2018.8.2 更新

交通事故の休業損害の計算方法は?主婦・自営業者はもらえるの?

「サラリーマン以外でも休業損害はもらえる?」
「休業補償はどうやって計算するの?」

交通事故の怪我が原因で働けなくなり、休業を余儀なくされた場合、 その期間に休業しなければ得られるはずだった収入を休業損害として請求することが可能です

可能であれば必ず請求したい休業損害ですが、会社員以外でも、果たして請求することは可能なのでしょうか

この記事では休業損害の計算方法から、請求に必要な書類、休業損害の請求の可否まで、幅広く解説します。

  • 休業損害とはどんなものなのか
  • 休業損害の計算方法
  • 休業損害を受け取るために必要なもの
  • 休業損害は専業主婦や学生でももらえる
この記事でわかること


交通事故で過失割合について疑問があるかたは弁護士法人天音法律事務所に無料相談

交通事故の休業損害とは?事故にあわなかったら得られてたお金

休業損害とは何ですか?
休業損害とは、交通事故で追った怪我の治療などで働けなかった分の給料を補償してもらえる制度です。

交通事故にあってケガを負ってしまい、しばらくの間働けなかったり早期退職をせざるを得ない状態となった場合には、休業損害を請求することが可能です。

しかし、過失がある場合は、過失割合分の金額は引かれてしまいます。

交通事故で損害賠償請求を行う場合、損害賠償金は積極損害、消極損害、慰謝料の3つに別れています。

損害賠償の内約
積極損害 入院費、治療費、通院費、通院交通費、付き添い看護費、修理代など。(葬儀関連費用、弁護士費用も含まれるが取り扱いが例外的)
消極損害 事故に遭っていなかったら得られていたであろうお金で、休業損害と逸失利益が該当
慰謝料 交通事故が原因の精神的苦痛に対して支払うお金。傷害慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料などが該当

つまり、休業損害は消極損害の一部ということです。

なお、休業損害は休業補償と呼ばれることもあります。正確に言うと、休業補償は労災適用の場合の呼び方、休業損害は交通事故の場合の呼び方になります。

そうなんですね、休業損害はどのように計算されるのかも知りたいです。
では、次の見出しから実際の算定方法についてお話しします。

今回は深く触れませんが、休業損害ではなく交通事故でもらえる慰謝料の相場についても知りたいという方はこちらで紹介していますので、よろしければ参考にしてみてください。

休業損害の計算方法~自賠責基準の場合は上限が決まっている~

ここからは、休業損害がどのように計算されているのか見ていきます。

交通事故の休業補償の計算方法は、大きく自賠責基準、任意保険基準、弁護士・裁判所基準という3つの計算基準のどれを適応するかで異なります

まずは自賠責保険を基準とした計算式から紹介します。

自賠責基準の場合には3つの基準の中で一番金額が少ないとされており、計算式は以下の通りです。

自賠責での休業損害
休業損害=(1日)5,700円×休業日数

自賠責基準の場合、休業損害の条件額が190,000円と決まっています。

なお、有給休暇を使った場合、その分についても休業日数に含まれます

その理由は、本来なら自由に使えるはずだったのに、交通事故によって有給を使わざるを得なくなったためです。

ということは、事故の治療には有給を使わなくていいと言うことですね。
そのとおりです。次は任意保険基準での休業損害について説明します。

休業損害の計算方法~任意保険基準の場合は計算式が存在しない~

任意保険基準の場合は加入している保険会社ごとに金額も計算方法も異なる為、自賠責基準のような特定の計算式が存在しません。

金額に関しては、自賠責基準よりは少しマシになるくらいに考えるのがいいかもしれません。

任意保険基準よりも、多い金額をもらえる可能性があるのが、次の「弁護士基準」(裁判基準)で計算した場合です。

休業損害の計算方法~弁護士基準(裁判基準)の場合は最高額~

弁護士・裁判基準が用いられる場合には、「1日あたりの基礎収入(実収入)×休業日数」という計算式が適応されます。

弁護士基準での休業損害
1日あたりの基礎収入(実収入)×休業日数
=休業損害
上記の計算式にある、基礎収入と休業日数とは何ですか?
それについては次の見出しで説明します。

1日あたりの基礎収入・休業日数の算出方法は?

