2018.9.21 更新

交通事故の重度後遺障害にお困りの方へ|等級認定と各種手続き方法

交通事故で重度後遺障害になってしまった
交通事故で家族に重度の後遺障害が残ってしまった。何から手をつければいいのかわからない

交通事故でケガをし後遺症が残るケースは多く、中でも重度の後遺障害が残った場合は、各種手当や補償などの申請をしなければなりません

この記事では、交通事故で重度後遺障害が残った場合に発生する手続きの方法をわかりやすく解説していきます。

また、交通事故の後遺障害に特化した弁護士事務所も紹介しています。

  • 重度の後遺障害の症状
  • 家族の方が被害者請求する際に必要な書類
  • 重度の後遺障害が残ってしまった場合に受け取れる補償
  • 国から受けられる補償(障害年金や労災)について
この記事でわかること

交通事故で過失割合について疑問があるかたは弁護士法人天音法律事務所に無料相談

重度後遺障害とは?|後遺障害等級認定で1~3級に該当するもの

後遺障害等級認定で1級〜3級に認定されるレベルの症状がある場合に、重度の後遺障害だと言われています。

後遺障害等級とは

交通事故が原因で残ってしまった後遺障害を国土交通省の「自動車損害賠償保障法施行令別表」で定められた1級~14級の14段階にわけた基準のことです。

14段階にわかれている中の1級〜3級に当てはまる症状が重症後遺障害と見なされます。

後遺障害1級〜3級は以下のような症状と定義されています。

重度後遺障害の症状
第1級 1 両眼が失明したもの
2 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
3 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
4 両上肢の用を全廃したもの
5 両下肢をひざ関節以上失ったもの
6 両下肢の用を全廃したもの
7 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの
8 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,常に介護を要するもの
第2級 1 1眼が失明し,他眼の視力が0.02以下になったもの
2 両眼の視力が0.02以下になったもの
3 両上肢を手関節以上で失ったもの
4 両下肢を足関節以上で失ったもの
5 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,随時介護を要するもの
6 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,随時介護を要するもの
第3級 1 1眼が失明し,他眼の視力が0.06以下になったもの
2 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
3 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの
4 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの
5 両手の手指の全部を失つたもの

後遺障害等級認定の手続き方法についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

後遺障害とは?等級認定の流れと等級表でみる1級~14級の認定基準

このような重度後遺障害を負って介護が必要になった場合、交通事故専門の療護センターに入所することができます。

重度後遺障害者のための治療施設の紹介|熱心なリハビリを行ってくれます

交通事故による重度後遺障害者のための治療施設
交通事故専門の療護センターは、突然の事故によって寝たきりの状態になった被害者の方を抱えた家族の悩みを解消するために運営されています。

センターは独立行政法人自動車事故対策機構が運営しており、以下の全国に9箇所設置されています。

  • 中村記念病院(北海道)
  • 東北療護センター(宮城県)
  • 千葉療護センター(千葉県)
  • 湘南東部総合病院(神奈川県)
  • 藤田保健衛生大学病院(愛知県)
  • 中部療護センター(岐阜県)
  • 泉大津市立病院(大阪府)
  • 岡山療護センター(岡山県)
  • 聖マリア病院(福岡県)

入所する際は、運動機能、接触機能、排せつ機能、認知機能、発声発語機能などの重度の障害による治療や介護の必要性を総合的に判断して「入所できるかどうか」が判断されます

基本的には脳損傷で重度後遺障害を負った方が対象です。

これらの施設では、高度先進医療機器を使って詳しく検査をした上で、それぞれの被害者さんに応じた看護が行われています。

自動車事故対策機能が直接運営している療護センターでは、介護するだけではなく、自立、社会復帰を目指したリハビリも熱心に行っています。

入院期間は最大で3年と定められていますが、在宅介護をしている方でも短期入院が可能です

入院にかかる費用は、補助が出るので4万円から8万円となっています。

重度後遺障害の慰謝料金額の相場と特有の請求内容とは?

