2017.7.26 更新

むちうちで医師に後遺障害診断書を書いてもらう際のポイントまとめ

交通事故被害の中でも多いむちうち症。比較的軽度なケガと思われがちですが、必ずしもそうではありません。場合によっては後遺症が残ってしまうこともあるのです。交通事故でむちうち症になり、後遺症が残ってしまった場合、後遺症認定を受けられる可能性があります。後遺症認定の申請をする場合、診断書を提出するのですが、その内容や書き方が適切であれば、認定を受けられることが多いです。そこで、診断書の重要性を中心に、むちうち症の知識から後遺症認定まで見ていきましょう。

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むちうち症の特徴

交通事故に遭遇した場合、体に強い力を受けます。その際、首にかかる負担も少なくありません。人間の体の中でも頭部は重いため、衝突の衝撃で首の骨は大きくしなってしまいます。

これが原因で首に痛みが出たときの症状をむちうち症と言います。鞭を打ったような形でしなるので、このような名前がつけられました。ただし、むちうち症にもいくつかの種類があり、症状もそれぞれで違います。

むちうち症で大部分を占めるのが頸椎捻挫と呼ばれるものです。首に強い力がかかり、捻挫のしたような状態になります。静止した状態であれば特に問題ないのですが、動かすと少し痛みを感じるのがこの症状の特徴です。

頸椎捻挫の状態になった場合、痛みが出るのは首だけではありません。首の近くにある肩や背中などからも痛みを感じるようになります。さらに首、肩、背中の凝りが出てしまう場合も少なくありません。また、交通事故による首の衝撃が強い場合、首の骨の内部まで負担がかかってしまうことがあります。それにより、自律神経まで傷がついてしまう場合も出てきてしまうのです。

このような症状のことをバレー・ルー症候群と言います。自律神経には交感神経と副交感神経があり、人間の生活リズムを保つ役割を果たしています。しかし、自律神経が乱れてしまうことで、体に不調が出てしまうのです。めまい、吐き気、頭痛、耳鳴りなどがバレー・ルー症候群の代表的な症状です。

また、自律神経の乱れにより、不眠症になってしまう場合もあります。これらのほか、脊髄に負担がかかり、その中の神経の元が引き伸ばされたり、圧縮されたりしてしまう神経根症状というむちうち症もあります。この場合、首だけでなく顔面や後頭部に痛みを感じることも多いです。また、全身の力が入りにくくなったり、痺れを感じたりする場合もめずらしくありません。

さらに、倦怠感が出てしまうこともあります。むちうち症の中でも後遺障害が残りやすいのが脊髄損傷です。脳からの伝達機能の役割を果たす脊髄が傷ついてしまうことで、全身に麻痺が残ってしまう場合もあります。また、歩行障害や知覚障害が出る場合も少なくありません。

その他、まれではありますが、交通事故の強い衝撃により、脊髄の中にある脳髄液が出てしまう場合が見られます。このむちうち症を脳髄液減少症と言いますが、頭痛、だるさ、不眠症などの症状が出てしまいます。

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むちうち症にある3つの診断書

交通事故が原因でむちうち症になってしまった場合、加害者へ慰謝料を請求します。また、病院で治療してもらうことになるでしょう。その際、必要となるのが診断書です。

診断書とは、病院の患者の診断した結果を記載した書類を言います。診断した医師が、病名や具体的な症状、今後の治療見込などを書いて作成します。診断書の存在により、交通事故によって負ってしまったむちうち症の状態を明らかにできるのです。

むちうち症になった時の作成する診断書は3種類存在します。具体的には、警察提出用、加害者提出用、後遺症認定で、それぞれ提出先や利用目的が違います。 警察提出用は、交通事故でむちうち症と診断された場合、最初に作成してもらう診断書です。

被害者が交通事故によるむちうち症の被害にあった場合、加害者へ人身損害による慰謝料を請求します。しかし、警察から人身事故の扱いにしてもらわないと人身損害による慰謝料を請求できません。

そこで、自分は交通事故被害でむちうち症になったことを認めてもらうため、警察へ診断書を提出するのです。警察へ提出された診断書は、加害者の刑事処分の決定にも関係してきます。

