2020.2.14 更新

交通死亡事故による慰謝料はいくら?相場や請求方法について

「死亡事故での慰謝料はいくらになるのか知りたい」

死亡事故の場合、被害者のご家族は以下の2つの慰謝料を請求できます。

  • 亡くなったご本人への慰謝料
  • そのご家族または近親者の方への慰謝料

前者の場合、2つの基準での算定方法があるので、弁護士基準と自賠責基準でどのくらい金額差が出るのか知っておくことが大切です。

この記事では、死亡事故で請求できる慰謝料の金額の相場や相続等に伴う複雑な手続きなどについて弁護士監修のもと解説しています。

※過去の判例をより詳しく知りたい方は【判例4選】被害者死亡の交通事故でのケース別の慰謝料を徹底解説もご覧ください。

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死亡交通事故における慰謝料額の基準と計算方法

交通事故によって家族が死亡した場合、慰謝料やその他の損害賠償金を含めると数千万円規模の金額となります。

ただ、慰謝料の金額はどの基準で計算をするかによって大きく違ってきます。

慰謝料を計算する基準は大きく分けて、自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士(裁判所)基準の3つがあります。

それぞれの基準での計算方法について見ていきましょう。

自賠責保険基準での計算

自賠責保険基準での計算は、「被害者本人の慰謝料」と「遺族の慰謝料」の2つを合計したものになります。自賠責保険基準による被害者本人の慰謝料の相場は、以下の通りです。

被害者本人の慰謝料

死亡事故における自賠責基準は、一律で350万円と決められています。

出典元:「損害賠償額算定基準2017(平成29)年版」 ※通称:『赤い本』より

遺族の慰謝料

請求権者(慰謝料を請求する権利のある人)の人数によって変動します。

請求権者とは、被害者の父母(養父母含む)、配偶者子ども(胎児、養子、認知した子ども含む)で、民法の711条で認められています。

請求権者数
(慰謝料を請求する遺族の数)
慰謝料額
1人 550万円
2人 650万円
3人以上 750万円
さらに被害者に被扶養者がいる場合は、上記の金額に200万円が追加されます。

※被扶養者とは被保険者(この場合「被害者」)の収入で生計を立てている一定の範囲の扶養家族のこと
出典元:「損害賠償額算定基準2017(平成29)年版」 ※通称:『赤い本』より

【例】

被害者に配偶者と子どもが一人いて、二人とも被扶養者だった場合

被害者本人慰謝料 350万円
遺族の慰謝料 650万円+200万円=850万円
合計 1200万円

国から受けられる最低限の補償という性質があるため、3つの基準の中では一番低いものです。

任意保険基準での計算

任意保険基準による慰謝料は、保険会社や保険商品などが独自に設定していて、公開もされていません。

とはいえ、基本的には自賠責保険基準よりも高く、弁護士基準よりも低い傾向にあります。

任意保険は自賠責保険でカバーできない部分を補償するという面があるので、加入状況によって慰謝料の金額も違ってきます。

慰謝料の金額は被害者の属性(家庭内でどのような立場なのか)によって異なり、あくまで目安ですが、慰謝料額の相場としては以下の通りです。

被害者の属性 慰謝料額
一家の支柱(家庭の生計を支えている) およそ1,500万円〜2,000万円
配偶者・専業主婦(主夫) およそ1,300万円〜1,600万円
子ども・高齢者・その他 およそ1,100万円〜1,500万円

