2020.4.3 更新

むちうちの治療期間はどれくらい?慰謝料の相場と保険会社への対応の注意点

むちうちは、追突や衝突などの交通事故によって首がムチのようにしなったために起こった症状の総称です。医学的な名称ではなく、カルテには「頸椎捻挫(けいぶねんざ)」「外傷性頸部症候群」といった記載がなされます。

症状も「首の痛み」だけでなく「手足のしびれ」や「めまい・吐き気・耳鳴り」などさまざまで、治療方法もいくつもあります。

そのため、むちうちの治療期間は明確に示せるわけではありませんが、目安として治療期間は3ヶ月ほどと言われており、ひどい場合は6ヶ月程度となります。

通院期間が長くなるほど慰謝料も高くなる傾向にあり、後遺症がなければ32~290万円程度の金額を請求できます。

むちうちによる慰謝料の相場は、自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準のいずれかによって算出されます。

慰謝料などの損害賠償請求を適切に行うためにも、むちうちの治療期間や慰謝料、後遺障害認定の流れについて押さえておくことが重要です。

交通事故でむちうちになった実際の事例も踏まえて解説していきます。

【症状別】むちうちの治療期間は?

交通事故によってケガを負ってしまった場合の治療期間は、大きく分けて2つのパターンがあります。

1つは後遺症が残らないパターンであり、ケガをしてから完治するまでが治療期間となります。

もう1つは、後遺症が残ったパターンであり、症状固定(治療を継続しても症状の改善が見込めない状態)までが治療期間となります。

また、治療と同時にリハビリも進めることになりますが、むちうちの場合では「牽引療法」「電気療法」「温熱療法」などが主なリハビリの種類です。

リハビリ
の種類
内容 治療期間
牽引療法 首を引っ張ることによって、頸椎(けいつい)椎間関節の
歪みを矯正し、症状の改善を促す。
約3~6ヶ月
電気療法 低周波治療器や干渉波治療器などを使って、筋肉に電気の刺激を
与えてほぐす。痛みの緩和や血行の改善などを促す。
温熱療法 筋肉を温めることで血行を良くし、痛みを緩和させる。
ホットパック・赤外線・マイクロウェーブなどの方法がある。

治療の際に注意しておきたいポイントは、以下の2点です。

  • 治療やリハビリは最低でも週2〜3回通い続ける
  • 医師と相談し、症状固定のタイミングを見極める

通院日数や治療の頻度は、後から請求する慰謝料の金額にも影響を与えます。そのため、治療やリハビリの期間が開いてしまうと保険会社から、「大したケガでない」と判断される恐れがあります。

同様に症状の改善が見られない状態で治療を続けても、「すでに完治している」と誤解され、治療費を打ち切られる可能性があります。症状の具合を見ながら、医師と相談することが重要です。

整形外科で診断してもらった後であれば、整骨院で痛みを和らげる施術を行ってもらう選択肢もあるので、自分に合った方法を見つけてみましょう。

治療期間中の通院頻度

交通事故によるケガの治療は、症状の程度によって個人差はあるものの、一般的な通院期間の基準があります。

具体的には、むちうち3ヶ月・打撲1ヶ月・骨折6ヶ月程度が目安となります。

むちうちを治療するための通院ペースは、2日に1回が望ましいですが、ひどい痛みを感じるときは毎日通院する必要もあります。

通院をする際に気をつけるべきことは、「通院回数が多い=症状が重い」と相手方の保険会社が判断する点です。

ケガの程度によって通院期間も変わってくるので、自己判断で治療を止めてしまうのではなく、経過を見ながら慎重に対応していく必要があります。

軽度のケガでも通院は続けるほうが賢明

交通事故にあったときに、目立ったケガがないと治療を続けるべきか迷ってしまうこともあるでしょう。

ただ、軽度のケガといっても甘く見ずに、基本的には通院を続けたほうが無難です。

特にむちうちの場合は個人差があるため、事故発生からしばらく経って症状が出てくるケースもあります。

大したケガではないからといって治療を受けずにいると、ケガと交通事故との因果関係があいまいになる恐れもあります。

慰謝料の請求にも影響が出てしまう可能性があるので、注意が必要です。

治療の打ち切り?加害者側の保険会社のこんな行動に注意!

