2017.9.29 更新

交通事故の慰謝料金額は増額できる|保険会社と交渉する方法まとめ

慰謝料が増額される仕組みとは?

最近はインターネットで「慰謝料増額事例」をよく見かけますよね。慰謝料が増額される仕組みは「慰謝料の計算方法の違い」です。
保険会社の慰謝料の計算方法は「自賠責保険基準」と言って、一番低い計算基準によって計算された方法です。多くの体験談で見かけられる増額された慰謝料は「弁護士基準」で計算された慰謝料です。

自賠責保険は、車を所有している人に国が強制的に加入させている「最低限の被害者救済」保険なので、慰謝料の基準も最低限に設定されているのです。
慰謝料が増額されているケースのほとんどが、自賠責保険の基準ではなく、弁護士基準で計算されています。つまり、弁護士に依頼したから慰謝料が増額しているのです。個人が頑張って慰謝料を増額することも不可能ではありませんが、基本的には「通院頻度を上げて、治療期間を延ばす」ことしかできませんので、保険会社からの執拗な「早く治療を辞めて、慰謝料を受け取りましょうよ」攻勢を受けることになります。

慰謝料増額事由の具体例

慰謝料が相場よりも増額されるケースはまれにですがあります。比較的多いのが「事故形態」による増額です。加害者が飲酒運転や脱法ドラッグを吸引している状態で運転をしていて事故を起こした場合や、著しく危険な運転を繰り返して事故を起こした場合などです。また、顔に大きな傷跡が残った場合や味覚や嗅覚に異常が残った場合などは、後遺障害賠償金とは別に、慰謝料が増額されることもあります。基本的にはこのような特殊な事情が無ければ、慰謝料が相場よりも増額されることはありません。通常の事故で慰謝料増額を望むのであれば、弁護士などの法律のプロに相談しなければ難しいでしょう。

弁護士に依頼する重要性

弁護士に依頼するメリットは多数ありますが、一番は「受け取ることができる慰謝料の総額が大幅に増額すること」です。
交通事故のけがにおける慰謝料の計算方法は、「自賠責保険基準」「任意保険基準」と「弁護士基準」の2通りがあります。私たち個人が保険会社と直接交渉している場合に適用されるのは、「自賠責保険基準」か「任意保険基準」です。
ほとんどの場合が一番低額な「自賠責保険基準」で計算されています。
保険会社は営利企業なので、最低限の自賠責保険基準の慰謝料で被害者で納得してくれるのであれば「自賠責保険基準」しか提示しません。本当はもっと高額な慰謝料を支払うことが出来る、「弁護士基準」があることは被害者に教えてくれることはありません。被害者さんが自分で「弁護士基準」で計算することを要求しても保険会社は「弁護士が交渉している訳でも裁判している訳でもないので、その基準は適用されません」と一蹴されます。
つまり、「弁護士に依頼しない限り弁護士基準の慰謝料を受け取ることはできない」と言うことです。
慰謝料を確実に増額したいのであれば、弁護士に依頼するよりしかないのです。

慰謝料増額が困難なケースとは?

いくら有能な弁護士でも、慰謝料増額が厳しいケースがあります。それが「すでに示談書を取り交わしている場合」です。示談書に署名捺印した後に慰謝料を増額を要求しても取り合ってもらえません。弁護士に依頼しても示談が完了していれば、慰謝料増額は不可能です。
また、増額はできるけど増額幅が少ないケースもあります。それが通院日数が少ない場合です。事故日から1回や2回程度しか通わずに放置してしまった場合もいくら弁護士と言えども大幅な減額は厳しくなります。通院していないのに怪我の慰謝料を求めることは困難です。

症状固定と示談交渉の進め方

症状固定とは、「治療してもこれ以上は症状が改善しない状態だから治療を打ち切ること」を言います。症状固定後は、いくら病院に通っても保険会社から治療費や交通費、慰謝料、休業損害を受け取ることはできません。
軽度の捻挫や打撲の場合、事故から3か月~6か月経過する頃に保険会社から「症状固定」をもちかけられます。任意保険の会社は「自賠責保険の範囲内」で慰謝料や治療費を支払っている分には太っ腹ですが、自賠責保険範囲を超えそうになると途端に、「症状固定」と言う名の治療打ち切りを宣告したがるのです。
慰謝料を増額したいのであれば、まずは「症状固定」を先延ばしにしてもらいましょう。そのためには、かかりつけの整形外科の先生からのお口添えも必要です。医師が「まだ治療を続けることで改善の余地がある」と明言すれば、保険会社は症状固定を先延ばしにせざるを得ません。その時に相談するのは「整形外科」の医師にしてください。整骨院や接骨院は、保険会社が「不正請求の巣窟」と考えていますので、整骨院の先生などからお話があったら、むしろ症状固定を頑なに主張します。

症状固定を先延ばしすることと同時に、必要なのが「後遺障害の事前認定」です。「症状が改善していないのに治療が打ち切られる」と言うことは、なにかしらの「後遺障害がある可能性がある」と言うことです。
症状固定を打診されて、目いっぱい通院した後は「後遺障害の事前認定」を求めましょう。
通っている整形外科からレントゲンなどの画像資料や診断書を取り寄せた上で、自賠責保険の調査事務所が「後遺障害に該当するかどうか」を判断してくれます。
もし、後遺障害が認定されれば慰謝料は増額されます。

