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2017.11.28 更新

弁護士特約は家族が別居していても適用される|その範囲と条件は?

「家族が弁護士特約に入っていれば、自分の事故でも使えるの?」

示談交渉は、弁護士に依頼をするのが解決の近道です。
しかし、弁護士に依頼をするときに気になるのが、「費用がどれくらいかかるのか」ということ。

自分が加入している自動車保険に弁護士特約が付いていれば、心配はありません。しかし、この特約がない人にとっては問題です。
そのような人でも、家族の自動車保険に付いている弁護士特約を使えるのでしょうか。

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弁護士特約を使える家族(血縁関係)の範囲

自動車保険に弁護士特約を付加していると、弁護士費用や裁判費用が一定額まで保険でカバーできる大きなメリットがあります。
実はこの弁護士特約は、自分名義で加入している保険だけでなく、一定の家族名義の保険に付加されている場合にも利用することができるのです。

一般的な弁護士特約での補償対象者(特約が利用できる事故当事者)は次のような人です。

①被保険者本人
保険契約で定められた保険の対象者で、通常は契約をしている本人。
②被保険者の配偶者
被保険者の夫や妻。
③被保険者またはその配偶者の同居の親族
被保険者と同居している父母、兄弟姉妹、子などのことで、いわゆる義理の親族(配偶者の親族)も同居していれば含まれる。
④被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
被保険者の子が実家を出て暮らしている場合などには、その子も対象となる。ただし未婚であることが必要です。
⑤契約車に搭乗中の者
①~④以外の人でも契約車に搭乗していた人は対象になる。
⑥契約車の所有者
①~⑤以外の人でも契約車の所有者が別にいる場合にはその人も対象となる。

弁護士費用特約の家族の補償範囲

※オレンジ色の部分が補償範囲です。
このように、弁護士特約は保険の契約をしている本人以外が交通事故に遭った場合にも利用することが可能です。

事故に遭ったときには、自分が加入している保険に弁護士特約を付加していない場合でも、家族が特約を付けていないのかを確認しましょう。

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家族の加入している弁護士特約は別居する家族に対して適用できるの?

一般的な弁護士特約は、被保険者の親族にも適用されます。
適用されるのは、原則的には被保険者またはその配偶者と同居している親族です。典型的な例は、被保険者と同居している子や親、被保険者と同居している義理の両親などです。

ただし、同居をしていなくても弁護士特約が適用される場合もありますので注意しましょう。

まず、被保険者が仕事等の事情で家族と別居している場合であっても、被保険者の配偶者には特約が適用されます。配偶者は同居別居の区別なく適用対象となるということです。

被保険者の子が未婚の場合には、被保険者と別居していても特約が適用されます。
例えば、被保険者の子が遠方の大学に通うために下宿していて被保険者と同居してないような場合にも特約を利用することができます。被保険者自身の子ではなく、配偶者の子(いわゆる連れ子)の場合にも同様に特約の利用ができます。

ただし、あくまで「未婚」の子でなければなりませんので、別居している子が結婚している場合には被保険者の特約の適用はありません。

また、被保険者と別居していても、たまたま契約車に乗っていて(運転、同乗いずれも含む)事故に遭った場合にも弁護士特約を利用することができます。例えば、お盆に実家に帰ったときに実家の車で事故に遭ったケースなどが考えられます。

さらに、被保険者と別居していても契約車を所有していれば、その所有者にも弁護士特約は適用されます。

例えば、子どもが自分名義の車を実家に置いたまま、結婚により別居をしたとします。車はそのまま実家の家族が使用していて、自動車保険にも加入しているような場合に、久しぶりに実家に戻って自分でその車を運転したら、事故に遭ったようなケースが考えられます。

以上のように、別居の親族であってもかなり広い範囲で特約の適用があります。

家族の弁護士特約が適用される交通事故のケース

父親が所有している車を子どもが運転していて事故に遭うというのは、それほど珍しいことではありません。
このようなケースでは加入している自動車保険(任意保険)が適用されて、弁護士特約が付いていれば、それを利用することができます。

しかし、こちらにまったく過失がない形での事故(信号待ちをしているときに追突されるなどの、いわゆるもらい事故)では自動車保険を利用することはできません。(弁護士法第72条に抵触)

自動車保険(任意保険)本体はあくまで交通事故において加害者となった場合に備えるものです。そのため、過失がまったくない事故当事者は加害者とは言えず、自動車保険が適用されない(保険会社が示談交渉をすることはできない)のです。