むちうちの治療期間中は、事故前の状態に戻るよう治療を続けることが最善です。

しかしもう一つ、気をつけておきたいポイントがあります。
それは保険会社への対応です。

むちうちは骨折などとは異なり、画像など明確な他覚症状を示せないケースも多く、「大したケガではない」とみなされがちです。もちろん保険会社の立場だと「できるだけ賠償金は抑えたい」気持ちもあるでしょう。

そんな理由から保険会社が「治療費を打ち切りたい」などの連絡がくる可能性があります。

もちろん、症状が残っている以上は治療を続けるべきですし、治療にかかった費用は加害者側が負担するのが義務です。
ですので、治療の正当性をしっかりと示す必要があります。

ここからはむちうちの治療期間中、保険会社に対処するための2つのポイントを紹介していきます。

どのような点に注意すべきかを把握して、その対処法も押さえておきましょう。

保険会社の行動で注意すべき2つのポイント

加害者側の保険会社には、支払う慰謝料や治療費をなるべく抑えたいという思惑が働いています。

そのため、保険会社の指示通りに行動してしまうと、適切な補償を受けられない可能性もあります。

保険会社の行動の中でも特に注意すべきなのは、以下の2点です。

  • 通院日数を認めない
  • 治療の打ち切り、症状固定の打診

通院期間が空き過ぎてしまうと、ケガの程度が軽いと判断されて、治療費の支払いを拒否されてしまうケースがあります。

また、症状固定を頻繁に勧められたり、治療を継続しているにもかかわらず治療費の打ち切りを打診されたりするケースもあるのです。

一定周期でしっかり治療を続けているにも関わらず、治療費を払ってもらえない事態はなんとしても避けなければなりません。

とはいえ、被害者一人で大きな組織である保険会社に対応するのは困難です。

自分では対処できないと思ったときには、弁護士に相談することを検討しましょう。

打ち切りと認められないための対処法

加害者が加入している保険会社は、被害者の治療費を支払う義務があります。

そのため、保険会社が治療費の支払いを打ち切ろうとしても、単に通院期間が空き過ぎているなどの理由で打ち切ることは不当でもあるのです。

医学的な根拠にもとづいて治療の継続が必要な場合には、後から治療費の打ち切りが撤回される可能性は十分あります。

保険会社から治療費を打ち切ると宣言されると、それがルールと感じて受け入れてしまいがちですが、必ずしも正しい判断とは限りません。
まずは、医師と相談し治療の必要性を確認した上で、保険会社と交渉を試みましょう。

ただし、「保険会社の圧力に耐えられない」「つい遠慮してしまう」ような場合は、打ち切られた治療費を自賠責保険に請求するのも可能です。

相手方の保険会社だけでなく、自賠責損害調査事務所も交えることによって、治療費の打ち切りに妥当性があるのかを判断してもらいます。

ただ、専門的な手続きが必要になるため、弁護士に相談してみたほうが良いでしょう。

保険会社への対応に困ったら弁護士に相談

弁護士に交通事故の示談交渉を依頼するときは、以下の3つポイントを意識してみましょう。

    (1)交通事故案件を専門に取り扱っている弁護士を選ぶ

    (2)弁護士費用特約を利用できる弁護士を選ぶ

    (3)コミュニケーションがとりやすく、やりとりがスムーズな弁護士を選ぶ

交通事故を多く扱っている弁護士であれば、治療費の交渉だけでなく、示談交渉全般について適切なアドバイスを受けられます。

また、後遺障害の等級認定手続きや慰謝料などの損害賠償請求も任せられるので、心強い味方となってもらえるのです。

弁護士費用特約を利用すれば、弁護士に支払う報酬の負担を軽減できるので、気軽に相談しやすくなるはずです。

加入する保険会社のオプションとして、弁護士費用特約が設定されている場合も多いので、事故後の早い段階で確認してみましょう。

そして、適切に治療費や慰謝料を加害者側に請求していくためには、弁護士との綿密なやりとりが欠かせません。

コミュニケーションが取りやすく、やりとりがスムーズな弁護士を選ぶほうが、早期に問題を解決できます。

弁護士に依頼をすれば慰謝料が約2倍に!

