2017.9.29 更新

妊娠中に事故にあってしまった…請求できる慰謝料と治療の注意点とは

事故後にとるべき一連の行動

腹痛や出血があったら躊躇なく救急車を呼びましょう。その際に妊娠していること、妊娠週数、検診で通っている病院名を救急隊員に忘れずに告げてください。
事故直後に、腹痛や出血などの目立った症状が出ない場合も、腹部をぶつけている可能性があるので、検診に通っている病院で診察してもらいましょう。

妊娠初期の交通事故の場合、お腹が大きくありませんので、激しく強打しなければ問題がないケースが多いですが、妊娠中期以降はお腹への衝撃は「胎盤早期剥離」などの、母子ともに命の危険を伴う症状を引き起こしかねません。お腹をぶつけたな、と思ったら必ず受診しましょう。
どちらの場合も「交通事故の被害に遭ったから受診する」旨を受付で伝えておいてください。

慰謝料請求は保留できる?

お腹の赤ちゃんに何らかの衝撃が加わり、出産後に大きな障害が見つかる可能性はゼロではありません。
だから「無事に出産するまで示談しない」ことは可能です。ただし、慰謝料請求には事故日から3年という時効がありますので、注意しましょう。
また、保険会社は事故日から示談までの日数が長くなったり、治療完了後示談が完了しないと、「早く示談をしませんか?」と急かしてくることがあります。ここだけの話、保険会社の担当者は「早期解決」することを会社から求められているからです。担当者も上司から「この案件は何で示談できないんだ」と問い詰められるのです。
だから、子どもに後遺障害がないことを確認してから示談したい場合は、手紙やメールなど形に残る連絡手段で「出産後子どもの健康を見届けてから示談したい」と保険会社に通知しておくことをおすすめします。そうすれば、担当者も上司から責め立てられることがないので、頻繁に電話をかけてくることもありません。
出産経験者から申し上げると、出産後は子どものお世話や夜間授乳で、3か月は寝不足のふらふら状態が続きます。その状態で保険会社からの電話連絡を受けて、面談や電話で示談交渉を続けることは、かなり厳しいです。子どもがお昼寝をすれば、お母さんも一緒に寝なければ体も心も休まりません。そんな時に保険会社から「お子さんは元気ですかー?そろそろ示談のお話を」なんて電話がかかってきたら、腹立たしいを通り越して、憎しみの感情が産まれると思います。
もし、出産後に示談をしたいと考えているのであれば、早い段階で弁護士などの法律のプロに交渉を一任しておくと安心です。

子どもの後遺症次第で慰謝料増額?

万が一生まれた子どもに「交通事故と因果関係がある」症状がみられた場合は、慰謝料や治療費を請求できます。過去の裁判例では、障害の度合いに応じて数百万円から1000万円程度の慰謝料に支払いが命じられている例もあります。ただし、「交通事故と因果関係がある」ことが証明された場合のみ、です。生まれた子どもに何かしらの障害があった場合でも、交通事故の影響なのか先天性のものなのか、医学的に区別が出来なければ慰謝料を請求することはできません。医師の診断書に「交通事故の受傷により」などの文言が明記された上で、保険会社がそれを認定しなければ慰謝料を受け取ることはできません。また、数百万円単位の高額な慰謝料が認められるのは裁判になった場合が多く、保険会社と直接交渉すると裁判で認められているような金額は認定されないことがほとんどです。
生まれた子どもに何らかの障害などが生じて、慰謝料を受け取りたいのであれば「交通事故との因果関係の有無」と「慰謝料の交渉」という2つのハードルを越えなければならないことを、覚えておいてください。

妊娠中が理由で制限される治療とは?

妊娠中は「レントゲン」や「痛み止めの麻酔」「各種投薬」が制限されます。むちうち症の場合、うつ伏せになってのマッサージや電気治療も受けることもできません。
本当に痛みがひどい場合は、ごくごく効き目が軽く、子どもへの影響が少ないとされている鎮痛剤を処方してもらうことは可能ですが、多くの整形外科の先生は妊婦さんへの投薬を嫌がります。
要するに、「妊婦さんへの治療は難しい」と言うことです。
どうしても痛みがひどい場合は整形外科ではなく、検診で通っている産婦人科で相談してみることをおすすめします。私も妊娠中に酷い頭痛や、歯の痛みに悩まされたことがありますが、その都度鎮痛剤を処方してもらえました。「交通事故のけがによる通院」は産婦人科でも「事故による通院日数」に換算されますので、受診前に「交通事故のケガによる通院」であることを話しておきましょう。