しかし、このような場合にも弁護士特約を付加していれば、この特約によって過失のない一方的な被害者も、弁護士へ依頼することができます。

また、この弁護士特約は、被保険者(及びその一定範囲の親族)が自動車事故によって受けた損害の賠償を行う際に適用されるものです。

そのため、車に乗っていないときに自動車事故に遭った場合、例えば、青信号の横断歩道を徒歩や自転車で横断していたら、信号無視の車に衝突されたケースなどにも適用があります。

このように車対車の事故だけでなく、交通事故一般の被害を受けた場合に利用できるのです。人身事故のみならず、物損事故の場合にも利用は可能なものが一般的です。

なお、弁護士特約はこちらに過失がある事故の場合でも利用することができます。この、勘違いしている人も多いようなので、付け加えておきます。

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家族の弁護士特約を利用するデメリットとは

家族の弁護士特約を利用する場合に気になるのが、それを利用することによって何かデメリットが生じないかという点です。

最も気になるのが、「弁護士特約を利用することによって、保険の等級(ノンフリート等級)が下がってしまうのではないか」という点でしょう。
自分が付けている弁護士特約を使うなら、等級が下がるのもやむを得ないと納得することはできます。しかし家族とはいえ、他人の特約を使うとなると、やはり気になります。

一般的には弁護士特約の利用によって保険の等級が下がることはありません。
弁護士特約だけを利用する場合には、ノーカウント事故として等級には影響しないのです。

その他に家族の弁護士特約を利用することによるデメリットはないといってよいでしょう。

もちろん、自動車保険に弁護士特約を付加すれば、その分保険料は高くなります。
しかし、これは家族の弁護士特約を利用することから生ずるデメリットというわけではありません。
しかも、特約の保険料自体は2000円~3000円ほどが多く、さほど高いものでもありません。

弁護士特約が使えない事故のケースや条件

弁護士特約は、弁護士に依頼をするときにとても助かります。

しかし、弁護士特約が利用できないケースがあるという点には注意が必要です。

各保険会社によって異なるものの、一般的に、次のようなケースでは弁護士特約が利用できません。

(1)被保険者の故意または重大な過失によって生じた事故
(2)無資格運転、酒気帯び運転、麻薬等の薬物の影響により正常な運転ができないおそれがある状態での運転での事故
(3)事業用自動車を運転している場合に発生した事故
(4)地震、台風、津波などに起因する事故
(5)被保険者が、自動車の使用について正当な権利を有する者の承諾を得ないで自動車に搭乗中に発生した事故
(6)被保険者の闘争行為、自殺行為または犯罪行為によって発生した事故
(7)被保険者の配偶者、父母、子、使用者などが賠償義務者である場合

これら以外にも、約款には細かく保険金が支払われない場合が定められています。

さらに注意すべきは、弁護士特約の利用には保険会社の同意を得る必要があることです。特約を利用して弁護士に依頼しようとする場合には、必ず事前に保険会社に相談する必要があります。

訴訟まで考えてなくても家族の弁護士特約を利用していいの?

交通事故で弁護士を利用するというと、多くの人は加害者に損害賠償を請求する、訴訟を提起すること(裁判をすること)を想像するのではないでしょうか。

しかし、交通事故で弁護士が活躍する場面は訴訟に限りません。賠償額が適正かどうかの相談を受けたり、賠償請求の交渉を依頼したりと、弁護士は交通事故のあらゆる場面で活躍の場を有しています。

そのため、弁護士特約では、弁護士に損害賠償請求訴訟を依頼する場合の費用に限らず、法律相談をする場合の相談料、相手方との賠償に関する交渉を依頼する場合の費用もカバーしています。

したがって、訴訟を起こすまでは考えていない場合でも、弁護士特約有効に使って費用を抑えることができます。

ただし、弁護士特約では保険金の限度額が設定されています。一般的には訴訟・交渉などに関する弁護士費用は300万円まで、法律相談料は10万円までとされています。

多くの弁護士(弁護士事務所)は、法律相談料を30分5000円ほどに設定しているので、相談を繰り返しているうちに限度額に達してしまう可能性もあります。その点には、十分注意しましょう。

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弁護士特約の利用で最初にすべきこと

弁護士特約を使うといっても、初めて利用する場合、どのようにしたらいいのか分からないという人も多いことでしょう。弁護士特約を利用するには、まずは何をしたらよいのでしょうか?

