2020.2.7 更新

もらい事故は保険会社では対応できない!慰謝料を適切にもらうためには

「もらい事故」は、事故の発生原因が被害者側にないものを指します。

被害者の過失割合がゼロなので、要件を満たせば「損害賠償を満額受け取れる」ものです。

一方で、もらい事故は被害者側の保険会社は対応できず、一人で交渉を進めなければならないという不安もあります。

もらい事故は一般的な交通事故とは違う部分もあるので、慰謝料の仕組みや具体例などの基本的なポイントを押さえておくことが重要です。

慰謝料やその他の補償をきちんと受け取るためにも、もらい事故にあったときの対処法や注意点を含めて見ていきましょう。

もらい事故とは?認定の条件や具体例

もらい事故の特徴と具体的なケース

もらい事故は加害者側にのみ過失があり、被害者側に責任がない交通事故のことです。

一方的に相手からもらった事故なので、もらい事故という呼ばれ方をされます。

過失割合が「0:10」となるのが特徴であり、具体例としては以下のようなものがあげられます。

  • 路肩に車を止めていたら、相手の車がいきなり追突してきた
  • 相手の車がセンターラインを超えて正面衝突してきた
  • 信号を無視して、相手の車が追突してきた
  • 信号待ちで停車をしていたら、後ろから追突された

一般的な交通事故では双方に何らかの過失があるものですが、もらい事故の場合は被害者側に落ち度がないため、示談交渉で大きな違いが生じます。

加害者との示談交渉は一般的な交通事故では保険会社が行ってくれますが、もらい事故の場合では保険会社は対応ができません。

誤解のないように補足しておくと、保険会社が対応してくれないのではなく、対応できないのです。

なぜなら、保険会社が加害者側に示談交渉を行うと、弁護士法に違反するからです。

しかし加害者側の保険会社は示談交渉に参加できるので、被害者にとっては不公平に感じられるかもしれません。

そのため、一人で交渉を行わなければならず、不安を感じてしまう場合もあるでしょう。

もらい事故かどうかの判断を自分で行うのは難しい面もあるため、早めに弁護士に相談するなどして一人で悩まないことが大切です。

免許の点数には影響がない

交通事故では損害賠償の話だけではなく、免許の点数に与える影響も気になるものです。

事故状況や結果によって点数が加算されるのが一般的な事故ですが、もらい事故の場合は被害者に過失はないため、免許の点数にはまったく影響がありません

あくまでも、事故の相手側にのみ責任があるのが、もらい事故の大きな特徴だと言えます。

知っておきたい!もらい事故にあったときの補償

もらい事故の被害にあったときには、どのような補償が受けられるのかを把握しておくことが大切です。

ここでは、物損事故・人身事故の両面から補償内容を捉えていきましょう。

また、つい見落としてしまいがちな保険のオプションについても紹介します。

車の修理費や新車購入など物損に対する補償

もらい事故のように被害者の過失割合がゼロの事故であれば、通常の場合では加害者から全額賠償されます。

車両の修理については、修理見積書をとって加害者側と協議するのが一般的です。

ただ、破損した車両の時価額が修理費用を下回っているときには、全損(経済的全損)として扱われます。

また、事故を起こした相手が自動車保険に加入していなかったり、支払能力がそもそもないケースもあるでしょう。

そのような場合でも、「車両無過失事故に関する特約」に入っていれば、保険会社から補償が受けられますし、保険の点数は減点されません。

車両保険に加入したときに自動付帯となっているケースが多いので、契約内容を確認してみましょう。

ケガや病気についての補償

事故にあって外傷がなかったとしても、あとから何らかの悪影響が出てしまう恐れもあるので、必ず病院に行きましょう。

物損だけでは慰謝料の請求ができないため、きちんと受診をして事故で負った症状をはっきりとさせることが重要です。

また接骨院では施術はできても診断ができません。まずは整形外科で診てもらうことが大切です。

治療費については原則として全額補償が受けられますし、相手の保険会社が支払ってくれるので、治療費を立て替える必要はありません。

通院する際にかかった交通費も請求できるので、移動手段や経路などもきちんとメモや領収書などで残しておきましょう。

ただし、「医師の指示によるものではない個室利用」「精神疾患」「ケガとの因果関係が見られないもの」は、補償の対象外となるので注意も必要です。

また治療は自己判断や保険会社の指示に従うのではなく、症状固定(治療を続けても症状が良くならない状態)まで続けることが大切です。

加入している保険会社からの補償

交通事故の被害にあってしまうと、事故対応や治療ばかりに意識が向きがちですが、加入している保険のオプションを活用することも忘れてはいけません。

自身が加入している保険会社に「弁護士費用特約」がついている保険であれば、事故対応を弁護士に依頼したときに、その費用を保険会社が負担してくれます

また、「車両保険」がセットになっていれば、事故で破損した車両の修理費用を保険会社に補償してもらえます。

そして、「日弁連交通事故相談センター」では弁護士が無料で相談に乗ってくれるので、事故後の対応で悩んでいるときには活用してみましょう。

もらい事故の慰謝料

人身事故であれば、物損による補償のほかにも慰謝料の請求が可能です。

慰謝料を計算する基準は1つではなく、自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがあり、どの基準を用いるかで慰謝料の金額も違ってきます