治療の制限が影響する損害賠償請求

病院の治療が制限されるということは、通院の頻度が減ります。専業主婦の場合、通院した日数分の「休業損害」を受け取ることができますが、通院日数が減れば休業損害も減ることになるので、示談の際に受け取る賠償金の総額は少なくなる可能性もあります。働いている場合は、通院しなくても交通事故のけがによる痛みなどで、会社を休んだ場合は、通院していなくても「休業損害」を受け取ることは可能です。どちらにしても、通院頻度が減るのでその分受け取る賠償金の総額は少なくなると考えてよいでしょう。それを回避したければ、交通事故に強い弁護士に交渉方法を相談してみましょう。

妊婦が事故治療で気をつけること

ほとんどの医師は妊婦への投薬やレントゲンについて慎重を期してくれますが、中には忘れてしまって「妊娠中禁忌」とされている薬を処方する医師もいます。処方された薬は全て、インターネットやお薬辞典で成分や妊娠中の注意事項について、自分の目で確認しましょう。湿布薬や電気治療は、基本的に妊娠中は受けないほうが良いとされています。整形外科医や整骨院の先生は交通事故治療においてはプロですが、妊婦さんやお腹の子どもへの影響については、不勉強の場合があるので、「自分と自分の子どもの身は自分で守る」というつもりで、自己防衛をしましょう。

妊娠中の事故被害を助ける弁護士依頼

被害者さんが妊娠している場合は弁護士に依頼したほうが示談交渉がスムーズに進む上に、賠償金の増額が見込めるので、早い段階で弁護士に依頼することをおすすめします。

妊娠期間中は、つわりや切迫早産などで自由に動ける時間が少なくなりますし、何かと神経質になったり、気弱になったりしてしまいます。そんな時に大切な慰謝料を決定する示談交渉を行うのは容易なことではありません。
切迫流産や早産で、急な出産などでいつ入院するか分からない身なので、示談交渉が急にストップして、数か月何もできなくなる可能性もあります。
妊娠中は、交通事故の示談交渉と言う厄介なもめ事のことは忘れて、おなかの赤ちゃんのことだけを考えて生活したいですよね。
なによりも、弁護士に依頼したほうが受け取る慰謝料や休業損害は、2割以上アップすることがほとんどです。妊娠中の示談交渉は金銭面でも弁護士依頼がベストだと考えます。

専業主婦でも休業損害を請求できる?

専業主婦でも休業損害を受け取ることができます。基本的には通院した日数に応じて、日額5,700円が支払われます。ただし、これは自賠責保険基準と言って、一番低い金額です。もし弁護士に依頼した場合は1日当たり1万円を請求することも不可能ではありません。弁護士に依頼すると、慰謝料も休業損害も「弁護士基準」と言う高額な基準で交渉してもらえるので、受け取ることができる賠償金の総額も増加します。

切迫早産による慰謝料請求

切迫早産とは、「臨月以前に子どもが産まれてしまいそうな状態」を言います。なので交通事故が原因で切迫早産になり、入院した場合は入院日数に応じて休業損害や慰謝料が支払われます。入院せずに、通院治療が続いた場合は、治癒するまでの期間の慰謝料が支払われます。切迫早産の状態から、本当に子どもが早く生まれてしまい「後遺障害」が残った場合や「何らかの症状」があって治療を要した場合もも慰謝料を受け取ることは可能です。どの状態にしても、保険会社からすると「イレギュラーな被害者」なので、間違った対応や慰謝料計算がなされてしまう可能性があります。切迫早産で安静を指示されると、心が沈みがちになり示談交渉をする気力がわかないことが多いので、弁護士に依頼するのが得策です。

流産時の慰謝料は子どもの分も考慮?

交通事故が原因で、流産してしまった場合、子どもの分も考慮された慰謝料が支払われます。支払われる金額は個々の状況に応じて計算されるので一概には言えませんが、150万円から800万円の慰謝料請求が認められています。初産かどうか、臨月に近いかどうか、などでも金額が変わります。ただしこれらの金額は裁判で争った上で、認定された金額なので、個人と保険会社の担当者が交渉する場合は、もっと少額になる可能性が高いです。

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