交通事故でむちうちと診断された場合には、慰謝料を請求することができます。

算定基準や治療期間によって請求できる慰謝料額も違ってくるので、基本的なポイントを押さえておきましょう。

慰謝料を計算する3つの算定基準

慰謝料の請求額は、自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準のいずれかによって算定されます。

自賠責保険基準は強制加入である自賠責保険による補償であり、3つの基準の中では最も低くなります。

任意保険基準は保険会社によって金額が異なりますが、自賠責保険でカバーできない部分を補償するといった意味合いが強いものです。

そして、弁護士基準は他の基準と比べて最も高く、自分で請求する場合と比べて約2倍の慰謝料を請求できる可能性もあります。

弁護士に依頼をすることで弁護士基準が適用される点を押さえておきましょう。

治療期間ごとの慰謝料相場

慰謝料の相場は治療期間によって異なり、以下の表(通院のみの慰謝料相場)がその目安となります。

治療期間
(通院のみ)
自賠責保険基準
(ひと月の通院回数
が12回の場合)
任意保険基準 弁護士基準
1ヶ月 103,200円 126,000万円 190,000円
2ヶ月 206,400円 252,000円 360,000円
3ヶ月 309,600円 378,000円 530,000円
4ヶ月 412,800円 479,000円 670,000円
5ヶ月 516,000円 567,000円 790,000円
6ヶ月 619,200円 643,000円 890,000円

※自賠責保険基準、弁護士基準は日弁連交通事故相談センター「損害賠償算定基準(通称:赤い本)参照
※任意保険基準は平成11年まで採用されていた旧任意保険基準を参照

自賠責保険基準の入通院慰謝料の算出方法

自賠責保険基準における入通院慰謝料の算出は、以下の2つの計算式にあてはめたときに「金額の少ない方」が適用されます。

(1)4,300円×治療期間(病院で通っていた期間)
(2)4,300円×実通院日数(実際に病院に通った日数)×2

ただ、あくまでも目安であるため、正しい金額を知りたい場合には弁護士に相談をしてみましょう。

後遺障害認定と慰謝料の目安

ケガの治療を続けても完治せずに、後遺症が残ってしまう場合もあります。

そのときは後遺障害認定を受ければ、入通院慰謝料に加えて後遺障害慰謝料も受け取れる可能性があります。

ただ、後遺障害と認定されなくても、入通院慰謝料の請求はできます。

後遺障害認定とむちうちの場合の慰謝料について解説します。

後遺障害の認定とは

後遺障害は、交通事故によって引き起こされた障害や症状の中で、医学的な証明にもとづくものを指します。

治療の結果、後遺症が残ってしまったときには後遺障害認定を受けることで、請求できる慰謝料がさらに高くなる可能性があるのです。

認定を受けるためには後遺障害診断書のほかに、レントゲンの画像データなどさまざまな書類が必要になります。

自分で準備することが難しいと感じたときには、弁護士に依頼をすることでスムーズに手続きが行えます。

むちうちの等級認定と慰謝料

むちうちの症状は個人差があるため、医学的な証明が難しいといった特徴があります。

そのため、一般的には後遺障害の認定を受けにくいと言われているのです。

むちうちの等級認定は、「12級13号」「14級9号」 である場合がほとんどであり、以下のような基準となります。

「局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)」
「局部に神経症状を残すもの(14級9号)」

「傷害の存在が医学的に証明できるもの」「他覚的所見として、画像診断や神経学的所見などが認められた場合」は12級に該当します。

「医学的に説明可能な傷害を残す所見があるもの」は14級に該当する可能性があります。

また、むちうちの慰謝料は下記の表が目安となります。

等級 自賠責保険基準 弁護士基準
12級 94万円 290万円
14級 32万円 110万円

高次脳機能障害が見られれば、さらに等級が高くなる可能性もあるので、適切な診断結果をもとに後遺障害認定を申請しましょう。

まとめ

むちうちの症状は個人差があるため、事故発生直後には症状が現れないこともあります。

しかし、軽い症状だと思い込まずに、しっかりと治療やリハビリに取り組むことが大切です。

治療期間は慰謝料の請求にも影響を与えるものであり、通院期間が空き過ぎてしまうと治療費の支払いを打ち切られてしまう可能性もあります。

保険会社とのやりとりや慰謝料の請求、後遺障害認定の手続きなどに困ってしまったときには1人で悩まずに、弁護士に相談をしてみましょう。

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