任意保険基準は自賠責保険基準とは異なり、「被害者本人」と「遺族」の分けて計算されることはないようです。

弁護士(裁判所)基準

弁護士に、慰謝料をはじめとした示談交渉を代行してもらう場合に適用される基準です。

裁判の判例を踏まえて作成された基準のため、裁判で争われることになった場合の目安にもなっています。

弁護士基準による被害者本人の慰謝料の相場は、以下の通りです。

亡くなった人の属性 弁護士基準
一家の支柱 2,800万円
母親・配偶者 2,500万円
子ども・高齢者・その他 2,000~2,500万円

出典元:「損害賠償額算定基準2020(令和元)年版」 ※通称:『赤い本』より

弁護士基準は3つの基準の中で一番高く、被害者にとって納得できる慰謝料の請求が可能です。

また、弁護士がサポートすることで、ケースバイケースですが上記の金額以外にも遺族の慰謝料として金額を請求できる可能性があります。

遺族が精神的に強い苦痛を受けていることを弁護士が証明することによって、適切な補償を受けられるのです。

【過去の判例】
・タクシー乗務員(男性・52歳)につき、本人分2,600万円と妻に200万円、子ども二人(いずれも成人)に各100万円、合計3,000万円の慰謝料の支払いを認めた(平成18年・東京地裁)
・会社員(男性・46歳)2月、本人分2,800万円と妻に250万円、子ども二人に各100万円、合計3,250万円の慰謝料の支払いを認めた(平成27年・千葉地裁)

出典元:「損害賠償額算定基準2020(令和元)年版」 ※通称:『赤い本』より

慰謝料が上乗せされるケース

ここまで3つの基準による慰謝料の相場についてご紹介してきましたが、さらに増額になるケースがあります。
慰謝料が増額となるケースとしては、主に3つの点があげられます。

1つ目は、「被害者が死亡するまでに入院していた」ケースです。

この場合は死亡慰謝料に加えて、入通院慰謝料の請求も可能となります。

2つ目は、加害者が「まったく謝罪しない」「虚偽の供述ばかりをする」といったケースです。

そして、であるケースだと言えます。3つ目は飲酒・居眠り運転・ひき逃げなど、事故の原因が悪質なもの

具体例として、2007(平成19)年11月30日にさいたま地裁で下された判決について見ていきましょう。

加害者の悪質さ(無免許運転・飲酒運転・居眠り運転・ひき逃げ)が指摘され、慰謝料分の請求が増額されています。
被害者本人の慰謝料や逸失利益などを含めて、約6,300万円の支払いが命じられました。(平成19年・さいたま地方裁判所)

「無保険車傷害条項」にもとづいた保険金の請求事案であることも、ポイントの1つです。

無保険車傷害条項とは、無保険の車との事故によって死亡したり、後遺障害を負ったりした場合に保険会社が保険金を支払う仕組みです。

交通事故における慰謝料の請求では、さまざまな事例があります。加害者や保険会社との交渉については粘り強く取り組んでいくことも大切だと言えます。

そもそも交通事故の死亡慰謝料とは

交通事故で死亡した場合の慰謝料は、「死亡慰謝料のみのパターン」と「死亡慰謝料+入通院慰謝料のパターン」の2種類があります。

それに加えて、遺族の慰謝料についても請求が可能であり、法律によって定められています。

慰謝料の定義や「誰が・いつ」請求できるのか、慰謝料以外に遺族が請求できるものはあるのかについて見ていきましょう。

慰謝料とは?

被害者本人が死亡している場合には、慰謝料の請求は遺族が行うことになります。

民法第711条では、被害者に慰謝料の請求権があり、その権利は相続人に引き継がれることが定められているのです。

また、亡くなった本人の死亡慰謝料や入通院慰謝料だけでなく、遺族固有の慰謝料についても請求する権利が認められています。

遺族固有の慰謝料が請求できる範囲(請求権)としては、被害者の父母(養父母含む)・配偶者・子ども(養子・胎児・認知した子ども含む)に限定されている点を押さえておきましょう。

死亡交通事故では誰が請求するのか?

交通事故によって亡くなった本人の慰謝料は、原則として配偶者・子ども・兄弟姉妹などの法定相続人が請求します。

ただ、内縁関係であっても「扶養利益の喪失」を損害として、加害者に対して賠償請求を行うのも可能です。

扶養利益の喪失とは、扶養を受けていた人(被扶養者)が交通事故によって扶養者が亡くなることで、将来的な収入の援助を失うことを指します。

つまり、亡くなった被害者から扶養を受けていた相続人ではない人でも、補償が受けられる仕組みとなっています。

いつ頃請求すればよいか?