休業損害の1日あたりの基礎収入

1日あたりの基礎収入について

「1日あたりの基礎収入」については、交通事故前3カ月分の平均給与額を算出して、その数字を90日で割ることによって求めます。

1日あたりの基礎収入の求め方
  • 交通事故前の3ヶ月分の平均給与額÷90(日)

具体的には、事故前3カ月間の平均賃金から算出するというイメージです。

交通事故前の3ヶ月分の平均給与額は、事故前3ヶ月分の休業日数、そして給与額が記載されている休業損害証明書を作成してもらうことで、算出してもらいましょう。

休業損害証明書は、事故が原因で収入が減ったことの証拠になる、重要な書類です。書類自体は、勤務先に依頼することで、作成してもらうことができます。

これに、実際に休業した日数をかけることによって、休業補償(裁判基準)を計算します。

よって、休業補償で受け取れる金額は、事故前の収入や休業日数により大きな影響を受けます。

休業日数について

休業日数とは、名前の通り、事故による怪我で何日間仕事を休むことになったか、という日数のことを表します。

この休業日数についても、先ほどの休業損害証明書で確認することが可能です。

また、休業中の通院や自宅療養が、休業日数として認められないことがまれにあります

事故による傷の程度などから、本当に休業する必要があったのかどうか、と疑われることがあるからです。

そういった事態を避けるため、医師に通院する必要があった旨などを、診断書に書いてもらう、などの対処が必要です。

なるほど、休業損害を弁護士基準で計算する場合は、休業損害証明書が必ず必要なんですね。
そのほかにも休業損害を受けと売るために要な書類があります。
次の見出しで見ていきましょう。

休業損害を請求する方法は?書類は何が必要?

休業損害を受け取るために必要な確定申告書

それでは、休業損害を請求する場合にはどのようにするのでしょうか。

休業補償は損害賠償のうちの「消極損害」にあたります。そのため、休業補償についても、ほかの損害賠償と同様に相手側の保険会社に請求をします

相手が任意保険に加入していない場合は、その人が加入している自賠責保険の会社に請求します。

休業損害を請求する際、手続きでの必要書類は以下の通りです。

    必要な書類一覧

      1.休業損害証明書
      2.源泉徴収表
      3.給与明細書
      4.確定申告書・納税証明書(自営業の人)
      5.入院の証明書(入院により休業していた場合)

相手側の保険会社に休業補償を請求する場合には、まず勤務先に休業損害証明書を出してもらう必要があります。

また、実際の収入を証明するために源泉徴収票や給与明細書、自営業の人は確定申告書や納税証明書などが必要になることもあります。

しかし、休業損害は「就労者」(正社員やパート・アルバイト)以外の人には認められません

ただし、無職でもすでに内定先が決まっていて、そこで働くことが確実という場合や、求職中の場合などには、休業補償が認められる場合があります。

パートやアルバイトでも休業損害を受け取れるんですね。学生や主婦の場合は受け取れるのでしょうか?
学生や主婦の方も休業損害を受け取ることが可能です。次の見出しで詳しく説明します。

専業主婦・自営業者・兼業主婦・学生でも休業損害はもらえる?

知らない方が多いのですが、給与所得者ではない実は主婦の方・自営業の方・パートにお勤めの方、学生(条件あり)でも、休業損害を受け取る事が出来るのです。

以下、それぞれの算出方法を紹介します。

専業主婦の場合

専業主婦の場合の休業損害

専業主婦の方でも、事故による怪我で家事ができなくなってしまった分は、休業損害として申請することができます。

家事従事者は法律上、給料をもらうに値する価値があるとされているため、休業損害を受け取ることが可能なのです。

専業主婦に対する休業損害は、賃金センサスという、それぞれの年齢における平均賃金を表した統計を利用し、そこから1日分の基礎収入を算出します。

以下が専業主婦の方の1日あたりの基礎収入です。

専業主婦の1日あたりの基礎収入
年齢 大学(院)卒 高専・短大卒 高校卒
30〜34歳 7583円 6553円 5487円
35〜39歳 8265円 6945円 5745円
40〜44歳 9208円 7358円 5928円
45〜49歳 10301円 7769円 6005円
50〜54歳 10758円 7931円 6202円
55〜59歳 10309円 7983円 6021円
60〜64歳 9345円 6956円 5249円
65〜69歳 10468円 6608円 5383円