慰謝料には「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準(裁判基準)」3つの基準があります。
実は、「弁護士基準」ならもっとも高い金額で後遺障害の慰謝料がもらえる
のです。
基準によって慰謝料請求できる金額が変わるんですね。後遺障害の等級によっても慰謝料額は変わってくるのでしょうか?
等級によっても大きく変化します。適用する慰謝料基準や等級による金額の違いを比較してみましょう。

  

等級 自賠責基準 弁護士基準(裁判基準)
第1級 1100万円 2700~3100万円
第2級 958万円 2300~2700万円
第3級 829万円 1800~2200万円

また要介護者にあてはまる後遺障害かどうかでも慰謝料金額が変わるので、上記の金額よりも増額することもあります。

後遺障害慰謝料の他にも、重度後遺障害には特有の請求内容があるので下記で説明していきます。

重度後遺障害特有の請求内容

被害者請求を行うと、治療費・慰謝料・逸失利益・休業損害、さらに通院にかかった交通費も支払われます。

重度後遺障害を負った場合は、この他にも相手の保険会社に被害者請求できる費用があります。

重度の後遺障害の場合に請求できる費用の内約
付添看護費 入通院で付添が必要になった際に認められる費用
器具等購入費 治療や後遺症が残った際にかかる費用(車椅子・松葉杖など)
家屋等改造費 後遺症が残る事によってかかる自宅のバリアフリー化などの費用
物損費用 交通事故が原因で破損したものの費用
将来介護費用 家族や外部業者に被害者の介護をしてもらう場合に受け取ることが出来る費用
自動車改造費用 重度後遺障害が原因で、市販車に乗ることが出来なくなった場合は、自動車の改造費用が認められます。新車を購入する場合は「障害者仕様車-市販車」の差額が支払われます。

このように、今後の生活に必要となるであろう物を購入する費用や、介護費用も保険会社から補償してもらうことができます。

こちらの記事では交通事故で受け取れる慰謝料に関する詳しい説明をしています。あわせてご覧ください。

【保存版】交通事故の慰謝料相場はいくら?必ずわかる計算方法まとめ

将来介護費用の補償には主治医による証明が重要

先ほど記した通り、植物人間状態で意識がない場合や高次脳機能障害などの重傷を負った場合は、家族や業者による「将来介護費」が認められるケースがあります。

将来介護費が認められるために絶対に外せないのが「主治医の判断」です。

いくら家族が「介護が必要です」と訴えても、主治医が認めていなければ将来介護費用は認められません。

裁判で争った例では、3級以下でも認められるケースもありますが、保険会社と直接交渉しているとほぼ認められないと思っていいでしょう。

そのため、保険会社と交渉する前に、主治医に将来の介護について相談をしておいてください。

医師が将来にわたって介護が必要と判断したところで、将来介護費についての交渉がスタートします。

補償される介護費の金額は以下の計算方法によって計算されます。

将来介護費の計算方法

介護日額×365日×症状固定日から平均余命までの年数×ライプニッツ係数

つまり、症状固定日から平均余命までの期間の介護費用が支払われるということです。

支払われる介護費用は、外部に委託した場合は実費、家族が介護する場合は後遺障害の等級に応じた費用が、支払われます。

家族が仕事などで介護をすることができない場合のみ外部に委託することが認めらます

介護費用に関して、重要になるのは「介護日額」です。

基本的には、弁護士に依頼したり、裁判で争ったりした場合は認定される日額が高額になる傾向にあります。

家族が介護した場合は後遺障害の等級に応じて日額は千円から2万円(判例によっては3万円を超えることもある)です。

自分たちで加害者側保険会社と交渉するよりも、弁護士に依頼するほうが日額が高額になります。
さらに裁判で争った場合は、より高額の介護費用が認められることもあります。

家のリフォーム費用を認めてもらう方法

重度後遺障害によって家のリフォームを認めてもらうには
重度後遺障害を負ったために、家屋をリフォームもしくは新築した場合の費用を認定してもらうためには、「障害と改修や新築の因果関係」を立証しなければなりません