加害者提出用とは、加害者側の保険会社へ提出する診断書を言います。交通事故被害でむちうち症にあった場合、まず警察提出用の診断書を作成します。しかし、時の経過とともに新たな症状が出たり、想定よりも治療期間が長くなったりする場合も少なくありません。

このような場合、警察提出用の診断書の内容より損害が大きくなるのが通常です。しかし、その内容を変更しておかないと、警察提出用の診断書に記載されている内容が損害額と認定されてしまいます。

したがって、損害全額を請求できるようにするため、この診断書を作成して加害者側の保険会社へ提出するのです。 そして後遺症認定用の診断書です。交通事故でむちうち症になってから6ヶ月以上治療しても、完治せず症状が残ってしまうこともあるでしょう。

このような場合、医師から症状固定の診断を受けます。むちうち症が症状固定の状態になると、後遺症認定を検討します。請求できる慰謝料の額が大きくなるメリットがあるからです。この手続きの際、提出しなければならないのが、後遺症認定の診断書です。

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むちうち症で後遺症認定を受けると慰謝料が増額

身体にケガを負った場合、程度によっては後遺症が残ることもあります。後遺症とは、治療しても完治せず、神経や体の機能に障害が残ってしまうことです。負った怪我が後遺症となり、その原因が交通事故であることを医学的に認めることができ、なおかつ労働力の低下を及ぼす場合、後遺症認定を受けられます。

それによって、傷害部分の慰謝料だけでなく、後遺障害部分の慰謝料も請求することが可能です。慰謝料の請求範囲が広くなるので、請求額も大きくなります。交通事故でむちうち症になった場合、自律神経や脊髄の中枢神経や末梢神経が損傷して神経症状が出てしまう場合も少なくないため、後遺症認定を受けられるケースがあります。

後遺症認定をする場合、等級が定められています。その中で第14級9号に局部に神経症状を残すものと定められています。むちうち症はこの規定に該当し、第14級の後遺症認定を受けられる場合があるのです。さらに第12級13号では、局部に頑固な神経症状を残すものとの規定があります。これはむちうち症の状態を外から見て、医学的に証明できることです。こちらに該当すれば第12級の後遺症認定が受けられます。

後遺症認定を受けた場合、後遺障害部分の慰謝料も請求できるので、その分だけ増額が可能です。後遺症認定を受けた場合の慰謝料を請求する際は、自賠責保健基準、任意保険基準、裁判基準のどれかを基準にしてその額を算出します。

むちうち症に該当する第12級と第14級は、等級の中では低い慰謝料の基準額となっています。ただ、裁判基準の場合、第14級の場合でも110万円です。第12級の場合であれば290万円に跳ね上がります。むちうち症で後遺症認定を受けた場合、裁判基準で慰謝料の額を算出すれば、100万円以上増額します。むちうち症でも慰謝料の大幅増額を見込めるので、後遺症認定を受けられるか否かはとても重要になります。

むちうちで後遺障害認定を受けるには診断書が肝心

後遺障害認定を受けるには、その条件を満たさなければなりません。この認定申請をする場合、後遺障害に該当していることを証明するため、診断書を提出します。

交通事故でむちうち症になり、後遺障害認定を受ける場合、診断書にどのような内容が記載されているかが肝心となるのです。後遺障害を認定してもらうには、診断書の記載事項の中で自覚症状が重要になります。ただ、自覚症状があるという結論だけ記載しても、認定してもらうのは難しいでしょう。

自覚症状を医学的に証明できる内容を記載すると、認定を受けられる可能性も高くなります。診断書でむちうちの自覚症状が医学的に証明できれば、第12級の認定基準を満たせるからです。むちうち症を医学的に証明できるものとして、レントゲンやMRIがあげられます。

これらの画像に映されているむちうちの症状を根拠にして診断書へ記載すれば、より説得力のある主張を展開できるでしょう。ただ、むちうち症の程度によっては、レントゲンやMRIで検査を行っても、画像にその症状が映らないときもあります。