加害者側に対する慰謝料の請求は、一般的には四十九日後と言われています。

ただ、刑事裁判が行われる前に示談が成立した場合には、「被害者の感情が癒された」とみなされることもあるので注意が必要です。

加害者の弁護士が裁判所に対して、量刑の軽減を主張するケースもあるので、慰謝料の請求時期については慎重に検討しましょう。

慰謝料のほかに遺族が請求できるものは?

遺族が請求できるものは慰謝料の他に、被害者本人が死亡に至るまでの治療費や葬儀代、逸失利益などがあります。

逸失利益は亡くなった人が生きていれば、将来得られるはずだった収入を指します。

年齢や職業などによって請求できる金額は異なりますが、学生や無職であった場合でも逸失利益の請求は可能です。

慰謝料以外にも、損害賠償として請求できるものが多くある点を押さえておきましょう。

死亡交通事故における逸失利益とは?

交通事故によって死亡した場合の逸失利益は、以下の計算方法によって算出されます。

基礎収入額×(1-生活費控除率)×ライプニッツ係数

基礎収入額は、被害者が事故にあう前に得ていた年収をもとに計算するもので、職業によって異なります。

生活費控除率とは、亡くなった被害者が生きていればかかっていた生活費を損害賠償額から除く割合のことを指します。

ライプニッツ係数は、「就労可能年数に対応する中間利息控除係数」と呼ばれるものです。

原則として一括払いである損害賠償金を銀行などに預けると、利益が発生してしまうため、その利益分を控除するために用いられます。

交通事故で死亡した逸失利益が認められたケースとしては、2008(平成20)年10月29日に仙台地裁で下された事例があります。

この事例では、加害者の居眠り運転が事故原因であり、事故当時40歳だった被害者は脳挫傷により死亡しました。

死亡慰謝料2,400万円や遺族の慰謝料300万円の他に、逸失利益として約4,282万円の損害賠償額が認められています。

死亡交通事故における慰謝料の請求方法と分配手続き

死亡交通事故における慰謝料の一般的な請求方法は、事故が発生して葬儀を行い、四十九日の法要が済んでから保険会社との示談交渉を行います。

示談交渉がまとまらない場合は、裁判所で和解を取りまとめるか、裁判で争うかによって損害賠償額を確定させます。

そして、加害者側から慰謝料などの損害賠償金を受け取り、分配手続きを行うのが基本的な流れです。

慰謝料の請求方法

慰謝料やその他の損害賠償請求は、示談交渉と並行して進めていきます。

一般的には四十九日の法要が済んでから進めることが多く、加害者側との交渉によって過失割合などについて話し合います。

具体的に被った損害について、物損や人身の両方で多くの項目を洗い出していく必要があるため、時間や手間がかかってしまう面もあるのです。

示談交渉が思うようにまとまらなかったり、裁判で争うことになったりすれば、心理的・物理的な負担も大きくなってしまう恐れがあります。

示談交渉による不安やストレスを解消するためには、弁護士に依頼することも検討することが重要です。

死亡交通事故の慰謝料請求は弁護士に相談を

死亡交通事故の慰謝料請求をスムーズに進めるためには、弁護士に相談をすることも1つの選択肢です。

葬儀の慌ただしさやその後の生活の立て直しと並行して、示談交渉を進めるのは遺族にとって負担も大きいと言えます。

慰謝料の金額は示談交渉によって決まりますが、保険会社から提示される金額は加害者側に立ったものであるため、納得できないことも多くあるものです。

もちろん示談交渉ですので、納得できなければ再度交渉を続けますが、相手は保険会社。一人で太刀打ちするのは難しい面もあります。

そうしたときに弁護士に相談をすることで、示談交渉を円滑に進めていくことができます。

弁護士に依頼をすれば弁護士基準で慰謝料が算出されるため、より納得できる金額の請求が可能です。

また、弁護士は交渉事に強く、示談交渉のすべてを代理で進めてくれます。

依頼料は成功報酬型の法律事務所も多くあり、加入している保険に弁護士費用特約のオプションが付いていれば、実質的な負担は軽減できます。

交通事故による悲しみを癒し、1日も早く生活を立て直すためにも、強力な味方となってくれる弁護士のサポートを仰いでみましょう。

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