例えば、車いすでトイレに入れない場合は、「自宅の図面」「現状の写真」「一般的な車いすのサイズ」「改修費用の請求書」「完成後の写真」を提出する必要があります。

ただし、現状よりグレードの高いトイレに変えた場合などの「後遺障害と無関係の改修」は認められないのでご注意ください

その場合は、同グレードのトイレの費用のみが認定されることになります。

改修費用は、原則として、改修前ではなく改修してから請求しますが、事前に保険会社に改修費用が支払われるかどうかを確認しておきましょう

新築する場合に立証しなければならない事

また改修ではなく、新築をする場合は、「改修よりも新築するほうが合理的である」ことを立証しなければなりません。

これを立証するためには、「自宅を生活できるように回収するための費用の見積もり」と、「新築した場合の見積もり」を提出しなければなりません。

両者を比較した上で新築したほうが安いと判断されれば、新築費用が支払われる可能性はゼロではありません。

ただし、改修費用のすべてが「事故との因果関係がある」と認められなければならないので、かなりハードルが高いです。

新築を認定してもらいたければ、交通事故に強い弁護士に相談することをおすすめします。

家族の方が代理で示談する場合に必要な書類

被害者側が重度後遺障害を負った場合、本人が保険会社との手続きを行うことは難しいため、家族が代理で保険会社とのやりとりを行うことになります。

家族が代理で保険会社への被害者請求を行う場合に必要な書類は以下の通りです。

    自分たちで記入する書類

  • 保険金・損害賠償金額・仮渡金支払請求書
  • 事故発生状況報告書
  • 付き添い看護自認書
  • 通院交通費明細書
  • 委任状

これらの書類は、各自賠責保険会社の窓口に備え付けてあります

最寄りの保険会社の「サービスセンター」(保険金支払い部署)に行って、記入方法を教えてもらうとよいでしょう。

保険会社の営業部署では、詳しい説明を聞くことができないので、サービスセンターに相談してください。

    関係各所に発行を依頼する書類

  • 交通事故証明書
  • 医師の診断書
  • 後遺障害診断書
  • レントゲン写真等の画像資料
  • 診療報酬明細書
  • 休業損害証明書
  • 印鑑証明書(本人と代理人)
  • 戸籍謄本

発行を依頼する書類は発行するのにお金がかかるものが多いですが、発行料を保険会社に請求することが可能です。

保険会社に提出する際に、発行費の領収書を添付することをおすすめします。

成年後見人の費用と補償について

交通事故で高次脳機能障害を負ってしまった場合や、判断能力が著しく低下していると医師が認めた場合は、さらに成年後見人を選任する必要があります

成年後見人とは

判断能力が著しく低下してしまった方の財産を管理や介護などのサービスや、施設への入所に関する契約を結んだりする権利を持った人のことを意味します。

この成年後見人は基本的に弁護士などの法律のプロに依頼することが大半です。

成年後見人にかかる費用も、「交通事故との因果関係がある場合」に認定されるため、補償してもらえます。

国から受けられる補償について|障害年金や労災

重度後遺障害の障害年金と労災の手続き
重度の後遺障害残ってしまった場合、任意保険や自賠責保険から受け取る損害賠償金や慰謝料以外にも、公的な給付を受け取ることができます

主な給付がこちらです。

  • 障害基礎年金
  • 障害厚生年金
  • 労災年金(業務中の交通事故の場合)
  • 労災介護給付(業務中の交通事故の場合)
  • 独立行政法人自動車事故対策機構の介護料の支給
  • 交通遺児等育成基金による被害者の子供向け生活資金等の給付

これらの年金や給付金は、重度の後遺障害の場合のみ給付されます。

保険会社の担当者に聞けば手続きの方法を教えてもらえますが、正確な情報を知るためにも、関係各所の窓口で確認しましょう。

これらの手続きと、保険会社との交渉を全て弁護士に一任することもできます。

以下の記事では重症の方が受け取れる補償について詳しく説明しています。

【後遺障害1級】第1号〜6号認定と慰謝料相場は?労災の申請方法

後遺障害の手続き等に困ったら弁護士に相談

交通事故で重度後遺障害の場合は弁護士に相談
重度後遺障害の場合、加害者側の保険会社との示談金等のやりとりだけでなく、年金やその他の手続きを沢山しなければなりません。

ケガをされたご家族のケアに専念するために、損害賠償請求や後遺障害の認定などの示談交渉は、最初から弁護士に依頼して解決することをおすすめします。

自分たちで保険会社と直接交渉することもできますが、家族や自分自身が重傷を負っている状態で、精神的負担の大きい交渉ごとに関わるのは得策ではありません。

弁護士は、自動車保険とのやりとりや賠償請求だけでなく、重度後遺障害に関する各種手続きに関しても知識があり、依頼者の味方になってくれる存在です。

それだけではなく、過失割合の見直しや慰謝料を増額することも弁護士に依頼する事で可能になります。

今後の生活の見通しを立てるために、病院などのケアマネージャーさんと相談しながら、家のリフォーム箇所や必要な機器の購入をまとめて、弁護士経由で費用の支払いを交渉してもらうようにしてください。

保険会社の担当者は、被害者が受け取るべき賠償額について、口頭で説明すると同時にパンフレットも手渡ししているはずですが、重傷を負っている被害者やその家族は一度に理解することはできません。

保険会社も重度後遺障害は対応しなれているとは言えないので、対応に落ち度や計算ミスが出ることも少なくありません。

そのような不利益を被らないためにも早い段階で弁護士依頼を考えましょう

  • 重度後遺障害は後遺障害1級〜3級に該当する症状
  • 後遺障害専門の病院が存在する
  • 自動車保険以外にも補償制度が存在する
  • 手続き等に困ったら交通事故に詳しい弁護士に依頼
この記事のまとめ

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