・自賠責保険基準
強制加入の自賠責保険によるものであり、加害者が任意保険に入っていないときに用いられますが、3つの基準の中では一番金額が低くなります。

・任意保険基準
加害者が加入している保険会社の基準であり、会社や保険商品ごとに金額に違いがあるのが特徴です。

・弁護士基準
被害者が弁護士に交渉を依頼することで、適用される基準を指します。

弁護士に依頼をすれば、請求できる慰謝料が高額になる可能性もあり、相手との交渉をすべて任せられます。

また、慰謝料のほかに逸失利益(将来得られたはずの収入)も請求できる点を押さえておきましょう。

【要注意!】もらい事故では契約している保険会社は交渉できない

交通事故の被害にあうと、加害者に対して慰謝料やその他の損害賠償を請求できます。

ただし、相手が過失を認めなかったり、保険会社からの圧力などがあったりすると交渉が思うようにまとまらずに、適切な補償が受けられない場合もあるでしょう。

また、もらい事故の場合は被害者の過失割合はゼロですが、加入している保険会社は示談交渉ができないので注意も必要です。

保険会社が対応できないのは、弁護士法の非弁活動(弁護士ではないものが営利目的で法律事務を行えないルール)にあたるからです。

弁護士法第72条においては、弁護士または弁護士法人でないものが報酬を得る目的で、訴訟事件・非訴事件・審査請求・異議申し立てなどの法律事務を取り扱うことを禁じています。

そして、第73条では他人から権利を譲り受けて、訴訟・調停・和解などの手段によって、権利を実行してはいけないと定められています。

(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)
第七十三条 何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。
弁護士法より

これらのルールによって、加入している保険会社では対応ができません。

しかし、示談交渉を被害者一人で行うとなると、相手はプロの保険会社であるため難しい面もあります。

適切な補償を受けるためにも、事故後には早い段階で弁護士に相談をしてサポートを仰いでみましょう。

もらい事故にあってしまったときの対処法

もらい事故にあってしまったときには、まず警察や病院に連絡をしましょう。

過失割合がゼロとなるもらい事故の場合、被害者の免許の点数には影響がないので心配はいりません。

人身事故においては加害者のみ点数が加算され、累積した点数によって免許停止や免許取り消しといった処分の対象となります。

事故が起こったときには慌てずに、事故状況を保存したり現場の写真を撮ったりして証拠を残しておきましょう。

多くの証拠があるほうが、示談交渉の際にも有利に働きやすくなります。

また、加害者の連絡先を確認して、名刺を受け取っておくことも大切です。

もらい事故の場合、保険会社は交渉ができませんが弁護士特約がオプションとして付いていることもあるので、保険会社に連絡を入れるのも忘れないようにしましょう。

そして、事故後はすぐに整形外科を受診して、症状固定となるまで治療を継続しましょう。

しっかりと治療を受けることが、後遺障害認定にも影響を及ぼすので重要な点です。

物損については、破損した車両の修理見積書などを手元に残しておきましょう。

治療や物損状況を正しく把握し、適切な慰謝料や損害賠償請求を行うためにも、弁護士に相談することも肝心です。

示談交渉を弁護士に任せることで、納得できる交渉が行える可能性も高まります。

もらい事故にあったときの対処法まとめ
・まず警察と病院に連絡
・事故現場の保存と写真撮影し、証拠を残す
・自分が契約している保険会社に連絡し弁護士特約が付帯しているか確認
・整形外科などで治療
・示談交渉のために弁護士に相談

もらい事故の示談での悩みは弁護士に相談

もらい事故では、弁護士法のルールによって加入している保険会社は対応できません。

そのため、被害者が一人で加害者側と交渉しなければならないというリスクもあります。

示談交渉に関する不安を解消するためにも、弁護士にサポートを仰いでみることも検討してみましょう。

弁護士に依頼をすれば、代わりに示談交渉を進めてもらえるだけでなく、慰謝料などの補償を不当に下げられる心配がありません

むしろ、弁護士基準で慰謝料の請求が行えるため、得られる金額が増える可能性が高いと言えます。

加入している保険に弁護士費用特約が付いていれば、無料で弁護士に依頼できるため安心です。

特約を利用したとしても、保険の等級にはまったく影響が出ないので、まずは気軽に相談をしてみましょう。

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