長い期間通院した上で、症状固定の提案を受け入れてしまった場合でも、弁護士に依頼すれば治療期間に応じて受け取ることができる慰謝料の額を増額することができますので、相談してみると良いでしょう。
最後にまとめますと、慰謝料増額のために出来ることは「症状固定の先延ばし」と「後遺障害の事前認定」、そして「弁護士への依頼」です。症状固定を保険会社から勧められて、そのまま示談をしてしまうと慰謝料は一切増額されませんので、ご注意ください。

後遺障害等級認定と慰謝料の関係

事故のけがの、治療をしたものの症状が改善せず、傷跡や症状が残ったままの状態になった場合、後遺障害が認められるケースがあります。
後遺障害は症状に応じて1級から14級までの等級が決められており、後遺障害の慰謝料もそれに応じて計算されます。
自賠責保険の基準では、一番軽い14級の慰謝料は32万円、13級は57万円、12級は93万円です。等級が高くなれば高くなるほど受け取ることが出来る慰謝料は増額されることになります。

休業損害を受け取る最適な方法

休業損害を増額するために一番確実な方法は「弁護士に依頼する子こと」です。

休業損害とは、会社員や主婦などが事故のけがが原因で働くことができず、お休みをした場合に受け取ることができる賠償金です。
とは言っても、「今日は体が痛いから休む」と言って勝手に休んでも支払われません。医師から「安静」を指示された期間が認定されます。
休業損害の受取額を増額させるためには「多く休業する」もしくは「1日当たりの損害額を増額する」しかありません。
しかし、休業日数を勝手に増やすことはできませんし、そんなに休んでばかりでは肝心の職を失うことになりかねません。
そうなると残された道は「1日当たりの損害額の増額」です。
適切な交渉によって、休業損害を大幅に増額させることができる可能性が高いのは「自営業者」や「専業主婦」ですが、サラリーマンも増額の可能性があります。

過失割合を下げる重要性

過失割合交渉と言えば、物損事故と思われがちですが、人身の賠償金を決定する時にも大きな役割があります。
自賠責保険の範囲内であれば、被害者さんの過失割合がよほど大きくない限り、全く過失割合は加味されず、慰謝料や治療費は支払われます。しかし、自賠責保険の限度額(後遺障害がない場合は120万円)を超えてしまうと、慰謝料や治療費などのすべての賠償金に過失割合がかけられるのです。
例えば、賠償金の総額400万円の場合、被害者の過失が1割なら360万円、2割なら320万円に減額されます。
治療費や薬代などの保険会社から直接医療機関に支払っている分を減額する訳にはいきませんので、慰謝料や休業損害などから医療費分も差し引かれます。
過失割合が1割違うだけで受け取ることができる、慰謝料が大きく変わりますので、過失交渉は慎重に行ってください。

判例活用で慰謝料増額は期待できる?

個人が保険会社相手に交渉している場合、慰謝料増額を目当てに「過去の判例」を提示する例が増えています。インターネットで簡単に慰謝料増額事例を検索することができるので、誰しも交渉材料に使うようになったのです。では、その結果慰謝料が増額されるのか?というとほとんどが撃沈してしまいます。なぜならば、判例はあくまでも「裁判で争った結果、認定された金額」だからです。一被害者さんが、いくら判例を提示したところで「ああ、それですね。弁護士を雇って長期間裁判で争った挙句に認定された、賠償額なので、あなたの場合は適用されませんよ」と一蹴されてしまいます。もし、本気のその金額を受け取りたいと思うのであれば「分かりました。僕も弁護士に依頼します」と通知して本当に弁護士に依頼するしかありません。

慰謝料の補完的作用とは?

「慰謝料の補完的作用」とは、他でカバーしきれない損害を「慰謝料」と言う名目で増額することを言います。例えば、交通事故で顔に大きな傷跡が残った場合、傷の大きさに応じて慰謝料が認定されますが、「逸失利益」は認定されません。
逸失利益とは「事故でけがをしたおかげで、将来にわたって得ることができたはずの報酬が減額された」場合などに支払われるお金です。例えば、トラックの運転手さんが腰に後遺障害を負ってしまったら、事故前と同じように働くことはできませんよね。その分を補償するのが逸失利益です。
では、先ほどの、顔に大きな傷跡が残ってしまったケースはどうでしょうか?顔に傷跡が残ったとはいえ、他の部分が健康であれば仕事の報酬に変わりはないとみなされるので、逸失利益を受け取ることはできません。
しかし実際には「顔に傷が残ったこと」で深く傷つき、仕事に専念することができなくなったり、仕事量が減ってしまったりすることがあるかもしれません。
そう言った「不確定ながらも将来、不利益を被る可能性があること」をカバーするために「慰謝料を増額」してあげるのです。
ただし、慰謝料の補完的作用を全ての被害者さんが均等に受け取ることができる訳ではありません。保険会社からは提示されませんので、自分で交渉する必要があります。

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