このような場合、ジャクソンテストやスパークリングテストなどの検査を行うことで対処可能です。ジャクソンテストとは、人を座らせた状態にして、頭の上を押すことによって行う検査です。首の痛みがでるか否かでむちうち症を判断します。スパークリングテストとは、頭をつかんで痛みやしびれが出るか否かを見る検査です。

どちらも自己申告制の検査になりますが、その結果は、診断書の自覚症状の記載事項に、ある程度説得力を持たせることができるでしょう。その他、膝下をたたいて、その反応を見る腱反射テストも有効な検査方法です。反応が鈍いと神経に障害があると判断できるので、後遺障害認定の条件を裏付ける材料になります。

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後遺障害診断書を書きたがらない医師もいる

後遺障害の診断書を作成できるのは医師だけです。交通事故でむちうち症になり、後遺障害認定を受けようとする場合、その診断書を医師に書いてもらいます。むちうち症治療のため、通院した病院の医師であれば診断書を書いてもらえるのが通常です。しかし、すべての医師が対応してくれるわけではありません。なかには診断書を書きたがらない医師もいるのです。

このような医師に当たってしまった場合、診断書を入手するのに苦労してしまう場合があります。それにより、後遺障害の申請手続きが先に進まないことも少なくありません。医師が後遺障害の診断書を書きたがらない理由はいくつかあります。

まず診断書の書き方をよくわからないからです。医師の中には後遺障害の診断の経験が乏しい人もいます。このような人は、診断書を書く機会がなかなかありません。その結果、診断書の書き方を覚えられないままの状態になってしまっているのです。診断書の書き方の不備があると責任を問われる可能性もあります。そのようなことから、診断書の書き方がよくわからない医師は、依頼を拒否してしまうのです。

このような医師の在籍している病院の中には、診断書を書かないという方針のところもあります。また、交通事故の紛争に巻き込まれたくないというのも、診断書を書きたがらない理由の一つです。細かいことにこだわる人や何かともめそうな人から診断書の作成を依頼された場合、拒否することがあります。

一方、交通事故の診断に慣れている病院であれば、診断書を書きたがらない医師に遭遇してしまう可能性は皆無と言えるでしょう。したがって、スムーズに診断書を入手して後遺障害認定を受けたいのであれば、交通事故の診断に慣れている病院の利用がおすすめです。

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適切に慰謝料をもらうための注意点

交通事故を起こして、相手の人に被害を与えてしまう行為は不法行為にあたります。そのため、被害者は加害者に対して、損害賠償による慰謝料を請求できる権利を持つのです。しかし、事故現場で慰謝料の話はしないようにしましょう。

慰謝料は、当事者の過失割合によって、その額が決まるからです。交通事故を起こした直後の場合、どちらにどのくらいの過失があるのか明確ではありません。交通事故の被害者が適切な慰謝料をもらうには、当事者の過失割合が明らかになってから、示談交渉などをして解決していくのが通常です。

また、交通事故でむちうち症になり、期間の経過とともに症状が悪化してしまう場合も考えられます。このような場合、事故現場で慰謝料の話をしてしまうと、慰謝料全額を請求できなくなってしまうので注意が必要です。また、交通事故でむちうち症になり、継続して治療しても完治しない場合もあります。

このような場合、後遺障害認定を受けられるので、より多くの慰謝料を請求することが可能です。後遺障害認定を認めてもらうには、原則医学的に自覚症状を証明できなければなりません。交通事故の被害にあった場合、すぐに病院へ行ってレントゲンやMRIなどで精密な検査を受けましょう。

そして、被害者が交通事故の慰謝料を請求する場合、加害者の保険会社へ請求することが多いです。保険会社は、法的に認められた限度の金額しか慰謝料を支払わないのが通常です。被害者は法的根拠を明らかにして、加害者の保険会社へ慰謝料を請求する必要があります。

したがって、通院による治療費の領収書や事故現場の写真など交通事故関係の書類をしっかり保管しておくことが欠かせません。 交通事故でむちうち症になった場合、適切な慰謝料を請求するには、診断書の作成をはじめ、いろいろな点に気をつけなければなりません。しかし、弁護士などの専門家に相談すれば、安心して手続きを進めていけるでしょう。

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