この1日あたりの基礎収入額に休業した日数をかければ、休業損害の金額が出ます

自分の場合に妥当かどうかについては、この計算方法に当てはめて計算してみて、相手の保険会社から提示を受けている内容と比較して見る必要があります。

兼業主婦の場合の休業損害

パートをしている主婦(兼業主婦)でも休業損害をもらえます。パートをしている主婦も家事労働をしていますし、その家事労働には専業主婦と同様に経済的価値があるとみなされるからです。

算出法も同じく、[1日あたりの基礎収入×休業日数]です。

ただ、パートをしている兼業主婦の場合、1日あたりの基礎収入をどのように設定すべきかが重要です。

パートをしている主婦が、パートの収入を基準にしてしまったら、専業主婦の1日あたりの基礎収入に比べて、非常に基礎収入が低くなってしまうからです。

実際には専業主婦と同様かそれ以上に働いているにもかかわらず、休業損害が専業主婦より少なくなってしまうのは不合理です。

そこで、兼業主婦の場合、全年齢の女性の平均賃金を1日あたりの基礎収入とします。

兼業主婦の1日あたりの基礎収入
大学(院)卒 高専・短大卒 高校卒
7909円 7002円 5706円

仕事によってそれを超える実収入がある場合には、実収入を基準に計算します。つまり、比較したときに金額が高い方を採用するということです。

このことによって、専業主婦との不均衡が起こらないようにしています。

主婦ではなく主夫だった場合、もらえる金額は変わる?

昨今、女性ではなく男性が家事を行う場合も増えてきています。そのため、主夫の場合どうなるのか、気になる方もいるでしょう。

この場合には、全年齢の男性の平均賃金ではなく、全年齢の女性の平均賃金を使います。

そうしないと、主婦が女性か男性かによって休業損害の金額に差が発生して不合理になってしまうからです。

主夫の1日あたりの基礎収入
大学(院)卒 高専・短大卒 高校卒
7909円 7002円 5706円

自営業の場合の休業損害

自営業の場合は、確定申告を利用して、事故の前の年の収入を調べる必要があります。

後はその金額を365日で割ることで、1日あたりの基礎収入を算出することができるので、最後に休業日数をかけることで、休業損害の算出ができます。

学生の場合

学生は本来、休業損害の対象には入りません。

しかし、アルバイトをしている学生の場合、休業損害を請求できる可能性があります。

休業損害を請求する場合、アルバイトで1日どれだけ稼いだか、という平均を算出する必要があります。

そのため、給与明細などは捨てずに保管しておきましょう。

後はその平均額に、休業日数をかけることで、休業損害額を算出することができます。

まとめ
サラリーマン 1日あたりの基礎収入(実収入)×休業日数
自営業 (前年度の収入÷365)×休業日数
専業主婦・主夫 賃金センサス(1日分)×休業日数
学生 日給×休業日数

弁護士依頼で休業損害を増額|弁護士に依頼するメリット

交通事故で弁護士に依頼するメリット

弁護士に示談交渉を依頼すると、休業損害を弁護士基準で計算してもらえるので任意保険基準より高い金額の休業損害の額を受け取ることができます

弁護士に示談交渉を依頼するとそのほかにもメリットが存在します。
    弁護士に依頼するメリット

  • 休業損害や慰謝料の金額が増額できる
  • 示談交渉をしなくて済むので楽になる
  • 保険会社との示談が有利に進む
  • 不安なことを質問できてすぐ解決する

このように、弁護士に依頼すると示談が被害者の有利に働きます。

なぜなら、弁護士は被害者の心に寄り添い、依頼者の問題を法的に解決してくれるプロだからです。

さらに、弁護士特約に加入していれば、弁護士費用を300万円まで保険会社が負担してくれるので、タダで弁護士に依頼することが可能です。

 ご自身が弁護士特約に加入しているかどうか、まず確認をしてみてください。

  • 休業損害は主婦や学生でも請求できる
  • 1日あたりの基礎収入×休業日数=休業損害
  • 休業損害を請求するための書類は5つ
  • 弁護士に依頼すると休業損害を増額できる
  • 弁護士特約に加入していればタダで依頼できる
<この記事のまとめ>

天音法律事務所なら弁護士に依頼する際に弁護士特約を使えます

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