利用するにあたっては、次の2つの手順があります。

弁護士特約利用の手順2通り
自分で相談・依頼する弁護士を見つけて相談する
保険会社に弁護士を紹介してもらう

(1)自分で弁護士を見つけて相談してみる
弁護士を見つける方法としては、インターネットでの検索、弁護士会や行政の開催している法律相談窓口への申し込みなどの方法があります。

そのようにして見つけた弁護士に相談をし、弁護士特約を利用して相談や依頼をしたい旨を話してみることです。

弁護士の了解が得られれば、正式に相談や依頼を行うことになります。普通なら、快く了解を得ることができるでしょう。

なお、自分で見つけた弁護士に相談・依頼する場合には、事前に保険会社にその旨を相談して了解を得ておく必要がありますので注意しましょう。

(2)保険会社に弁護士を紹介してもらう
自分で弁護士を見つけられない場合には、この方法によることになります。

この方法の場合、保険会社から日本弁護士連合会のリーガル・アクセス・センター(LAC)を通じて、弁護士が紹介されます。なお、東京海上日動や通販型(ダイレクト型)の自動車保険を扱う保険会社などは、このLACに加入していないため、独自に弁護士を手配しているようです。

どちらの方法がいいのかは、考え方次第です。1つ目の方法なら、弁護士を自分で選択することができるし、2つ目の方法なら、弁護士を探す手間が省けるというメリットがあります。

弁護士特約が重複した場合、全くのムダになる?

複数の自動車保険に弁護士特約をそれぞれ付加しても、多くの場合には「保険料のムダ」になってしまいます。

同居している家族がみんな車を持っていて、それぞれが加入する自動車保険(任意保険)に弁護士特約を付けていても、同居の親族の事故は弁護士特約が1つあればカバーすることができます。つまり、それ以外の弁護士特約は利用の機会がないことになります。

したがって、複数の車を持っている家族は、保険料のムダを避けるために、互いに自動車保険の補償内容を確認しておくのがよいでしょう。

しかし、実は弁護士特約の重複が役に立つケースもあります。

一般的な弁護士特約では、弁護士費用の限度額を300万円までに設定しています。しかし、これを超える費用がかかってしまう場合(かなり大きな事故の場合など)には、2つ目以降の特約で超過分をカバーすることができます。

ただし、弁護士費用と裁判所にかかる費用が300万円を超えるケースは、さほど多くはありません。また、解決後の成功報酬分については、相手方から受領した賠償金から支出することもできるので、あえて弁護士特約を重複して付加する必要もないでしょう。

行政書士や司法書士への依頼でも、家族の弁護士特約を活用できる

「弁護士」特約というと、弁護士費用のみがカバーされると考えている人も多いのではないでしょうか。しかし実際には、弁護士だけでなく、司法書士や行政書士を利用した場合の費用もカバーされます。

行政書士は、弁護士とは異なり、相手方との交渉などの業務を行うことは法律上できません。しかし、被害者が自賠責保険の被害者請求を行う場合に提出する書面を作成するなど、交通事故に関する一定の書類作成業務を行っています。

その業務を行政書士に依頼する場合には、弁護士特約を使って行政書士費用を保険でまかなうことができるのです。

なお、司法書士も行政書士と同様の書類作成業務や、簡易裁判所における損害賠償請求訴訟などの場面で交通事故を扱うことがあります。そのため、司法書士費用も弁護士特約でカバーすることが可能です。

さらに、訴訟費用(訴訟を提起した場合の裁判所の手数料)も弁護士特約でまかなうことができます。

このように、弁護士特約は交通事故の損害賠償請求に関して生ずる費用を広くカバーしているので、事故後に何か出費が生じる場合には、保険会社に特約の利用について、相談をしたほうがよいでしょう。

家族の加入する弁護士特約の利用について、保険会社による基準の違い

弁護士特約は、各保険会社の自動車保険に付加される特約として用意されています。その内容、約款は各社とも似たものになっているものの、細かい点では異なっているのも事実です。

例えば、一般の弁護士特約の場合、弁護士費用300万円の限度額とは別に、法律相談料を10万円ほど補償するものが多数です。しかし、保険会社によっては法律相談料の別枠を設けていないところもあります。

また、自動車保険以外の損害保険(火災保険や傷害保険など)にも弁護士特約を付加できる保険会社や、単独の保険商品として提供している保険会社もあります。

さらに、自動車事故以外の場面で生ずる弁護士費用をカバーする弁護士特約もあります。

なお、保険会社によっては、弁護士特約の利用の同意に消極的なところもあるようです。

もし、保険会社が正当な理由がないのに弁護士特約の利用に同意しないようであれば、依頼をする予定の弁護士から保険会社に連絡をしてもらうとよいでしょう。

弁護士費用をどのくらい補償するのかについても、保険会社によって基準が異なります。

弁護士はそれぞれの報酬基準を持っており、それに基づいて費用を請求します。

しかし、保険会社はLACや社内の基準に収まる金額しか弁護士費用を認めない場合があり、そのようなときには、差額を依頼者自身が負担せざるを得ないことにもなりかねません。

弁護士費用の負担額や算定基準については、あらかじめ弁護士と保険会社間で確認しておいてもらえるよう、依頼をする弁護士に頼んでおくのが無難です。

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