたために降車のため席を立ち,その後安全確保のためにつり革や手すりに掴まっていなかったという事実から過失相殺が認められました。

後遺障害1級の慰謝料相場より少なすぎないか比較してみましょう

判例は参考になったでしょうか?
はい。自分と似た境遇の方の事例を見ることができて少し不安がやわらぎました。
でも、やっぱり年齢とか状況とか違うしなあ…自分の場合はどうなんだろう…。

後遺障害1級の慰謝料相場

慰謝料は、事故に遭ったことで生じた「精神的苦痛」に対する賠償金であるため、具体的な金額にするのは難しいことです。

ですが、類似ケース同士で金額が大幅に違わないようことで公平性が損なわれないよう、慰謝料の基準額がさだめられています。

後遺障害慰謝料の基準額

後遺障害1級の後遺障害慰謝料の基準:2800万円

先ほどご紹介した判例でも、この基準額をベースに、実際の慰謝料額を決めています。

症状やケースによって慰謝料の額は異なる

同じ級や症状でももらう慰謝料の金額は人によって異なります。
後遺障害1級では、介護を必要とする後遺障害かどうかでも大きく金額が変わります。

あくまでも相場は目安なので、一人ひとりのケースに沿って一つひとつ考えていくことが必要です。

交通事故で弁護士に相談する必要性

後遺障害1級にもいろんなケースがあり複雑、適切な対応をするにはどうすればいいのでしょうか。
弁護士に相談することで、適切な対応を施してもらえますよ。

弁護士に依頼するメリット

  • 精神的負担を軽減することができる
  • 複雑な手続きを任せることができる
  • 慰謝料や逸失利益を増額できることがある
  • 事故のケースごとに適切な対応をしてもらえる

後遺障害1級に認定されるほどの重傷を負ってしまった場合、慰謝料や逸失利益の計算はとても複雑なものになります。
また、ケースによって大きく異なるので自分では判断が難しいことがあります。

保険会社からの提示金額だと、被害者の受け取る適切な補償ではないこともあります。

弁護士は被害者の方の味方です
被害者の方の未来に繋がるよう尽力いたしますので、まずはご相談ください。

交通事故の無料相談はこちら

ご相談ください

こんな方は今すぐ相談!

  • 事故の事を誰かに相談したい
  • 保険会社の態度や対応に不満がある
  • 慰謝料の金額や過失割合に疑問がある
相談無料

天音総合法律事務所

0120-335-035

ご相談の前に


以下の件についてはご相談やご依頼をお断りさせて頂いております。
  • 事故の加害者側
  • 物損事故(お怪我のない方)
  • 自損事故
  • 他事務所依頼中
  • 事故と関係ないご質問、ご依頼

天音総合法律事務所なら弁護士に依頼する際に弁護士特約を使えます

関連記事一覧

交通事故の重度後遺障害にお困りの方へ|等級認定と各種手続き方法

後遺障害認定で非該当の理由は?認定と慰謝料増額のためにすべきこと

後遺障害12級の慰謝料で290万円?弁護士基準の金額と増額した例

後遺障害10級の慰謝料の平均金額は?慰謝料と逸失利益の金額の例

後遺障害13級の慰謝料の金額は?弁護士依頼で120万円増額した例

お悩み別ページ

ページランキング

  1. 交通事故で評判の良い弁護士事務所とは?被害者必見の弁護士の選び方
  2. 交通事故で依頼すると後悔する弁護士3つの特徴|体験談も掲載
  3. 後遺障害とは?等級認定の流れと等級表でみる1級~14級の認定基準
  4. 【保存版】交通事故の慰謝料相場はいくら?必ずわかる計算方法まとめ
  5. 交通事故の慰謝料が丸分かり!通院から6ヶ月後のケースではいくら?

カテゴリ一から探す